JR西日本は1日、大阪環状線天満駅で10月30日未明、線路上に倒れている男性と接触事故を起こしたことに気付かないまま営業を終えていたと明らかにした。
男性は約5時間後、線路脇に倒れているのが見つかり、死亡が確認された。JR西は「異常に気付くのは困難で、対応に問題はなかった」としている。
JR西によると、30日午前5時過ぎ、始発電車の運転士が天満駅から約70メートル離れた線路付近に倒れている男性を見つけ、まもなく死亡が確認された。死亡の経緯を調べるため、電車のドライブレコーダーの映像を確認したところ、男性と電車が接触する事故が発生していたことが判明した。
事故は30日午前0時10分ごろ発生。男性は電車の同駅到着前から桜ノ宮駅方面のホーム先端付近の線路上に倒れていたが、運転士は気付かずにホームに進入して停止。乗降を終えるとそのまま発車して男性と接触したが、事故を認識しないまま運転を続けたという。
その後も普通電車と回送電車が1本ずつ通過したが、いずれも事故に気付かないまま営業を終えた。
JR西は「安全確認については、定められた手順を守っていた。夜間であることやホームの形状などから気付くのは難しかった」としている。
大阪府警曽根崎署によると、死亡したのは同府枚方市の男子大学生(20)。同署が線路内に入った詳しい経緯を調べている。