有名人による「電車・新幹線でのマナー」への苦言が相次いでいる。1月17日、お笑いコンビ・ダイアンの津田篤宏(46)が自身のツイッターを更新。
【写真】『駅と電車内の迷惑行為ランキング』をチェック!《新幹線の後ろの人の足踏みが俺の席にまでめちゃくちゃ響いてすんごい不快!》《今からお茶ぶっかけて怒鳴り散らしたろうと思います!よろしく!》 と、新幹線での不快な出来事を発信した。新幹線・電車のモンスター客にガマンの限界! 翌18日には、お笑いタレント・ヒコロヒー(33)が『5時に夢中!』(TOKYO MX)に生出演し、電車で受けたわいせつ被害を告白。

「電車に乗ってたときに、横のおじさんがエッチな動画を見てて。『すいません、目に入ってうっとうしいのでやめてもらっていいですか』って言ったら、『別におまえに見せようとしてへんから』って言い争いになって……。次の駅でバーッとその人は出ていったけど、こういうタイプの痴漢もあるのかと思った」 と、乗客の非常識な行為に怒りを表明した。 さまざまな人が利用する電車や新幹線でのマナー向上は、鉄道会社にとっても重要な課題。全国の私鉄72社が加盟する日本民営鉄道協会では、毎年『駅と電車内の迷惑行為ランキング』を発表し、乗車マナーの啓発に取り組んでいる。「どのような行動が迷惑行為として認識されているのかという実態を捉え、駅や車内でのマナー向上に役立ててほしいという思いで、1999年から継続的に実施している調査です。昨年12月20日に2022年度分の最新ランキングを発表しました。 今回の調査はインターネット上で実施し、10月1日~11月30日の2か月間で3305人から回答を得ることができました。ランキングの結果は、マナー啓発のためのポスターなどにも活用しています」 こう語るのは、日本民営鉄道協会の越智政広さん。そこで今回は、最新の『駅と電車内の迷惑行為ランキング』を週刊女性の調査で寄せられたエピソードとともに紹介。公共の場である電車・新幹線でのマナーについて考えていきたい。交通機関での迷惑行為ランキング 迷惑と感じる行為ランキングの今年度のトップは『座席の座り方(詰めない・足を伸ばすなど)』。全体の34.3%を占め、昨年度の2位から2年ぶりの1位に。「大股開きで2人分のスペースを使って座っているおじさん。エラそうに新聞まで広げていて、何様だよと思った」(55歳・女性・愛知県)といった声や、「足を通路に投げ出すようにして座っている若者をよく見かける。通路を歩く人の邪魔になっており、もう少し配慮が必要ではと不快に思った」(42歳・男性・広島県)など、『週刊女性』の取材にも多くの体験談が寄せられた。 座席の使い方に対する苦言は続く。「座席に土足のまま寝ている人がいた。自宅じゃないんだから……」(60歳・女性・和歌山県)というものから、「車内はガラガラなのに、わざわざ私の隣に座ってくる“トナラー”に遭遇。怖くなってすぐに別の車両に移動した」(32歳・女性・千葉県)という、新種の“モンスター”の目撃談も。「座席に座る際は、(1)荷物は膝の上に置いて、(2)足は閉じて座りましょう、(3)本や新聞を読むときは隣の人に気を配って、(4)足を投げ出さないように座席に深く腰をかけて座りましょう、といったことが基本マナーになるかと思います。 座席スペースには限りがあるので、隣に座る人や立っている人にも配慮しながら、譲り合ってご利用ください」(越智さん) 続いて、ランキングの2位に挙がったのは『騒々しい会話・はしゃぎまわり』で、33.9%に上る。 『週刊女性』のアンケートでは、大声でのおしゃべりといったエピソード以外に、「小さな子どもがはしゃぎまわっているのに、親は何も言わない。さすがに見かねて私が注意したところ、逆に親に睨まれてしまった」(58歳・女性・北海道)という子どもにまつわるものも多数。 