東京・渋谷駅近くの公園が突如封鎖され、公園で生活する人が締め出される事態となりました。この渋谷区の行動に支援者らが反発するなど、住民を巻き込んだ騒動となっています。
■渋谷区が公園“突如封鎖”…押し問答に
渋谷区の職員と、反対派でしょうか。今、問答をしています。
人の輪に埋もれているのが、公園を管理している区の担当課長。その周りを、ヘルメットをかぶった警備員ががっちりとガードしています。
支援者:「警備の人、そこ頑張んなくていいからさ。邪魔しないで下さい。話し合いの妨害をしないで下さい。警備員が邪魔してます」
渋谷区のほぼ中心に位置する美竹公園は、渋谷駅から徒歩数分。押し問答のきっかけは、25日に渋谷区が予告なしに公園を封鎖したことでした。
支援者:「公園を返して下さい。皆の公園を返して下さい。公園を封鎖するな」
この日、公園を取り囲んで声を出していたのは、公園で生活している人たちの支援者です。同時に、公園再開発事業に対して“反対の声”を上げています。
■シェルターに引っ越し…今も1人残る
東京都と渋谷区は、美竹公園の周辺エリアの都市再生プロジェクトを進めています。渋谷区が管理する美竹公園も再開発の準備に入るため、25日から利用禁止としました。
しかしそこには、寝泊まりしていた複数の路上生活者がいました。
公園の中には、ブルーシートに包まれた、手作りの家とみられるものなど、15ほどの家のようなものが並んでいます。
支援者たちは、路上生活者の居住空間などを守りたい。渋谷区は、公園の管理をしなければならず、再開発の事業も進めたい。両者の主張がぶつかり合っているのです。
支援者:「突然きのう、利用禁止にされて、なんの準備もできない。15年ぐらいやってる炊き出し」「150人ぐらい来るんですよ、ここに」「ここ閉められたことを知らない人もたくさんいるわけ」「死ぬよ」
渋谷区:「事前の周知ができなかった。そのことについてはですね、近隣の皆様にもご迷惑をお掛けしてしまったなと」
公園で生活していた人たちは、区の紹介でシェルターに引っ越しましたが、1人だけ公園に今も残っています。
■騒動に住民困惑「拡声器やめて」
一方の支援者側には…。
近隣住民:「おい、お前ら渋谷区の住民か」「やめろ。うちは病人もおるんや」「自分の声で言うならまだしも、拡声器はだめよ」
拡声器の使用に、近隣住民から苦情が相次ぎます。
近隣住民:「言ってもいいけど、拡声器はやめて下さい」
支援者:「あなたの趣味よりも、命の方が大事でーす」「拡声器は使います。だって必要だから」「なんでキレ散らかしてるか分からないけど、それって命より大事なんですか?」
渋谷区は、公園で生活していた人の出入りは一時的に許可し、再開発事業への協力を呼び掛けています。