妻を手にかけ、小学生の我が子に遺体を発見させ、1年以上も殺人事件の被害者を装っていた男。生まれも育ちも申し分ない、自民党所属の長野県議・丸山大輔(48)のとある嗜好とは――。
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【写真を見る】常に”女性の影”があったという長野県議・丸山大輔(48) 長野県の中央部に位置する塩尻市内に衝撃が走ったのは、11月28日の夜。「長野県警は昨年9月に丸山の妻・希美(のぞみ)さん(47)=当時=の遺体が自宅で発見された事件で、夫の丸山議員を殺人容疑で逮捕しました」

と言うのは地元記者。「丸山は一貫して“事件当夜は長野市内の議員宿舎に泊まった”と主張していましたが、カーナビやNシステムの記録、防犯カメラの映像の解析で、丸山が長野市と塩尻市を往復していたことが判明。アリバイが崩れたのです」丸山希美さんが殺害された酒蔵兼自宅 丸山は明治16年創業という老舗の酒造会社「笑亀(しょうき)酒造」の跡継ぎだ。 夫婦を知る関係者が言う。「県内屈指の名門・松本深志高校から慶應大学経済学部に進学し、卒業後は公認会計士を目指していたとか。20年前に急逝した父親の後を継いで社長に就任すると、28歳の若さながら、酒蔵を案内するツアーで観光客を呼び込むなど、辣腕を振るう経営者でした」希美さんの実家の応援で当選 一方、希美さんの実家は、同じ塩尻市内に本社を置く本山漆器店。名産品の木曽漆器の製造と販売を一手に担い、北海道や九州にも支店を持つ有力企業である。「高校卒業後に上京し、玉川大学を卒業。地元に戻って家業を手伝っている時に、塩尻の青年会議所で丸山と知り合ったそうです。二人は15年ほど前に結婚し、2人の子に恵まれた。以前は子どもたちが楽しそうに雪掻きをしていましたよ」 傍目には、恵まれた家族にしか見えなかったという。「だから、丸山君が自公の推薦で県議選に出ると聞いた時は驚きました」 とは地元政界関係者。「でも、奥さんの実家をはじめ、木曽漆器関連の組合が“本山さんの娘婿なら”と全面支援した。おかげで初挑戦ながら2位に倍近い得票差で1位当選できたんです」「尻」に強いこだわり 創業140年という酒蔵の跡取りともなれば、押しも押されもせぬ地元の名士だ。「後援会長は丸山を後継指名した議会の元副議長。元塩尻市長が最高顧問で前市長が相談役と、最初から“負けるわけない”と専らのうわさでした」(先の記者) 当選後は、長野県の伝統工芸を支援する議連の幹事長も務め、この10月には、3期目に向けた決起集会も開いていた。 そんな政治活動の一方で、かつて地元の情報サイトに掲載されたインタビュー記事からは、「尻」への謎のこだわりぶりが見て取れる。 例えば、街づくりへ向けたアイデアを問われると、〈塩尻の「尻」をもっと生かそうと(中略)お尻でするバレーボール「尻コンバレー」とか。名産品としては「尻コダマ」という饅頭、「ヒップリン」というプリン。ハリウッドのチャイニーズシアターみたいな有名人の手形でなく尻形の道路とか、待ち合せに便利な尻モニュメントとか、尻を祀った神社とか〉という具合。“尻形道路”の第1号は〈アンジェリーナ・ジョリーにしたいです!〉とも。女性を両脇に抱えて… 旧知の市議が証言する。「丸山君が県議になった頃、東京からワイナリーフェスタにやってきた二人の女性と親しくなった。夜になって女性たちが“東京に帰る”と言うと、彼は二人を両脇に抱えるように一緒に電車に乗っちゃった。後から聞くと“長野で1泊した”と。女性と一緒だったかは分かりませんが、奥さんがいるのにあきれましたよ」 先輩県議はこんな話。「彼には既婚女性とのダブル不倫のうわさも。“互いに離婚して一緒になろう”と約束して、女性は夫と別れたのに丸山は離婚しない。女性とはちょっとしたトラブルになったとか」 動機の解明が待たれる。「週刊新潮」2022年12月8日号 掲載
