新潟県の星野伊佐夫県議(83)(無所属)は26日、来年春の県議選に出馬せず、県議を今期限りで引退する意向を示した。
星野氏は、自民党の泉田裕彦衆院議員(比例北陸信越)が「裏金を要求された」と主張している問題を巡って同党を離党している。県庁で開いた記者会見で、自身の高齢などを引退の理由に挙げ、「裏金問題といわれるものとは一切関係ありません」と強調した。
星野氏は田中角栄元首相の後援会「越山会」の青年部長を務め、1978年に県議に初当選した。現在12期目で、県会議長や党県連会長を歴任している。県議会事務局によると、県議在職期間は戦後最長という。
星野氏が離党まで支部長を務めていた自民党長岡支部は25日、緊急会合を開催。長岡市議2人を来年春の県議選で長岡市三島郡区(定数6人)の党公認候補として同党県連に推薦することを決めた。うち1人は星野氏の後援会に所属している。
星野氏は記者会見で、引退の理由について自身の年齢を挙げた。また、「良い後継者もおられた」と述べ、後続のめどが立ったためだと説明した。
一方、「ほかの選挙には出ないが、しばらくは政治に関わる」と述べ、政治活動は続ける意向を示した。
泉田氏は昨年10月の衆院選を巡り、星野氏に裏金を要求されたと主張している。星野氏は否定したが、「一連の問題で党に迷惑をかけ、県民に不信感を抱かせた」として、昨年12月に同党を離党した。
泉田氏はその後、星野氏を刑事告発し、県警は20日、星野氏を公職選挙法違反容疑で新潟地検に書類送検した。