東京オリンピック・パラリンピックを巡る汚職事件で、大会組織委員会元理事の高橋治之容疑者（78）＝受託収賄容疑で再逮捕＝が、五輪事業への参入を目指す企業からの資金提供の「受け皿」として、複数の知人の会社を利用した疑いがあることが関係者への取材で判明した。東京地検特捜部は、元理事に「みなし公務員」としての身分を隠す目的があったとみて、「受け皿」になったとみられる会社の社長らへの事情聴取を進めている模様だ。
【写真特集】賄賂の認識は「全くない」と答えていた角川会長 関係者によると、公式ライセンス商品として大会マスコット「ミライトワ」「ソメイティ」のぬいぐるみを販売した玩具会社「サン・アロー」（東京都）は、元理事の知人が社長を務めるコンサルティング会社（同）を介して約800万円を元理事に提供した疑いが浮かんでいる。この知人の社長は元理事と大学が同窓でゴルフ仲間だという。 企業が公式ライセンス商品を販売するには、組織委とライセンス契約を結ぶ必要があるが、サン・アローは2018年ごろ、幹部が元理事に契約で有利な取り計らいを受けたいと依頼し、元理事が組織委側に働きかけた疑いがある。この幹部も元理事と同じ大学出身で以前から親交があったという。特捜部はコンサル会社社長とサン・アロー幹部から任意で事情を聴き、資金の流れを確認している模様だ。 一方、元理事を巡っては知人の深見和政容疑者（73）＝受託収賄容疑で逮捕＝が社長を務めるコンサル会社「コモンズ2」（東京都）が、出版大手「KADOKAWA」（同）から約7600万円、広告会社「大広」（大阪市）から約1400万円の送金を受けた疑いもある。 特捜部は、KADOKAWAからコモンズ2への送金はスポンサー選定に対する元理事への謝礼とみて、KADOKAWA会長の角川歴彦（つぐひこ）容疑者（79）と部下2人を贈賄容疑で逮捕。部下2人と元理事、深見社長の勾留期限は27日で、起訴するかどうかを判断する。また、大広についてはスポンサー契約の協力代理店に選定されたことへの謝礼としてコモンズ2に資金提供した疑いがあるとして、贈賄容疑で捜査を進めている模様だ。【二村祐士朗、井口慎太郎、松尾知典、島袋太輔】
関係者によると、公式ライセンス商品として大会マスコット「ミライトワ」「ソメイティ」のぬいぐるみを販売した玩具会社「サン・アロー」（東京都）は、元理事の知人が社長を務めるコンサルティング会社（同）を介して約800万円を元理事に提供した疑いが浮かんでいる。この知人の社長は元理事と大学が同窓でゴルフ仲間だという。
企業が公式ライセンス商品を販売するには、組織委とライセンス契約を結ぶ必要があるが、サン・アローは2018年ごろ、幹部が元理事に契約で有利な取り計らいを受けたいと依頼し、元理事が組織委側に働きかけた疑いがある。この幹部も元理事と同じ大学出身で以前から親交があったという。特捜部はコンサル会社社長とサン・アロー幹部から任意で事情を聴き、資金の流れを確認している模様だ。
一方、元理事を巡っては知人の深見和政容疑者（73）＝受託収賄容疑で逮捕＝が社長を務めるコンサル会社「コモンズ2」（東京都）が、出版大手「KADOKAWA」（同）から約7600万円、広告会社「大広」（大阪市）から約1400万円の送金を受けた疑いもある。
特捜部は、KADOKAWAからコモンズ2への送金はスポンサー選定に対する元理事への謝礼とみて、KADOKAWA会長の角川歴彦（つぐひこ）容疑者（79）と部下2人を贈賄容疑で逮捕。部下2人と元理事、深見社長の勾留期限は27日で、起訴するかどうかを判断する。また、大広についてはスポンサー契約の協力代理店に選定されたことへの謝礼としてコモンズ2に資金提供した疑いがあるとして、贈賄容疑で捜査を進めている模様だ。【二村祐士朗、井口慎太郎、松尾知典、島袋太輔】