長野県の中央部に位置する塩尻市内に衝撃が走ったのは、11月28日の夜。
「長野県警は昨年9月に丸山の妻・希美(のぞみ)さん(47)=当時=の遺体が自宅で発見された事件で、夫の丸山議員を殺人容疑で逮捕しました」
と言うのは地元記者。
「丸山は一貫して“事件当夜は長野市内の議員宿舎に泊まった”と主張していましたが、カーナビやNシステムの記録、防犯カメラの映像の解析で、丸山が長野市と塩尻市を往復していたことが判明。アリバイが崩れたのです」
丸山は明治16年創業という老舗の酒造会社「笑亀(しょうき)酒造」の跡継ぎだ。
夫婦を知る関係者が言う。
「県内屈指の名門・松本深志高校から慶應大学経済学部に進学し、卒業後は公認会計士を目指していたとか。20年前に急逝した父親の後を継いで社長に就任すると、28歳の若さながら、酒蔵を案内するツアーで観光客を呼び込むなど、辣腕を振るう経営者でした」
一方、希美さんの実家は、同じ塩尻市内に本社を置く本山漆器店。名産品の木曽漆器の製造と販売を一手に担い、北海道や九州にも支店を持つ有力企業である。
「高校卒業後に上京し、玉川大学を卒業。地元に戻って家業を手伝っている時に、塩尻の青年会議所で丸山と知り合ったそうです。二人は15年ほど前に結婚し、2人の子に恵まれた。以前は子どもたちが楽しそうに雪掻きをしていましたよ」
傍目には、恵まれた家族にしか見えなかったという。
「だから、丸山君が自公の推薦で県議選に出ると聞いた時は驚きました」
とは地元政界関係者。
「でも、奥さんの実家をはじめ、木曽漆器関連の組合が“本山さんの娘婿なら”と全面支援した。おかげで初挑戦ながら2位に倍近い得票差で1位当選できたんです」
創業140年という酒蔵の跡取りともなれば、押しも押されもせぬ地元の名士だ。
「後援会長は丸山を後継指名した議会の元副議長。元塩尻市長が最高顧問で前市長が相談役と、最初から“負けるわけない”と専らのうわさでした」(先の記者)
当選後は、長野県の伝統工芸を支援する議連の幹事長も務め、この10月には、3期目に向けた決起集会も開いていた。
そんな政治活動の一方で、かつて地元の情報サイトに掲載されたインタビュー記事からは、「尻」への謎のこだわりぶりが見て取れる。
例えば、街づくりへ向けたアイデアを問われると、
〈塩尻の「尻」をもっと生かそうと(中略)お尻でするバレーボール「尻コンバレー」とか。名産品としては「尻コダマ」という饅頭、「ヒップリン」というプリン。ハリウッドのチャイニーズシアターみたいな有名人の手形でなく尻形の道路とか、待ち合せに便利な尻モニュメントとか、尻を祀った神社とか〉という具合。“尻形道路”の第1号は〈アンジェリーナ・ジョリーにしたいです!〉とも。
旧知の市議が証言する。
「丸山君が県議になった頃、東京からワイナリーフェスタにやってきた二人の女性と親しくなった。夜になって女性たちが“東京に帰る”と言うと、彼は二人を両脇に抱えるように一緒に電車に乗っちゃった。後から聞くと“長野で1泊した”と。女性と一緒だったかは分かりませんが、奥さんがいるのにあきれましたよ」
先輩県議はこんな話。
「彼には既婚女性とのダブル不倫のうわさも。“互いに離婚して一緒になろう”と約束して、女性は夫と別れたのに丸山は離婚しない。女性とはちょっとしたトラブルになったとか」
動機の解明が待たれる。
「週刊新潮」2022年12月8日号 掲載