長野市議会は3日、臨時の議会運営委員会を開き、市職員とのやりとりをオンライン配信していた小泉一真議員(56)の行為が市議会議員政治倫理条例に違反する可能性があるとして、政治倫理審査会(政倫審)を設置し調査することで一致した。
政倫審が設置されれば同市で初めてとなる。
市などによると、小泉氏は先月20日、今年度末で廃止される市内の公園「青木島遊園地」について市職員に電話で問い合わせをした際、そのやり取りを動画投稿サイト「ユーチューブ」上で承諾を得ることなくライブ配信していた。
事態を問題視した荻原健司市長が2日、「職員に対する誹謗(ひぼう)中傷につながりかねない」などとして市議会に対し是正を求める申し入れを行った。申し入れの中で荻原市長は、職員の公正な職務執行を妨げ、影響力を不正に行使する働きかけを禁じた同条例に抵触する可能性があると指摘した。
3日に急きょ開かれた議運で出席した議員からは「市議会と行政との緊張感ある信頼関係を揺るがす重大な問題だ」「事実関係を調査すべきだ」といった意見が挙がった。審議の結果、小泉議員の行動を調査し、懲罰的な勧告を行う権限を持つ政倫審の設置が必要との認識で全会派が一致。今後、議長に対して設置が請求される見通しだ。
小泉氏は取材に対し、「条例に抵触するという市長の指摘は不当だ。公園廃止反対を訴えている私への意趣返しだ」などと反論している。