また、「新幹線で女性のグループが写真や動画を撮り合って盛り上がっていた。騒がしいし、マナーとしてどうなの」(43歳・女性・大阪府)、「独り言をブツブツ言ったり、大声を発している人を見かけることも。正直怖いです」(31歳・女性・東京都)、「車内で自撮りしながら動画配信をしている人がいた。ボソボソと視聴者にコメントを返している様子は、さすがに気味が悪かった」(39歳・男性・埼玉県)といった異様な光景の目撃談も寄せられている。「毎日の通勤・通学や旅行の移動手段など、利用者の目的はさまざま。小さなお子さま連れや高齢の方、障害のある方など多様な利用者が乗り合わせる公共空間でもありますので、一様に“会話禁止”などのルールを設けることは難しいというのが実情です。 各利用者が一定の配慮を持って活用していただければと思います」(越智さん)降りるときにわざとぶつかってくるのナゼ 3位は『乗降時のマナー』(27.0%)。ドア付近に陣取って乗降の妨げになっている利用者や、整列乗車時の割り込み・駆け込み乗車へのクレームの声は多い。「混雑時の“ドアの前から絶対に動かないマン”は本当に迷惑。一回ドアの外に出てほしい」(32歳・男性・神奈川県)や、「乗降時にわざとぶつかってきたり、力任せに押し出してくる男性も少なくない。転んでケガをしそうになったこともある」(62歳・女性・京都府)など、安全を脅かす行為も多いようだ。「スムーズな乗降を妨げるような行為は、電車の遅れにもつながり、ケガや事故の危険も伴います。 駅員の誘導や乗車時のアナウンスの徹底など、整列乗車は各社が強化していきたいところでもありますので、呼びかけに従いながら、安心・安全へのご協力をお願いいたします」(越智さん) 4位には『荷物の置き方・持ち方』(24.0%)が入っている。通路を妨げないようにリュックを胸の前に持つといったマナーも、近年は随分浸透してきたようで、エピソード調査では大型のキャリーバッグやベビーカーについての意見が多数。「スーツケースをドア付近に放置する人がいる。倒れて、人にぶつかるのを見かけた」(45歳・女性・千葉県)、「混雑時のベビーカーは迷惑。大事な赤ちゃんを危険に晒す行為でもあるのでは」(63歳・男性・兵庫県)という声も。「ベビーカーについては、近年は折りたたまずにご利用いただけるよう、案内をしている会社がほとんどです。一方で、やはり一定のスペースを占めてしまうのも事実。 最近は混雑状況をリアルタイムで確認できるスマホアプリなども出てきているので、そういったものもうまく活用しながら、できるだけ混雑時を避けてご利用いただくとよいかと思います。 また、周りのお客様には、ベビーカーのお客様を温かく見守っていただけるよう、お願いいたします」(越智さん) 5位は、『周囲に配慮せず咳やくしゃみをする』(22.3%)。昨年の4位から1つ順位を落としたものの、「このご時世にノーマスクで乗車する人は、やはりモラルに欠けていると思う」(55歳・男性・長崎県)など、依然として気にする人が多いようだ。「政府の方針では屋外は原則マスク不要とのことですが、鉄道各社は今もマスク着用でのご利用をお願いしているところが多いです。今後の状況に応じて、マスクの要不要のルールも変わっていくと思いますので、各鉄道会社のお知らせをご確認ください」(越智さん) ほかにも、歩きスマホやイヤホンからの音漏れ、泥酔や嘔吐へのクレームなど、電車や新幹線でのトラブルエピソードは多様化を極めるが……。「痴漢や暴力などの明白な犯罪行為は論外ですが、マナー問題は利用者ひとりひとりの意識や思いやりによって解決することも多くあります。 皆さまに気持ちよくご利用いただけるよう、今後も啓発活動を継続してまいります。 もし何かトラブルが起きてしまったときには、お近くの乗務員や駅員にお声がけください」(越智さん) 他者への配慮を忘れず、何より自分が“モンスター”にならないよう心がけたい。(取材・文/吉信 武)
