大阪府高槻市の会社員高井直子さん(当時54歳)が昨年7月、自宅の浴槽で溺死した事件で、府警は25日、直子さんを保険金や財産目的で殺害したとして養子の無職高井凜被告(28)(川崎市高津区)を殺人と詐欺未遂、有印私文書偽造・同行使の疑いで再逮捕した。
捜査関係者によると、死亡翌日に直子さんのアドレスからメールが自動送信されるようスマートフォンを設定していたという。府警は、直子さんの生存を偽装したとみている。
府警によると、高井容疑者は昨年5月、直子さんの保険金5000万円の受取人を自身に変更する書類を偽造した上で、同7月22日に直子さんを浴槽に沈めて殺害し、同10月に保険金を請求してだまし取ろうとした疑い。調べに「黙秘します」と述べたという。
捜査関係者によると、直子さんの死亡翌日、直子さんのスマートフォンから高井容疑者にメールが送られていた。直子さんが死亡したとみられる7月22日午後4~6時頃、自動送信されるよう設定されていたという。
直子さん宅周辺の防犯カメラの捜査で、7月22日午後4時頃、高井容疑者に似た男が直子さん宅に徒歩で近づき、午後6時頃に離れる様子も確認された。
高井容疑者に似た男はこの日、高井容疑者が当時住んでいた東京都内の自宅と直子さん宅周辺を新幹線や在来線を乗り継いで往復していた。この間、何度も服装を変えていたという。
高井容疑者は逮捕前の任意聴取に「(事件当日は)大阪には行っていない」と話しており、府警は、発覚を免れる目的で変装していたとみている。
高井容疑者は今月10日、直子さんとの養子縁組届を偽造したとして起訴された。