「レオパレス21」は、「粉飾決算」のみならず、「家電リサイクル法違反」となる家電の不法廃棄にも手を染めていた。証言者は、それら不正行為の片棒を担いだ老舗引っ越し業者「天草運送」、「TENZAN」のオーナー、恩慈(おんじ)宗武氏(83)である。
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恩慈氏が「週刊新潮」2022年9月1日号「MONEY」欄に続けて告発する。
「レオパレス創業者の深山(みやま)祐助は、拓殖大学で七つ年下の後輩でした。その縁から、1987年2月、東京・早稲田にある天草運送本社の隣地の地上げ話を持ち込みました。短期売買での一儲けという祐助の目論見が裏目に出て、レオパレスは使途を明らかにできない2億5000万円を抱え込んだ。その処理に窮した祐助は“同じ額を運転資金として天草運送に貸し付けたことにしてもらえませんか?”と泣きついてきました」
それ以降、2億5000万円の「架空債権」を帳消しにするため、引っ越し代や渡し切り交際費、執行前調査管理費をでっち上げ、裏金づくりが行われた。その裏金は天草運送からレオパレスに還流し、総額1億4600万円超が架空債権の処理に回されたのである。
「しかし、2012年1月に、債権処理はストップしました。きっかけは天草運送が税金を8000万円ほど滞納し、レオパレスへの“売掛債権”を東京国税局に差押えられそうになったことでした。天草運送は入居者の引っ越し代を仲介したレオパレスへの売掛債権として計上していた。ところが、レオパレスは差押えに応じず、実体がないはずの架空債権と売掛債権を相殺するという“裏切り行為”に及んだのです」
当時のレオパレスの社長は、深山祐助氏の甥、深山英世(えいせい)氏だった。
「天草運送は英世社長らを、“業務上横領”で刑事告訴しようとしました。すると、英世社長はレオパレスを離れていた祐助に相談した。その結果、祐助が個人的に7000万円を天草運送に貸し付けるという解決策が取られました」
それに伴い、架空債権を正規の債権として承認することも要求された。代わりにレオパレスから7000万円の返済に見合う仕事を発注するという。
「不本意ながら、旧知の祐助を信頼し、その提案を受け入れました。しかし、それが引き金となって、家具家電の“廃棄スキーム”に加担させられるはめになったのです」
「週刊新潮」2022年9月8日号「MONEY」欄の有料版では、恩慈氏の証言により、レオパレスがいかにして家具家電の不法廃棄を行っていたかを詳報する。
「週刊新潮」2022年9月8日号 掲載