日本維新の会所属の福岡市議会議員・堀本和歌子氏(41)が、同じ選挙区のライバル候補になりすましてビラを作成し、自ら選挙区内の住宅にポスティングして回っていた――こんな前代未聞の“事件”が福岡市で発覚した。一体なぜ、彼女はこのような事件を起こしてしまったのか。
【写真5枚】まさか彼女が……堀本氏の議員時代の活動姿防犯カメラに 改めて地元紙記者に事件を振り返ってもらおう。「今年8月、堀本議員が、ライバル候補である新開裕司氏の名を騙ったビラを作成。そこには、〈新開ゆうじです! 旧統一教会の式典で元衆議院議員として偉大なる韓鶴子様に韓日トンネルへの賛意と、祝辞を述べさせていただきました!〉と書かれていました。そのビラを、友人が運転する車に乗って選挙区内を移動しながら、自ら配っていたのです。ビラが撒かれていることに気がついた新開氏は、私文書偽造で堀本氏を刑事告発、受理されました」

堀本氏の公式サイトより 事態が発覚した10月26日夜、堀本氏は日本維新の会福岡支部に離党届を提出。28日には、議員辞職の意向を示す記者会見を開いた。「ビラが撒かれたマンションの防犯カメラに、はっきりと彼女の姿が映っており、言い訳できないと思ったのでしょう。しかし、いくらライバル候補とはいえ、ここまでリスクの高いことをなんでやったのか……。元モデルという異色の経歴を持つ彼女ですが、議員としてはすごく真面目で、とても、そんなことをやりそうな人には見えなかった。政治家を志したきっかけは、余命宣告を受けた妹さんの生体肝移植手術のドナーになったことだ、と話していました」僅差の戦い そんな堀本氏が事件を起こした背景を、市政に詳しい地元関係者が明かす。「2019年の選挙で彼女は、最下位で当選したのですが、実はその時、次々点で落選したのが新開氏。その差はわずか124票でした」 ちなみにこの当時、新開氏は無所属で出馬。それでこの僅差の勝負だったのだが、「新開氏は、来年行われる福岡市議選にも出馬を検討してますが、今度は無所属ではなく、参政党から出馬する予定になっているのです」 参政党といえば、今年7月の参院選で初登場した新党で、自民党でも日本維新の会でもない保守系の第三極として全国各地で注目を集め、一人が当選した。有名人はいないのに「この参政党フィーバーが、福岡市にも浸透し始め、その人気が維新(日本維新の会)を超えつつあるのではと思わせる現象が、先の参院選の選挙期間中にありました。その日は、博多駅前の広場で、まず日本維新の会の演説が始まったのですが、最初は地元選出の議員だけが登場していて、聴衆は50人程度だった。その後、コロナで一躍全国区の顔になった吉村洋文大阪府知事が現れると、一気に200人くらい増えた。みんな、聴衆は吉村知事の顔をスマホで撮っていましたね」 ところが、「その後、同じ場所で参政党が演説を始めたところ、即座に300人ほどが集まり、熱心に話を聞いていたのです。特に、維新のように、有名人がいるわけでもないのに、です。この風景を見て、既存の保守政党となってしまった維新より、新たな政党としての参政党に、新し物好きの博多っ子の注目が集まっている、そう実感しました」 参院選で見せつけられた、新党の躍進。それが彼女をポスティングに走らせたのかもしれない――。デイリー新潮編集部
改めて地元紙記者に事件を振り返ってもらおう。
「今年8月、堀本議員が、ライバル候補である新開裕司氏の名を騙ったビラを作成。そこには、〈新開ゆうじです! 旧統一教会の式典で元衆議院議員として偉大なる韓鶴子様に韓日トンネルへの賛意と、祝辞を述べさせていただきました!〉と書かれていました。そのビラを、友人が運転する車に乗って選挙区内を移動しながら、自ら配っていたのです。ビラが撒かれていることに気がついた新開氏は、私文書偽造で堀本氏を刑事告発、受理されました」
事態が発覚した10月26日夜、堀本氏は日本維新の会福岡支部に離党届を提出。28日には、議員辞職の意向を示す記者会見を開いた。
「ビラが撒かれたマンションの防犯カメラに、はっきりと彼女の姿が映っており、言い訳できないと思ったのでしょう。しかし、いくらライバル候補とはいえ、ここまでリスクの高いことをなんでやったのか……。元モデルという異色の経歴を持つ彼女ですが、議員としてはすごく真面目で、とても、そんなことをやりそうな人には見えなかった。政治家を志したきっかけは、余命宣告を受けた妹さんの生体肝移植手術のドナーになったことだ、と話していました」
そんな堀本氏が事件を起こした背景を、市政に詳しい地元関係者が明かす。
「2019年の選挙で彼女は、最下位で当選したのですが、実はその時、次々点で落選したのが新開氏。その差はわずか124票でした」
ちなみにこの当時、新開氏は無所属で出馬。それでこの僅差の勝負だったのだが、
「新開氏は、来年行われる福岡市議選にも出馬を検討してますが、今度は無所属ではなく、参政党から出馬する予定になっているのです」
参政党といえば、今年7月の参院選で初登場した新党で、自民党でも日本維新の会でもない保守系の第三極として全国各地で注目を集め、一人が当選した。
「この参政党フィーバーが、福岡市にも浸透し始め、その人気が維新(日本維新の会)を超えつつあるのではと思わせる現象が、先の参院選の選挙期間中にありました。その日は、博多駅前の広場で、まず日本維新の会の演説が始まったのですが、最初は地元選出の議員だけが登場していて、聴衆は50人程度だった。その後、コロナで一躍全国区の顔になった吉村洋文大阪府知事が現れると、一気に200人くらい増えた。みんな、聴衆は吉村知事の顔をスマホで撮っていましたね」
ところが、
「その後、同じ場所で参政党が演説を始めたところ、即座に300人ほどが集まり、熱心に話を聞いていたのです。特に、維新のように、有名人がいるわけでもないのに、です。この風景を見て、既存の保守政党となってしまった維新より、新たな政党としての参政党に、新し物好きの博多っ子の注目が集まっている、そう実感しました」
参院選で見せつけられた、新党の躍進。それが彼女をポスティングに走らせたのかもしれない――。
デイリー新潮編集部