大麻密売グループに捜査情報を漏らした見返りに現金数万円を受け取った疑いが強まったとして、大阪府警が徳島県藍住町議会の副議長、平石賢治容疑者(45)ら2人を加重収賄と地方公務員法(守秘義務)違反の疑いで逮捕したことが、捜査関係者への取材で明らかになった。逮捕は5日付。藍住町役場に密売グループの関連情報を照会した捜査当局の動きが筒抜けだったとみられ、平石副議長の知人で町職員だった女性も関与した疑いがある。
期待の副議長、なぜ情報漏えい? 浮かぶゆがんだ関係 府警は7日、大麻密売グループの主導役で韓国籍の金太士容疑者(52)=住所不定=も贈賄と地公法違反(そそのかし)の疑いで逮捕した。 捜査関係者によると、大阪、徳島両府県警や近畿厚生局麻薬取締部は、金容疑者を含め計15人を大麻取締法違反(営利目的共同所持)容疑などで逮捕していた。グループは関東地方から密売目的の大麻を大量に入手し、大阪府内の民泊施設やマンションの一室で保管。四国など各地の密売人らに売りさばいていたとされる。 捜査当局はグループの実態や関係先の解明を進める過程で、藍住町住民課にグループ関係者の個人情報の提出を求める「捜査関係事項照会」をかけた。 平石副議長は住民課で勤務していた臨時職員の阿部さやか容疑者(39)=徳島県北島町=と共謀。照会がかかった捜査の動きを金容疑者に漏えいし、その見返りとして現金数万円を受け取った疑いが持たれている。平石副議長が阿部容疑者に照会の有無を報告するよう指示していたとみられる。阿部容疑者は10月末で退職した。 府警は秘密事項を漏えいした2人の行為が「職務上の不正」にあたると判断し、加重収賄罪を適用した模様だ。 警察や検察は刑事訴訟法に基づき「捜査関係事項照会書」を作成すれば、捜査に必要な個人情報について自治体や企業に提出を求めることができる。関係者によると、自治体の職員は戸籍や住民票、土地の所有情報の提供を要請されることが多く、秘密保持を求められるという。 平石副議長らの関与は、薬物事件の捜査が進む中で浮上。平石副議長は以前から金容疑者と面識があったとみられ、府警は詳しい接点や漏えい情報の内容についても調べている。 平石副議長は2008年に初当選し、現在4期目。20年3月から町議会(定数16)で副議長を務めている。 藍住町の高橋英夫町長は毎日新聞の取材に「大阪府警の捜査が入っていることは事実だが、詳細は答えられない」と話した。【木島諒子、砂押健太、古川幸奈】
府警は7日、大麻密売グループの主導役で韓国籍の金太士容疑者(52)=住所不定=も贈賄と地公法違反(そそのかし)の疑いで逮捕した。
捜査関係者によると、大阪、徳島両府県警や近畿厚生局麻薬取締部は、金容疑者を含め計15人を大麻取締法違反(営利目的共同所持)容疑などで逮捕していた。グループは関東地方から密売目的の大麻を大量に入手し、大阪府内の民泊施設やマンションの一室で保管。四国など各地の密売人らに売りさばいていたとされる。
捜査当局はグループの実態や関係先の解明を進める過程で、藍住町住民課にグループ関係者の個人情報の提出を求める「捜査関係事項照会」をかけた。
平石副議長は住民課で勤務していた臨時職員の阿部さやか容疑者(39)=徳島県北島町=と共謀。照会がかかった捜査の動きを金容疑者に漏えいし、その見返りとして現金数万円を受け取った疑いが持たれている。平石副議長が阿部容疑者に照会の有無を報告するよう指示していたとみられる。阿部容疑者は10月末で退職した。
府警は秘密事項を漏えいした2人の行為が「職務上の不正」にあたると判断し、加重収賄罪を適用した模様だ。
警察や検察は刑事訴訟法に基づき「捜査関係事項照会書」を作成すれば、捜査に必要な個人情報について自治体や企業に提出を求めることができる。関係者によると、自治体の職員は戸籍や住民票、土地の所有情報の提供を要請されることが多く、秘密保持を求められるという。
平石副議長らの関与は、薬物事件の捜査が進む中で浮上。平石副議長は以前から金容疑者と面識があったとみられ、府警は詳しい接点や漏えい情報の内容についても調べている。
平石副議長は2008年に初当選し、現在4期目。20年3月から町議会(定数16)で副議長を務めている。
藍住町の高橋英夫町長は毎日新聞の取材に「大阪府警の捜査が入っていることは事実だが、詳細は答えられない」と話した。【木島諒子、砂押健太、古川幸奈】