ドライブレコーダーがとらえた衝撃の瞬間。信号無視による危険な運転で衝突された車は横転。深夜の高速道路ではトラックが隣から急な車線変更。よけようとした車がスピンし、中央分離帯に激突。運転していた人は「本気で死ぬかと思っても何も考えられなかったです」と事故当時の恐怖を語った…
各地で発生した事故の瞬間がドライブレコーダーに記録されていた。
和歌山では県内の自動車専用道路を走っていた車の目の前に突然、黒い軽ワゴン車が飛んできた。
何かに接触したのか、一瞬大きく、車体が浮き上がると運転手の方に向かってくる。
運転手はとっさに左にハンドルを切ってよけたが、一歩間違えれば大事故につながる状況だった。
目撃したドライバーは「何の前触れもなく、いきなり前方で車が浮き上がってこちらの方にという感じ」と突然の出来事だったと話し、「ハンドルだけでよけました。考えるより先に手が動いていました。怖かったですし、焦りましたね」と当時の心境を語った。
車はなぜ宙を舞ったのだろうか。交通事故鑑定の専門家・中島博史氏によると、中央分離帯のポールに乗り上げたことが原因で車体が浮き上がったのではないかという。
静岡県浜松市でも緊迫した事故の瞬間が録画されていた。
反対車線から直進してきた白い乗用車と右側から走ってきたグレーの乗用車が激しく衝突。事故のはずみで、白い車は滑るようにスピンした。
よく見ると、白い車の走る道路の信号は青。グレーの車が信号無視で進入してきたのだ。
交差点には車のパーツの破片が数多く散乱、衝突の激しさを物語っていた。
そして後方を映すカメラの方にはさらなる衝撃の瞬間がとらえられていた。
衝突の衝撃でバランスを崩した白い車が宙を舞って激しく横転。上下逆さまにひっくり返った状態で止まった。
現場に居合わせた男性は急いで救助へと向かう。
「車の窓から車内を覗き込もうとしたんですけれども、屋根が潰れていたような感じで、中がよくわからなくて…」車の中はエアバッグが開き、ドライバーは運転席で身動きが取れない状態だったという。
「私が助手席側のドアを引っ張ったら開いたので、そこからドライバーの方が自力で外に出てきました」
ドライバーの男性は支えられながら路肩へ避難。男性はこの後、救急車で病院に運ばれたという。
滋賀県草津市の住宅街では、悪質な運転による事故の様子が捉えられていた。
走行中の車は前方に見える交差点の信号が赤になったので停車する。
そして、青に変わって走りだした次の瞬間、車が激しく揺れるほどの強い衝撃がおきる。
赤信号で停車中だった左前方のトラックの陰から突然、白い軽自動車が飛び出し衝突してきたのだ。
すると軽自動車はゆっくりとバックした直後に猛スピードで逃走。被害に遭った車を運転していた男性が走っても追いかけるが、そのまま逃げていった。
男性は車に戻ると「当て逃げされました」と急いで警察に通報。
幸い、男性に大きなけがはなかったが、ぶつけられた車は左側のドアが大きくへこみ窓が開けられない状態に。修理には約50万円かかるとみられ、男性は警察に被害届を提出したという。
男性の妻は「普段運転している身としてはすごく怖いことだと思います。子どもが乗っていて、もし怪我していたらと思うととても恐ろしいなと感じます」と事故の心境を語った。
深夜の高速道路でも、事故の瞬間が録画されていた。
埼玉県の東北自動車道で起きたトラックと乗用車の事故。
ドライブレコーダー映像を確認すると、走行する車の左前方を走っていたトラックが右にウインカーを出さずに車線変更する様子が確認できる。
車線をまたいだ後にウインカーを点滅させている。
急な車線変更に気付き、そのトラックをよけようとしてハンドルを切った車はスピンしながら中央分離帯に衝突、さらに止まったところにトラックが接触してきた。
高速道路で起きた危険な事故の瞬間だ。
ぶつけられた車のフロント部分は大きく変形していた。
被害に遭った男性は「よけきれずに当たってスピンをしまして、本気で死ぬかと思って何も考えられなかったですね」と話した。
しかも事故後、そのトラックは止まることもなくそのまま走って逃げたという。
この事故で、男性は首や腰などに全治2週間のけがを負ったという。
警察は事故の経緯などを詳しく調べている。
ドライブレコーダーは危険な瞬間をとらえる。常に安全運転と事故を起こした時の適切な対応を忘れてはならない。
(「イット!」 12月8日放送より)