10月20日~22日に開催された展示会『Femtech Tokyo(フェムテックトーキョー)』に出展された株式会社ドリームズのバスボム「Bloody Bomb(ブラッディボム)」が、SNS上で大炎上している。
【写真】「生理中でも男性にバレずに性交渉ができる」的外れすぎる生理用品 昨今、フェムテック(女性のライフステージにおけるさまざまな課題をテクノロジーで解決する製品やサービス)関連製品が同様の理由から炎上するケースが後を絶たず、SNSには「またか」とあきれ果てる女性も少なくない。

女性不在でフェムテックを語り合う動画「生理中は、血が気になって入浴できない」という女性のために開発されたという「Bloody Bomb」。お湯が真っ赤に染まる固形の入浴剤で、自律神経を整えてストレスを緩和するというCBD成分が40mg配合されている。プレスリリースには≪キラキラ輝く赤いお風呂で贅沢なリラックスタイムを提供します≫という宣伝文句が躍っているが……。「『Bloody Bomb』は、昨今、市場規模を拡大している『フェムテック』関連のアイテムとして、『Femtech Tokyo』にも出展されたそうですが、残念ながらSNSで猛反発を食らっています。そもそも女性が生理中の入浴をはばかる最大の理由は、風呂内に経血が漏れることを不衛生に感じるからでしょう。『Bloody Bomb』を使えば、確かに血は目立たなくなるものの、問題はそこじゃない。そんな的外れな製品を“女性の悩みに寄り添う”体で販売したとあって、大炎上してしまうのも致し方ないでしょう」(女性誌記者) 一部報道によると、開発チームには女性メンバーも在籍していたそうだが、「当事者を置いてきぼりにした製品であるのは間違いない」(同・前)だろう。 また、今回「Bloody Bomb」が大炎上したのは、その直前に、フェムテックをテーマにしたある動画が物議を醸した影響もありそうだ。 11月25日、自民党の動画チャンネル「カフェスタ」の新企画として、自民党の若手議員と若手の有識者が政策に関するディスカッションや対談を行うクロストーク番組「ポリスタ」が始動。第1回のテーマがまさに「フェムテック」だったのだ。「司会は、自民党衆議院議員で、広報本部ネットメディア局次長の川崎ひでと氏と株式会社PoliPoli代表取締役・伊藤和真氏、ゲストは、一般社団法人メディカル・フェムテック・コンソーシアム常務理事・青木勇気氏と自民党衆議院議員・宮路拓馬氏。御覧の通り、女性が一人も参加していないんです。 当事者不在の中、女性の健康政策について語り合う男性たちに憤りを覚えた女性は多かったようで、SNSでは『はっきり言って気持ち悪いし不快』『全てがグロテスク』『さすがにブチギレてしまいました』といった言葉が飛び交いました」(ウェブメディア編集者) こうした騒動があった直後だけに、「Bloody Bomb」の炎上では、「『フェムテック』自体に猜疑心を抱いてしまう女性の姿も見られた」(同・前)そうだ。 もっとも、当事者を無視したフェムテック関連製品が炎上するのは、今回が初めてではない。昨年4月、ドイツ人男性3人が開発した「生理用品を取り換える際に使用するピンク色の手袋『ピンキーグローブ』」が、ネット上で物議を醸した。的外れな生理用品に非難轟々「ピンキーグローブは、まず手袋を着用した状態で使用済みの生理用品をつかみ、次に手袋を外す要領で生理用品をくるくると包んで密閉する……という製品。生理を経験したことのある人ならわかると思いますが、まったく意味のないものであり、ネットはたちまち炎上。また『生理は汚らわしく、隠さねばいけないものという偏見を助長する』といった批判も呼び、開発者は謝罪に至ったんです。 もともとピンキーグローブ開発者は、発明家が投資家から資金調達をするテレビ番組に出演し、同製品のプレゼンを行って3万ユーロを得たのですが、かつて同番組に登場した女性2人組が、生理用パンツのプレゼンを行った際は、投資者が現れなかったという話もありました。フェムテックの分野ですら、ジェンダー格差が存在することをまざまざと見せつけられ、衝撃を受けた女性は多かったのではないでしょうか」(ウェブライター) また、10月14日~16日に行われた『Femtech Fes! 2022』でも、「男性に気づかれることなく、生理中に性交できるスポンジ」が問題視された。「フランスの『Love Mousse』という製品です。展示会では≪生理中の女性が性交渉する際に使用する、生理用タンポンにかわるアイテムです。性交の間、パートナーにほとんど気づかれることなく、快適に過ごすことができます。生理中のセクシャルライフをサポートします≫と紹介されていました。また、その制作意図は≪生理中の女性が「気持ちよく」性行為できるように、生理用タンポンに代わる非常に安全で快適な方法を提供したいからです≫とのこと」(同・前) 生理中でも性交を楽しみたいという女性もいるだろうが、SNSでは「男性のためのもの」とバッシングが吹き荒れた。≪パートナーにほとんど気づかれることなく≫という一文から、「“生理中でも男性の欲求に応えなければいけない女性の姿”を想像し、『これはフェムテックではない』と指摘する人が続出した」(同・前)そうだ。 2025年までに5兆円規模の市場になると言われ、今後もさまざまな企業が参入するであろうフェムテック。金儲けに走るあまり、当事者である女性の存在を無視したトンデモ製品やサービスが、世にあふれてしまわないことを祈るばかりだ。
