犯行に使われた合言葉は、人気アニメで主人公が唱える滅びの呪文だった。
詐欺グループの一員として逮捕されたのは、職業不詳の田辺佑弥容疑者(26)。
田辺容疑者は2021年7月、仲間と共謀し、神奈川県の男性などから、FX投資の名目で現金およそ570万円をだまし取った疑いが持たれている。
田辺容疑者ら詐欺グループは、東京・新宿区にあるビルの10階の一室をアジトにして、投資詐欺行為を繰り返していた。
その手口は、実際には投資していないFXの価値が暴落したように装い、返金に応じないというもの。
詐欺グループ内では、その暴落を装う際の合言葉として、人気アニメ「天空の城ラピュタ」で主人公が唱える滅びの呪文「バルス」という隠語を使っていたとみられる。
架空のFX運用実績を示したアプリ。田辺容疑者らは、被害者にこのアプリをダウンロードさせ、「バルス」を合言葉に、意図的にグラフなどを操作して、価値の暴落を偽装。
これを返金に応じない口実にしていたとみられる。
警視庁は、この詐欺グループが、全国のおよそ50人から同じ手口で総額およそ1億5,000万円をだまし取っていたとみて、全容解明を進めている。