《新幹線の後ろの人の足踏みが俺の席にまでめちゃくちゃ響いてすんごい不快!》《今からお茶ぶっかけて怒鳴り散らしたろうと思います!よろしく!》
と、新幹線での不快な出来事を発信した。
翌18日には、お笑いタレント・ヒコロヒー(33)が『5時に夢中!』(TOKYO MX)に生出演し、電車で受けたわいせつ被害を告白。
「電車に乗ってたときに、横のおじさんがエッチな動画を見てて。『すいません、目に入ってうっとうしいのでやめてもらっていいですか』って言ったら、『別におまえに見せようとしてへんから』って言い争いになって……。次の駅でバーッとその人は出ていったけど、こういうタイプの痴漢もあるのかと思った」
と、乗客の非常識な行為に怒りを表明した。
さまざまな人が利用する電車や新幹線でのマナー向上は、鉄道会社にとっても重要な課題。全国の私鉄72社が加盟する日本民営鉄道協会では、毎年『駅と電車内の迷惑行為ランキング』を発表し、乗車マナーの啓発に取り組んでいる。
「どのような行動が迷惑行為として認識されているのかという実態を捉え、駅や車内でのマナー向上に役立ててほしいという思いで、1999年から継続的に実施している調査です。昨年12月20日に2022年度分の最新ランキングを発表しました。
今回の調査はインターネット上で実施し、10月1日~11月30日の2か月間で3305人から回答を得ることができました。ランキングの結果は、マナー啓発のためのポスターなどにも活用しています」
こう語るのは、日本民営鉄道協会の越智政広さん。そこで今回は、最新の『駅と電車内の迷惑行為ランキング』を週刊女性の調査で寄せられたエピソードとともに紹介。公共の場である電車・新幹線でのマナーについて考えていきたい。
迷惑と感じる行為ランキングの今年度のトップは『座席の座り方(詰めない・足を伸ばすなど)』。全体の34.3%を占め、昨年度の2位から2年ぶりの1位に。
「大股開きで2人分のスペースを使って座っているおじさん。エラそうに新聞まで広げていて、何様だよと思った」(55歳・女性・愛知県)といった声や、
「足を通路に投げ出すようにして座っている若者をよく見かける。通路を歩く人の邪魔になっており、もう少し配慮が必要ではと不快に思った」(42歳・男性・広島県)など、『週刊女性』の取材にも多くの体験談が寄せられた。
座席の使い方に対する苦言は続く。「座席に土足のまま寝ている人がいた。自宅じゃないんだから……」(60歳・女性・和歌山県)というものから、
「車内はガラガラなのに、わざわざ私の隣に座ってくる“トナラー”に遭遇。怖くなってすぐに別の車両に移動した」(32歳・女性・千葉県)という、新種の“モンスター”の目撃談も。
「座席に座る際は、(1)荷物は膝の上に置いて、(2)足は閉じて座りましょう、(3)本や新聞を読むときは隣の人に気を配って、(4)足を投げ出さないように座席に深く腰をかけて座りましょう、といったことが基本マナーになるかと思います。
座席スペースには限りがあるので、隣に座る人や立っている人にも配慮しながら、譲り合ってご利用ください」(越智さん)
続いて、ランキングの2位に挙がったのは『騒々しい会話・はしゃぎまわり』で、33.9%に上る。
『週刊女性』のアンケートでは、大声でのおしゃべりといったエピソード以外に、「小さな子どもがはしゃぎまわっているのに、親は何も言わない。さすがに見かねて私が注意したところ、逆に親に睨まれてしまった」(58歳・女性・北海道)という子どもにまつわるものも多数。
