長年、不倫当事者を取材してきた私に言わせてもらうと、略奪婚など不倫が成就することは稀であり、一度その秘密がバレてしまえば目を覆いたくなるような修羅場は免れない。家族からは蔑まれ、家庭生活にはヒビが入る。会社でも信用を失くし、地位を失う。長年の親友に愛想を尽かされることもある。
不倫がそんな大きなリスクを孕んでいると知りながら人はなぜ不倫をするのか?
もちろん「好きになってしまったから」「スリルを楽しむ」などが、不倫の動機の多数派だと思われる。が、なかには付き合うことによる金銭的なメリットとデメリットを天秤にかけ、打算で不倫関係に飛び込む場合もある。格差の拡大が叫ばれる昨今だが、実際に不倫取材を続けていて、こうしたおカネが絡む不倫のケースも非常に増えているように感じる。
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ここからは私が過去に取材した、金で結びついたある男女の不倫事件簿を紹介しようと思う。幼少期に両親が離婚し、母子家庭で育った山下萌子(25歳・仮名)。萌子の母親は20代半ばという若さでシングルマザーになったあとは、ずっと女手ひとつで働き続け、萌子を育てあげた。そんな母親の背中を見て育ったせいか萌子も勤勉かつ、品行方正な学生時代を過ごし、女子大を卒業する。そして「社会人になっても母親の近くにいたい」と、地元の建設会社に就職する。後に萌子と妻子持ちながら不倫関係となる就職先の建設会社の社長・中原雄一(51歳・仮名)は「有能な経営者」として周囲から一目置かれていた。が、その半面、「冷徹」「非情」などと陰口を叩かれるような近寄りがたい雰囲気の人間だった。就職試験の重役面接で初めて雄一と対面した萌子は、「ちょっとおっかない雰囲気もあったけど、包容力があって頼もしい人」だと感じ、決して印象は悪くなかったという。萌子の就職した建設会社は、給料は決して高くはなかったが、福利厚生は充実していて働きやすい職場だった。「社長も仕事には厳しいけど、威張ったりすることも横暴なところもなく、社員のことを常に気にかけてくれているように感じ。私はそんな社長を尊敬していました。社員の誕生日にはお花とケーキをくれたり、休暇で旅行に行く時は『リフレッシュ手当』という名目の特別収入も貰えました」(萌子、以下同)母親ががんで倒れる萌子は「この会社で長く、働きたい」と考えていた――。しかし、そんな状況は一変する。母親がガンで倒れたのだ。病気の母親を支えるのは一人娘の自分しかいない――。闘病生活を支えるためには、現在の仕事を続けるのが難しい状況に追い込まれた。 「母親の面倒を見るためには、お金と時間の確保をする必要がありました。勤めていた建設会社ではできそうもなかった。入社してまだ3年目だったし、会社に未練があった私は社長に相談に行きました」社長の「見返り」「辞めたくはないけど辞めざるを得ない」と苦悩する萌子に対し、「確認だけど、お金があったら何とかなるのかな?」と雄一が尋ねる。萌子がうなずくと、雄一は「分かった。私が君のお母さんの治療費など、経済的な援助をしよう」と言い出したという。雄一の表情は真剣そのものだった。社長からのまさかの提案に戸惑った萌子だったが、自分や母親のため、雄一の厚意をフイにしないため、この申し出を受け入れる。しかし、雄一が言外に「見返り」を求めていたことは十分に分かった。雄一が「経済的な援助」をするようになってから、二人は食事を重ねるようになり、ほどなくして不倫関係になる――。雄一は治療費だけでなく、付き添いのヘルパーも頼んでくれた。これは萌子の負担を軽くするというよりは、雄一が萌子との不倫を楽しむ時間を確保するためだった。 毎日でも母親のところに顔を出したい萌子にとっては最初は複雑だったものの、雄一の機嫌を損ねてはいけないという思いがあり、萌子は病院から足が遠のくようになる。「初不倫」に舞い上がる「ひどい時は週末しか顔を出さないとか、ありました。母は『私のことはいいから、家でゆっくり休んで』みたいなことしか言いませんでしたけど、本当は母も寂しかったんじゃないかと思います」そんな萌子の心情を察したかのように、雄一は「お母さんのところに行く時間を増やしなさい」と言い出し、交代制で雇っていたヘルパーのひとりを契約解除。代わりに萌子に病院に行くように促した。不倫関係になって半年が過ぎた頃だった。「実はその頃には、社長のことを好きになっていたんです。そのため、正直母に会える時間が増えたことを嬉しく思うより、社長と会う時間が減ったことを寂しいと感じる方が強かった。社長はそんな私を戒める意味もあったのかなと思って従いました」と、「初めての不倫」に舞い上がっていたことを反省する萌子。 しかし、その頃、雄一が新しい女に目移りし、意図的に萌子を遠ざけようとしていたとは彼女は夢にも思わなかった。そして、多いときは週6だった2人の逢瀬が半分以下になり始めた頃、雄一は「もう終わりにしよう」と突然別れを切り出した。「突然のことでショックを受けたのは当然ですが、真っ先に頭に浮かんだのは『お金の援助はどうなるの?』ということでした」後編記事『社会人3年目25歳女子が「初不倫」ですべてを失う……風俗嬢になった女性に不倫相手51歳男性が放った「衝撃の一言」』では二人の不倫関係の衝撃の末路を詳述していく。
