荒井勝喜秘書官のLGBTなど性的少数者への差別発言を受け、記者団の取材に応じる岸田首相=4日午前、首相公邸
岸田文雄首相は4日、LGBTなど性的少数者に対する差別発言をした荒井勝喜首相秘書官について、更迭する意向を公邸で記者団に表明した。発言に関し「政府の方針とは全く相いれないものであり、言語道断だ」と言及。辞めさせる意向かと問われ「そう受け止めている。至急、具体的な対応を考える。進退をも考えざるを得ない発言だ」と答えた。野党は政権の人権感覚が欠如していると批判し、首相の任命責任を追及する方針だ。
首相は「厳しく対応せざるを得ない」とも述べた。荒井氏を更迭しなければ批判が一層強まり、2023年度予算案の国会審議に影響すると判断したとみられる。
ただ首相側近の差別発言により、政権中枢に人権軽視の発想が存在することが明るみに出た事実は深刻で、内閣支持率が低迷する政権に打撃となるのは必至の情勢だ。
立憲民主党の泉健太代表はツイッターで「ひどい発言で、当然更迭すべきだ。首相官邸内の人権感覚も問われる」と批判。
共産党の小池晃書記局長は共同通信の取材に「個人の暴言にとどまる問題ではない」と非難した。
荒井勝喜氏