福島県会津若松市の猪苗代湖で2020年9月、千葉県野田市の豊田瑛大(えいた)さん(当時8歳)ら3人がプレジャーボートに巻き込まれて死傷した事故で、業務上過失致死傷罪に問われた元会社社長、佐藤剛被告(45)の公判が12日、福島地裁(三浦隆昭裁判長)であった。被害者参加人として初公判から出席している瑛大さんの両親は、癒えることのない胸中を明かした。
猪苗代湖ボート死傷事故1年 両親「進まぬ捜査つらい」 自らも両脚を失った瑛大さんの母親は証人として法廷に立ち、「ボートにひかれた直後に(瑛大さんの方に)振り返ると、一瞬で死んでしまったと分かった。最後に抱きしめてあげたかったが、まったく体が動かず、触れることもできなかった」と証言した。葬儀にも参加できなかったといい、「最後に柔らかかった肌を触りたかった……」と声を詰まらせた。

今でも事故直後の瑛大さんを思い出してしまうため、ゆっくりと生前の写真を見返すことができないと吐露した。「(事故直前に)手を差し伸べたり、大きな声で逃げるように言ったりすれば、けがで済んだんじゃないか」と、今も考えてしまうという。 父親は意見陳述書を提出した。代理人弁護士は「瑛大の笑い声、話し方、ものまね、食べているときの笑顔……、すべてがいとおしい。遺族としては、できる限り最大の刑を与えていただき、刑務所の中で誠心誠意、罪を償ってほしいと考えている」などと代読した。【肥沼直寛】
自らも両脚を失った瑛大さんの母親は証人として法廷に立ち、「ボートにひかれた直後に(瑛大さんの方に)振り返ると、一瞬で死んでしまったと分かった。最後に抱きしめてあげたかったが、まったく体が動かず、触れることもできなかった」と証言した。葬儀にも参加できなかったといい、「最後に柔らかかった肌を触りたかった……」と声を詰まらせた。
今でも事故直後の瑛大さんを思い出してしまうため、ゆっくりと生前の写真を見返すことができないと吐露した。「(事故直前に)手を差し伸べたり、大きな声で逃げるように言ったりすれば、けがで済んだんじゃないか」と、今も考えてしまうという。
父親は意見陳述書を提出した。代理人弁護士は「瑛大の笑い声、話し方、ものまね、食べているときの笑顔……、すべてがいとおしい。遺族としては、できる限り最大の刑を与えていただき、刑務所の中で誠心誠意、罪を償ってほしいと考えている」などと代読した。【肥沼直寛】