「半端ない」「ぶっちゃけ」という新しい表現について気にならないとする人が約6割に上ることが、文化庁が30日に公表した2021年度の「国語に関する世論調査」で明らかになった。いずれも著名人を介して注目され、メディアで繰り返し使われた影響などで一般化したとみられる。
「嫁」「旦那」はNGか 読者の反響から 「夫婦は呼称も平等に」 調査は、国語に関する意識や理解度を調べるために1995年度から毎年実施。今回は今年1月に16歳以上の男女6000人を対象に調査票を郵送し、3579人(回答率59・7%)から回答を得た。新しい表現や文法上は不正確な言葉を使うかどうかなどを尋ねた。

「中途半端でない」ことを指す「半端ない」は、60・2%が「気にならない」と回答。「使うことがある」と答えたのは46・4%で、11年度調査の20・1%から倍増した。「正直なところ」を意味する「ぶっちゃけ」は、「使うことがある」が41・4%、「気にならない」が55・7%だった。 「半端ない」は、18年のサッカー・ワールドカップのロシア大会で活躍した大迫勇也選手を称賛する表現として注目された例もあり、文化庁はこの10年ほどで使われる機会が増して普及したと分析。「ぶっちゃけ」については、俳優の木村拓哉さんがテレビドラマで使うフレーズなどとして一般化したとみている。 新しい表現でも「使うことがある」と答えた人の割合が低かったのは、「そうではなくて」を意味する「ちがくて」の20・2%、実態などを分かりやすく示す「見える化」の27・6%など。「ちがくて」は、60・5%が「気になる」と答えている。文化庁の担当者は「時間とともに認知されて定着する言葉がある一方で、表現によっては受け入れがたい人が多い場合もあるのだろう」と話している。 調査では、本来と異なる意味で使われている言葉の使用状況も尋ねた。「一時しのぎ」を意味する「姑息(こそく)」を本来の意味で使っていたのは17・4%にとどまり、73・9%は「ひきょうな」という意味で捉えていた。「割愛する」は、本来の「惜しいと思うものを手放す」と理解していた人が23・7%だったのに対し、65・3%は「不必要なものを切り捨てる」との意味で使っていた。 このほか、「大きな声を出すこと」という意味の「声を荒らげる」を、本来の「あららげる」と読んだのは12・2%で、79・7%は「あらげる」と回答。「ひっきりなしに続くさま」を表す表現は、辞書通り「のべつまくなし」としたのが41・9%だったのに対し、「のべつくまなし」と答えたのが27・1%となった。 新型コロナウイルスの感染拡大に伴って使われるようになった言葉や表現では、「おうち時間」は69・1%、「黙食」は64・9%が「そのまま使うのがいい」だった。一方、「ニューノーマル」や「ブレークスルー感染」は、他の言い方をするか、説明を付けた方がいいとした回答が8割以上に上った。【李英浩】
調査は、国語に関する意識や理解度を調べるために1995年度から毎年実施。今回は今年1月に16歳以上の男女6000人を対象に調査票を郵送し、3579人(回答率59・7%)から回答を得た。新しい表現や文法上は不正確な言葉を使うかどうかなどを尋ねた。
「中途半端でない」ことを指す「半端ない」は、60・2%が「気にならない」と回答。「使うことがある」と答えたのは46・4%で、11年度調査の20・1%から倍増した。「正直なところ」を意味する「ぶっちゃけ」は、「使うことがある」が41・4%、「気にならない」が55・7%だった。
「半端ない」は、18年のサッカー・ワールドカップのロシア大会で活躍した大迫勇也選手を称賛する表現として注目された例もあり、文化庁はこの10年ほどで使われる機会が増して普及したと分析。「ぶっちゃけ」については、俳優の木村拓哉さんがテレビドラマで使うフレーズなどとして一般化したとみている。
新しい表現でも「使うことがある」と答えた人の割合が低かったのは、「そうではなくて」を意味する「ちがくて」の20・2%、実態などを分かりやすく示す「見える化」の27・6%など。「ちがくて」は、60・5%が「気になる」と答えている。文化庁の担当者は「時間とともに認知されて定着する言葉がある一方で、表現によっては受け入れがたい人が多い場合もあるのだろう」と話している。
調査では、本来と異なる意味で使われている言葉の使用状況も尋ねた。「一時しのぎ」を意味する「姑息(こそく)」を本来の意味で使っていたのは17・4%にとどまり、73・9%は「ひきょうな」という意味で捉えていた。「割愛する」は、本来の「惜しいと思うものを手放す」と理解していた人が23・7%だったのに対し、65・3%は「不必要なものを切り捨てる」との意味で使っていた。
このほか、「大きな声を出すこと」という意味の「声を荒らげる」を、本来の「あららげる」と読んだのは12・2%で、79・7%は「あらげる」と回答。「ひっきりなしに続くさま」を表す表現は、辞書通り「のべつまくなし」としたのが41・9%だったのに対し、「のべつくまなし」と答えたのが27・1%となった。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴って使われるようになった言葉や表現では、「おうち時間」は69・1%、「黙食」は64・9%が「そのまま使うのがいい」だった。一方、「ニューノーマル」や「ブレークスルー感染」は、他の言い方をするか、説明を付けた方がいいとした回答が8割以上に上った。【李英浩】