全国で相次いで発生している強盗事件をめぐり、渡邉優樹容疑者(38)と並んで犯行グループの主犯格とされる、今村磨人(きよと)容疑者(38)。取材を進めると、小学生時代の女性教師へのイジメや同級生への恐喝から始まり、最終的に覚醒剤の売買にも手を染めた非道な半生が明らかになった
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【写真を見る】修学旅行で女湯をのぞいたという、中学時代の今村容疑者 まずは社会部記者の解説から。「『ルフィ』を名乗っていたのは渡邉優樹だけではありません。同じフィリピンの入管施設に収容されている今村磨人もまた、その名前を使って日本国内の実行役に指示を出していたと見られています」

フィリピンの入管施設 もう一人のルフィこと今村容疑者も、渡邉容疑者と同じく北海道の出身である。ただ、渡邉容疑者と違うのは大都市・札幌で育った点だ。先生の座る椅子に画びょうを… 同級生の女性が明かす。「磨人とは小学6年生の時、同じクラスになったんですが、自分の気に入らない子や言うことを聞かない子をよくイジメていました。彼がイジメを働いている時に“やめなよ”と注意した真面目な生徒が標的になることも多かった」 やり口は陰湿だった。「クラス全員から無視されることになったり、上履きや靴、ペンや教科書を捨てられたり。暴言を吐かれることもありました」(同) しかも、ターゲットはクラスメートに限らなかった。「彼は、担任で当時30代だった女性の先生まで攻撃したんです。先生の持ち物を捨てたり隠したり。卒業記念に写真を撮るために先生が用意していたカメラを壊したことも。先生の座る椅子に画びょうを置いて、お前なんかいらないと言い放ってもいました」クラスメイトに“お前、ゲロくさいんだよ” イジメに参加しない生徒は今村容疑者に目を付けられるとあって、大半の生徒が彼に加担するようになった。「真面目でいい先生だったんですが、ある日、教頭先生から“担任の先生は心の病気で来られなくなりました”との説明がありました。最終的には鬱状態になったそうで、ついに卒業まで姿を見せることはありませんでした」 中学に入ると、その性根は腐敗の度を増し、振る舞いもエスカレートする。「気が弱いクラスメートに向かって“お前、ゲロくさいんだよ”などと言っていました。また、イジメた子を奴隷のようにも扱っていましたね」“体売ってでもカネを作ってこい” さらにこんな話まで。「中1からたばこを吸うようになり、友達の家をたまり場にしてお酒も飲んでいました。また、暴走族の集会に顔を出すようになって、クラスメートをカツアゲしておカネを巻き上げていた。バスケのボールをぶつけられてアザができた子、たばこを買いに行かされている子もいました」 素行にまつわる逸話にはおよそ事欠かない。「彼には中学時代、彼女がいたんですが、別の娘と二股をかけていた。私はその彼女にうっかり彼が浮気していることをバラしてしまい、二人は別れたんですよ。彼は大激怒して、私に“お前のせいで別れることになった。慰謝料30万円よこせ。盗んででも、体売ってでもカネを作ってこい”って……。そのことを誰にも言えず悩んだのですが、幸いにも親が私の異常な様子に気付いてくれました」 結局、女性の親が警察に相談。被害届も出し、どうにか恐喝に屈さずに済んだという。成人式で再会すると… 今村容疑者は中学3年生になると、いよいよ道を踏み外していく。「彼は3年のある時期から、学校で姿を見かけなくなった。元々、不登校気味だったので、またサボっているなというくらいにしか思っていなかったのですが、あとから“磨人は少年院に行っているよ”って知らされて……。彼が少年院に行ったことが理由で両親は離婚したとも聞きました」 その後、女性は成人式で今村容疑者と再会する。「私が痩せて外見も変わったからか、手のひらを返したように“遊ぼうよ”って言ってきました。こっちは過去にされたことを忘れていないですから“無理!”って言いました。磨人は逆にすごく太って別人みたいでした。ファッションヘルスを経営しているって話していましたね」たびたび怪しげな連絡が たびたび今村容疑者からは連絡が入ったものの、「犯罪で使うのか、私の名義でトバシの携帯を作ってくれ、みたいなこと言って。断っても“大丈夫だから”としつこく迫られたり。もちろん作りませんでした。他にも“風俗で働く子いない?”とか“シャブ(覚醒剤)買う人、周りにいない?”とか……」 悪事の波間を進む男は24歳の時に風営法違反で逮捕されており、社会面にもデビュー済みだった。「今回のニュースを見ても全く驚かなかったです。昔から根が悪い人間なので。逆らう相手を拷問するとか、磨人ならいかにもやりそうだなという感じ」【渡邉優樹容疑者の知られざる”凶悪”な素顔については前編を読む】「週刊新潮」2023年2月9日号 掲載