昨今、フェムテック(女性のライフステージにおけるさまざまな課題をテクノロジーで解決する製品やサービス)関連製品が同様の理由から炎上するケースが後を絶たず、SNSには「またか」とあきれ果てる女性も少なくない。
「生理中は、血が気になって入浴できない」という女性のために開発されたという「Bloody Bomb」。お湯が真っ赤に染まる固形の入浴剤で、自律神経を整えてストレスを緩和するというCBD成分が40mg配合されている。プレスリリースには≪キラキラ輝く赤いお風呂で贅沢なリラックスタイムを提供します≫という宣伝文句が躍っているが……。
「『Bloody Bomb』は、昨今、市場規模を拡大している『フェムテック』関連のアイテムとして、『Femtech Tokyo』にも出展されたそうですが、残念ながらSNSで猛反発を食らっています。そもそも女性が生理中の入浴をはばかる最大の理由は、風呂内に経血が漏れることを不衛生に感じるからでしょう。『Bloody Bomb』を使えば、確かに血は目立たなくなるものの、問題はそこじゃない。そんな的外れな製品を“女性の悩みに寄り添う”体で販売したとあって、大炎上してしまうのも致し方ないでしょう」(女性誌記者)
一部報道によると、開発チームには女性メンバーも在籍していたそうだが、「当事者を置いてきぼりにした製品であるのは間違いない」(同・前)だろう。
また、今回「Bloody Bomb」が大炎上したのは、その直前に、フェムテックをテーマにしたある動画が物議を醸した影響もありそうだ。
11月25日、自民党の動画チャンネル「カフェスタ」の新企画として、自民党の若手議員と若手の有識者が政策に関するディスカッションや対談を行うクロストーク番組「ポリスタ」が始動。第1回のテーマがまさに「フェムテック」だったのだ。
「司会は、自民党衆議院議員で、広報本部ネットメディア局次長の川崎ひでと氏と株式会社PoliPoli代表取締役・伊藤和真氏、ゲストは、一般社団法人メディカル・フェムテック・コンソーシアム常務理事・青木勇気氏と自民党衆議院議員・宮路拓馬氏。御覧の通り、女性が一人も参加していないんです。
当事者不在の中、女性の健康政策について語り合う男性たちに憤りを覚えた女性は多かったようで、SNSでは『はっきり言って気持ち悪いし不快』『全てがグロテスク』『さすがにブチギレてしまいました』といった言葉が飛び交いました」(ウェブメディア編集者)
こうした騒動があった直後だけに、「Bloody Bomb」の炎上では、「『フェムテック』自体に猜疑心を抱いてしまう女性の姿も見られた」(同・前)そうだ。
もっとも、当事者を無視したフェムテック関連製品が炎上するのは、今回が初めてではない。昨年4月、ドイツ人男性3人が開発した「生理用品を取り換える際に使用するピンク色の手袋『ピンキーグローブ』」が、ネット上で物議を醸した。
「ピンキーグローブは、まず手袋を着用した状態で使用済みの生理用品をつかみ、次に手袋を外す要領で生理用品をくるくると包んで密閉する……という製品。生理を経験したことのある人ならわかると思いますが、まったく意味のないものであり、ネットはたちまち炎上。また『生理は汚らわしく、隠さねばいけないものという偏見を助長する』といった批判も呼び、開発者は謝罪に至ったんです。
もともとピンキーグローブ開発者は、発明家が投資家から資金調達をするテレビ番組に出演し、同製品のプレゼンを行って3万ユーロを得たのですが、かつて同番組に登場した女性2人組が、生理用パンツのプレゼンを行った際は、投資者が現れなかったという話もありました。フェムテックの分野ですら、ジェンダー格差が存在することをまざまざと見せつけられ、衝撃を受けた女性は多かったのではないでしょうか」(ウェブライター)
また、10月14日~16日に行われた『Femtech Fes! 2022』でも、「男性に気づかれることなく、生理中に性交できるスポンジ」が問題視された。
「フランスの『Love Mousse』という製品です。展示会では≪生理中の女性が性交渉する際に使用する、生理用タンポンにかわるアイテムです。性交の間、パートナーにほとんど気づかれることなく、快適に過ごすことができます。生理中のセクシャルライフをサポートします≫と紹介されていました。また、その制作意図は≪生理中の女性が「気持ちよく」性行為できるように、生理用タンポンに代わる非常に安全で快適な方法を提供したいからです≫とのこと」(同・前)
生理中でも性交を楽しみたいという女性もいるだろうが、SNSでは「男性のためのもの」とバッシングが吹き荒れた。≪パートナーにほとんど気づかれることなく≫という一文から、「“生理中でも男性の欲求に応えなければいけない女性の姿”を想像し、『これはフェムテックではない』と指摘する人が続出した」(同・前)そうだ。
2025年までに5兆円規模の市場になると言われ、今後もさまざまな企業が参入するであろうフェムテック。金儲けに走るあまり、当事者である女性の存在を無視したトンデモ製品やサービスが、世にあふれてしまわないことを祈るばかりだ。