回転寿司チェーンでの迷惑行為を撮影した動画が相次いで話題になり、波紋が広がった。回転レーンに流れる商品に客が無断で手を加えるものを受けては、SNSで「回転寿司の回転レーンはもういらない!!」といった声も広がっている。
回転寿司チェーンは「回転レーン」での提供についてどのように考えているのか。J-CASTニュースは2023年1月31日、大手チェーンに取材した。
回転寿司チェーンでの迷惑行為がたびたびSNSで話題になっている。2023年1月だけでも、はま寿司、くら寿司、スシローで撮影されたとみられる悪質ないたずら動画が拡散された。
回転レーンを用いて寿司を届けるというシステムを悪用したものもあった。7日頃には、他の客が注文した商品について2貫のうち1貫を勝手に箸で取って食べる動画がTikTokに投稿された。9日ごろにはレーンを流れる寿司に無断でワサビを盛る動画が投稿されている。
こうした動画が拡散されたことで、SNSでは「もう回転寿司って形態が厳しいな」「回転レーンいらない…」といった声が広がっている。被害を受けた大手3社は、「回転レーン」での提供についてどのように考えているのか。
取材に対し、くら寿司の広報担当者は、寿司に設けたカバーの仕組みを改良することで、回転レーンを存続させる見込みだと明かした。
くら寿司では2011年に寿司の上に被せるカバーを導入している。このカバーにはICタグが取り付けられ、レーン上の商品の時間を管理するなどの仕組みが設けられている。
広報担当者は、「回転寿司ならではの楽しみ方を提供し続けたい」と述べる。
取材に対し、はま寿司の広報担当者は、迷惑行為が話題になる以前から回転レーンの撤廃を進めていると述べる。
はま寿司では、タブレットで注文した商品を客の席に高速で運ぶ「ストレートレーン」を導入している。新型コロナウイルス感染症拡大以前から、一部店舗で回転レーンを撤廃し、
スシローについては30日ごろから、回転レーンでの提供を控えているのではないかとツイッターで話題になった。複数の投稿によれば、一部店舗で次のようなポップが回転レーンを流れていたという。
取材に対し、スシローを展開するFOOD & LIFE COMPANIESの広報担当者はSNSでの推測を否定する。
スシローの広報担当者は以前から使用しているポップであるとする。
ポップの利用は各店舗に判断を任せているという。
J-CASTニュースはスシローに、(1)回転レーンの採用についてどのように考えているのか(2)迷惑行為を受けて提供方法に変更を行う予定はあるか――を尋ねた。広報担当者は、今後の対応策については「現在具体的に決まったものはございませんが、検討していこうと考えております」との回答にとどまった。
各社が悪質行為を防ぐための対応に苦心する中、ある回転寿司チェーンの関係者は取材に対し、「この問題は回転寿司業界だけの問題ではない」と訴える。迷惑行為は常軌を逸した行動であるとして、いくら対策を施したところで、飲食に限らず客の前に商品を陳列する業種全体で起こりうる問題であるという。システム化が進む回転寿司に不安の声が集中していると嘆いた。
(2月1日10時15分追記)スシロー広報に取材した内容を一部修正・加筆しました。
(2022年2月1日12時50分追記)記事公開後、スシロー広報から連絡があり、「レーンの採用に関して、現在レーンを利用した提供を変えるという議論については社内ではありません」と説明した。
また2月1日付でリリースを公開し、今後の対策に関して一部情報を更新したと説明する。リリースでは、迷惑行為の防止策の中で回転レーンに関する対応も以下のとおり発表した。