東京都立大学の宮台真司教授(63)が襲われた事件。犯人の男は、地元の人がよく知る道を使って逃走していたことが、取材で分かりました。
■警視庁 “3本の映像”公開
オレンジ色のニット帽に、黒い上下の服を着た男。時折、後ろを確認しながら、犯行現場を後にしていました。
別の映像からは、大柄な様子が分かります。身長は1メートル80センチから1メートル90センチくらいと推測されます。特徴的なグレーと黒のリュックサックを持っていました。
東京都立大学の教授、社会学者の宮台さんが刃物で襲われ、重傷を負った事件から、13日で2週間。12日、警視庁は逃走中の男とみられる人物が映った3本の映像などを公開しました。
■宮台さん襲撃男 現場に精通?
3本の映像から見えてきた犯行当日の男の足取りを追跡。男が、現場付近に精通している可能性があることが分かってきました。
男が犯行後、門の脇を通り抜ける様子を奥にある防犯カメラが捉えていました。
1本目の映像。男が確認されたのは、大学の中門です。小走りでやってきた男は、門の横の植え込みから大学の外へと出ます。
現場周辺の地図を見ると、最寄り駅は大学の南側にありますが、男が向かったのは逆の北側。そこにあるのは、団地でした。
この先の団地の中にある防犯カメラに、男が下っていく様子が捉えられていました。
2本目の映像。男が特に急ぐ様子もなく歩く様子が、正面から捉えられていました。
後姿を映している3本目の映像では、男は途中で後ろを確認しますが、落ち着いた様子で、団地の中を進んでいきます。
この時、あの特徴的なリュックサックが映っていました。
■団地内“地元ルート”逃走か
男はなぜ、団地の中を通る道を逃走経路に選んだのでしょうか。地元の住民に話を聞きました。
地元住民:「犯人だったら、(人通りの少ない)ここを下りて行く。ただ、ここは地元の人じゃないと分からないかなと思う。向こうへ抜けられる、下の道」
団地から歩道橋への抜け道。主に団地に住む人など、地元住民が利用するといいます。この抜け道の先にあるのが…。
男はこの団地を通り抜け、階段を下ってきました。さらに下を見ると、下って行った先には、バス停があります。南大沢駅行きです。しかし、男は下るのではなく、この先にある歩道橋を渡って、真っすぐと進んで行きました。
■ルートの特徴「一番近く早い」
バス停に向かうことなく、歩道橋を渡って、さらに北へと進み続けたという男。別の住民によると、このルートには“ある特徴”があるといいます。
地元住民:「時間を計って行ってみたことがあるが、一番近かった(早かった)。坂だけど、一番近くて、早く着くので。この道通ってます」
つまり、大学から北側500メートルの地点にまで逃走するのに、最も早く移動できるルートだというのです。
最後に確認された場所の先には大通りがあり、そこから1時間以上歩けば、複数の鉄道の駅があります。
警視庁が、それらの駅の防犯カメラを確認しましたが、男の姿は確認できませんでした。
警視庁は、情報提供を呼び掛けています。