また、「新幹線で女性のグループが写真や動画を撮り合って盛り上がっていた。騒がしいし、マナーとしてどうなの」(43歳・女性・大阪府)、「独り言をブツブツ言ったり、大声を発している人を見かけることも。正直怖いです」(31歳・女性・東京都)、
「車内で自撮りしながら動画配信をしている人がいた。ボソボソと視聴者にコメントを返している様子は、さすがに気味が悪かった」(39歳・男性・埼玉県)といった異様な光景の目撃談も寄せられている。
「毎日の通勤・通学や旅行の移動手段など、利用者の目的はさまざま。小さなお子さま連れや高齢の方、障害のある方など多様な利用者が乗り合わせる公共空間でもありますので、一様に“会話禁止”などのルールを設けることは難しいというのが実情です。
各利用者が一定の配慮を持って活用していただければと思います」(越智さん)
3位は『乗降時のマナー』(27.0%)。ドア付近に陣取って乗降の妨げになっている利用者や、整列乗車時の割り込み・駆け込み乗車へのクレームの声は多い。
「混雑時の“ドアの前から絶対に動かないマン”は本当に迷惑。一回ドアの外に出てほしい」(32歳・男性・神奈川県)や、
「乗降時にわざとぶつかってきたり、力任せに押し出してくる男性も少なくない。転んでケガをしそうになったこともある」(62歳・女性・京都府)など、安全を脅かす行為も多いようだ。
「スムーズな乗降を妨げるような行為は、電車の遅れにもつながり、ケガや事故の危険も伴います。
駅員の誘導や乗車時のアナウンスの徹底など、整列乗車は各社が強化していきたいところでもありますので、呼びかけに従いながら、安心・安全へのご協力をお願いいたします」(越智さん)
4位には『荷物の置き方・持ち方』(24.0%)が入っている。通路を妨げないようにリュックを胸の前に持つといったマナーも、近年は随分浸透してきたようで、エピソード調査では大型のキャリーバッグやベビーカーについての意見が多数。
「スーツケースをドア付近に放置する人がいる。倒れて、人にぶつかるのを見かけた」(45歳・女性・千葉県)、「混雑時のベビーカーは迷惑。大事な赤ちゃんを危険に晒す行為でもあるのでは」(63歳・男性・兵庫県)という声も。
「ベビーカーについては、近年は折りたたまずにご利用いただけるよう、案内をしている会社がほとんどです。一方で、やはり一定のスペースを占めてしまうのも事実。
最近は混雑状況をリアルタイムで確認できるスマホアプリなども出てきているので、そういったものもうまく活用しながら、できるだけ混雑時を避けてご利用いただくとよいかと思います。
また、周りのお客様には、ベビーカーのお客様を温かく見守っていただけるよう、お願いいたします」(越智さん)
5位は、『周囲に配慮せず咳やくしゃみをする』(22.3%)。昨年の4位から1つ順位を落としたものの、「このご時世にノーマスクで乗車する人は、やはりモラルに欠けていると思う」(55歳・男性・長崎県)など、依然として気にする人が多いようだ。
「政府の方針では屋外は原則マスク不要とのことですが、鉄道各社は今もマスク着用でのご利用をお願いしているところが多いです。今後の状況に応じて、マスクの要不要のルールも変わっていくと思いますので、各鉄道会社のお知らせをご確認ください」(越智さん)
ほかにも、歩きスマホやイヤホンからの音漏れ、泥酔や嘔吐へのクレームなど、電車や新幹線でのトラブルエピソードは多様化を極めるが……。
「痴漢や暴力などの明白な犯罪行為は論外ですが、マナー問題は利用者ひとりひとりの意識や思いやりによって解決することも多くあります。
皆さまに気持ちよくご利用いただけるよう、今後も啓発活動を継続してまいります。 もし何かトラブルが起きてしまったときには、お近くの乗務員や駅員にお声がけください」(越智さん)
他者への配慮を忘れず、何より自分が“モンスター”にならないよう心がけたい。
(取材・文/吉信 武)