まずは社会部記者の解説から。
「『ルフィ』を名乗っていたのは渡邉優樹だけではありません。同じフィリピンの入管施設に収容されている今村磨人もまた、その名前を使って日本国内の実行役に指示を出していたと見られています」
もう一人のルフィこと今村容疑者も、渡邉容疑者と同じく北海道の出身である。ただ、渡邉容疑者と違うのは大都市・札幌で育った点だ。
同級生の女性が明かす。
「磨人とは小学6年生の時、同じクラスになったんですが、自分の気に入らない子や言うことを聞かない子をよくイジメていました。彼がイジメを働いている時に“やめなよ”と注意した真面目な生徒が標的になることも多かった」
やり口は陰湿だった。
「クラス全員から無視されることになったり、上履きや靴、ペンや教科書を捨てられたり。暴言を吐かれることもありました」(同)
しかも、ターゲットはクラスメートに限らなかった。
「彼は、担任で当時30代だった女性の先生まで攻撃したんです。先生の持ち物を捨てたり隠したり。卒業記念に写真を撮るために先生が用意していたカメラを壊したことも。先生の座る椅子に画びょうを置いて、お前なんかいらないと言い放ってもいました」
イジメに参加しない生徒は今村容疑者に目を付けられるとあって、大半の生徒が彼に加担するようになった。
「真面目でいい先生だったんですが、ある日、教頭先生から“担任の先生は心の病気で来られなくなりました”との説明がありました。最終的には鬱状態になったそうで、ついに卒業まで姿を見せることはありませんでした」
中学に入ると、その性根は腐敗の度を増し、振る舞いもエスカレートする。
「気が弱いクラスメートに向かって“お前、ゲロくさいんだよ”などと言っていました。また、イジメた子を奴隷のようにも扱っていましたね」
さらにこんな話まで。
「中1からたばこを吸うようになり、友達の家をたまり場にしてお酒も飲んでいました。また、暴走族の集会に顔を出すようになって、クラスメートをカツアゲしておカネを巻き上げていた。バスケのボールをぶつけられてアザができた子、たばこを買いに行かされている子もいました」
素行にまつわる逸話にはおよそ事欠かない。
「彼には中学時代、彼女がいたんですが、別の娘と二股をかけていた。私はその彼女にうっかり彼が浮気していることをバラしてしまい、二人は別れたんですよ。彼は大激怒して、私に“お前のせいで別れることになった。慰謝料30万円よこせ。盗んででも、体売ってでもカネを作ってこい”って……。そのことを誰にも言えず悩んだのですが、幸いにも親が私の異常な様子に気付いてくれました」
結局、女性の親が警察に相談。被害届も出し、どうにか恐喝に屈さずに済んだという。
今村容疑者は中学3年生になると、いよいよ道を踏み外していく。
「彼は3年のある時期から、学校で姿を見かけなくなった。元々、不登校気味だったので、またサボっているなというくらいにしか思っていなかったのですが、あとから“磨人は少年院に行っているよ”って知らされて……。彼が少年院に行ったことが理由で両親は離婚したとも聞きました」
その後、女性は成人式で今村容疑者と再会する。
「私が痩せて外見も変わったからか、手のひらを返したように“遊ぼうよ”って言ってきました。こっちは過去にされたことを忘れていないですから“無理!”って言いました。磨人は逆にすごく太って別人みたいでした。ファッションヘルスを経営しているって話していましたね」
たびたび今村容疑者からは連絡が入ったものの、
「犯罪で使うのか、私の名義でトバシの携帯を作ってくれ、みたいなこと言って。断っても“大丈夫だから”としつこく迫られたり。もちろん作りませんでした。他にも“風俗で働く子いない?”とか“シャブ(覚醒剤)買う人、周りにいない?”とか……」
悪事の波間を進む男は24歳の時に風営法違反で逮捕されており、社会面にもデビュー済みだった。
「今回のニュースを見ても全く驚かなかったです。昔から根が悪い人間なので。逆らう相手を拷問するとか、磨人ならいかにもやりそうだなという感じ」
【渡邉優樹容疑者の知られざる”凶悪”な素顔については前編を読む】
「週刊新潮」2023年2月9日号 掲載