「スカイラインやスープラなど国産スポーツカーの盗難が相次いでいる」。2022年秋ごろ、捜査関係者からこんな話を聞いた。意外なことに神奈川県内で被害に遭っているのは最新の車種ではなく、1990年代を中心に生産された「旧車」だという。取材を進めると、ある理由で旧車が狙われる実態が見えてきた。
【数字が浮いてる?】実は盗難車だったGT-R 県警によると、県内では22年6~9月、横浜市内を中心にスカイラインやスープラ、NSXなど計35台が盗まれたり、盗まれそうになったりした。標的になったのはいずれも1989~2003年にかけて生産された車で、被害総額は1億円以上に上った。
県警は9月、横浜市内の自動車修理工場で止めてあったスポーツカーを盗もうとしたとして、58歳と57歳の容疑者2人を窃盗未遂(自動車盗)容疑で逮捕。県警は10件以上の余罪があると見ているが、2人の逮捕後も盗難事件は起きており、県警は背後に組織的な関与があるとみて捜査を続けている。 逮捕された容疑者の一人は調べに「(国産スポーツカーの旧車は)売れば金になる。金を稼ぐためにやった」と供述した。背景には旧車の価格高騰があるという。 「映画や漫画などで国産の旧車が登場し、その頑丈さや見た目の格好良さも手伝って、海外での需要が非常に高まっている。それに伴い市場価格も高騰している」。こう明かすのは、中古車事情に詳しい「神奈川県中古自動車販売協会(JU神奈川)」幹部の横山敏行さん(44)。カーアクション映画「ワイルド・スピード」や漫画「頭文字(イニシャル)D」などに往年の国産スポーツカーが多数登場し、米国を中心に海外での人気が高まっているというのだ。 横山さんは「盗難車の中には海外に渡っているものもある」との見方を示し、「車体を一度分解してパーツの状態で外国まで持って行き、現地で再び組み立てる手口があるのではないか」と話す。 価格高騰を背景に、旧車が盗難の標的になる状況は今後も続くとみられる。県警によると、盗まれた車のほとんどでタイヤロックなどの防犯対策が施されていなかった。県警幹部はタイヤとハンドルをロックする「二重ロック」のほか、バッテリーを外すなども有効だとし、「盗むのに時間がかかるような状況を作り出すことが大切。時間がかかればそれだけ周囲の人が気づく機会が増える」と、対策を呼びかけている。【牧野大輔】
県警によると、県内では22年6~9月、横浜市内を中心にスカイラインやスープラ、NSXなど計35台が盗まれたり、盗まれそうになったりした。標的になったのはいずれも1989~2003年にかけて生産された車で、被害総額は1億円以上に上った。
県警は9月、横浜市内の自動車修理工場で止めてあったスポーツカーを盗もうとしたとして、58歳と57歳の容疑者2人を窃盗未遂(自動車盗)容疑で逮捕。県警は10件以上の余罪があると見ているが、2人の逮捕後も盗難事件は起きており、県警は背後に組織的な関与があるとみて捜査を続けている。
逮捕された容疑者の一人は調べに「(国産スポーツカーの旧車は)売れば金になる。金を稼ぐためにやった」と供述した。背景には旧車の価格高騰があるという。
「映画や漫画などで国産の旧車が登場し、その頑丈さや見た目の格好良さも手伝って、海外での需要が非常に高まっている。それに伴い市場価格も高騰している」。こう明かすのは、中古車事情に詳しい「神奈川県中古自動車販売協会(JU神奈川)」幹部の横山敏行さん(44)。カーアクション映画「ワイルド・スピード」や漫画「頭文字(イニシャル)D」などに往年の国産スポーツカーが多数登場し、米国を中心に海外での人気が高まっているというのだ。
横山さんは「盗難車の中には海外に渡っているものもある」との見方を示し、「車体を一度分解してパーツの状態で外国まで持って行き、現地で再び組み立てる手口があるのではないか」と話す。
価格高騰を背景に、旧車が盗難の標的になる状況は今後も続くとみられる。県警によると、盗まれた車のほとんどでタイヤロックなどの防犯対策が施されていなかった。県警幹部はタイヤとハンドルをロックする「二重ロック」のほか、バッテリーを外すなども有効だとし、「盗むのに時間がかかるような状況を作り出すことが大切。時間がかかればそれだけ周囲の人が気づく機会が増える」と、対策を呼びかけている。【牧野大輔】