ここからは私が過去に取材した、金で結びついたある男女の不倫事件簿を紹介しようと思う。
幼少期に両親が離婚し、母子家庭で育った山下萌子(25歳・仮名)。
萌子の母親は20代半ばという若さでシングルマザーになったあとは、ずっと女手ひとつで働き続け、萌子を育てあげた。そんな母親の背中を見て育ったせいか萌子も勤勉かつ、品行方正な学生時代を過ごし、女子大を卒業する。そして「社会人になっても母親の近くにいたい」と、地元の建設会社に就職する。
後に萌子と妻子持ちながら不倫関係となる就職先の建設会社の社長・中原雄一(51歳・仮名)は「有能な経営者」として周囲から一目置かれていた。が、その半面、「冷徹」「非情」などと陰口を叩かれるような近寄りがたい雰囲気の人間だった。
就職試験の重役面接で初めて雄一と対面した萌子は、「ちょっとおっかない雰囲気もあったけど、包容力があって頼もしい人」だと感じ、決して印象は悪くなかったという。
萌子の就職した建設会社は、給料は決して高くはなかったが、福利厚生は充実していて働きやすい職場だった。
「社長も仕事には厳しいけど、威張ったりすることも横暴なところもなく、社員のことを常に気にかけてくれているように感じ。私はそんな社長を尊敬していました。社員の誕生日にはお花とケーキをくれたり、休暇で旅行に行く時は『リフレッシュ手当』という名目の特別収入も貰えました」(萌子、以下同)
萌子は「この会社で長く、働きたい」と考えていた――。
しかし、そんな状況は一変する。母親がガンで倒れたのだ。
病気の母親を支えるのは一人娘の自分しかいない――。闘病生活を支えるためには、現在の仕事を続けるのが難しい状況に追い込まれた。
「母親の面倒を見るためには、お金と時間の確保をする必要がありました。勤めていた建設会社ではできそうもなかった。入社してまだ3年目だったし、会社に未練があった私は社長に相談に行きました」社長の「見返り」「辞めたくはないけど辞めざるを得ない」と苦悩する萌子に対し、「確認だけど、お金があったら何とかなるのかな?」と雄一が尋ねる。萌子がうなずくと、雄一は「分かった。私が君のお母さんの治療費など、経済的な援助をしよう」と言い出したという。雄一の表情は真剣そのものだった。社長からのまさかの提案に戸惑った萌子だったが、自分や母親のため、雄一の厚意をフイにしないため、この申し出を受け入れる。しかし、雄一が言外に「見返り」を求めていたことは十分に分かった。雄一が「経済的な援助」をするようになってから、二人は食事を重ねるようになり、ほどなくして不倫関係になる――。雄一は治療費だけでなく、付き添いのヘルパーも頼んでくれた。これは萌子の負担を軽くするというよりは、雄一が萌子との不倫を楽しむ時間を確保するためだった。 毎日でも母親のところに顔を出したい萌子にとっては最初は複雑だったものの、雄一の機嫌を損ねてはいけないという思いがあり、萌子は病院から足が遠のくようになる。「初不倫」に舞い上がる「ひどい時は週末しか顔を出さないとか、ありました。母は『私のことはいいから、家でゆっくり休んで』みたいなことしか言いませんでしたけど、本当は母も寂しかったんじゃないかと思います」そんな萌子の心情を察したかのように、雄一は「お母さんのところに行く時間を増やしなさい」と言い出し、交代制で雇っていたヘルパーのひとりを契約解除。代わりに萌子に病院に行くように促した。不倫関係になって半年が過ぎた頃だった。「実はその頃には、社長のことを好きになっていたんです。そのため、正直母に会える時間が増えたことを嬉しく思うより、社長と会う時間が減ったことを寂しいと感じる方が強かった。社長はそんな私を戒める意味もあったのかなと思って従いました」と、「初めての不倫」に舞い上がっていたことを反省する萌子。 しかし、その頃、雄一が新しい女に目移りし、意図的に萌子を遠ざけようとしていたとは彼女は夢にも思わなかった。そして、多いときは週6だった2人の逢瀬が半分以下になり始めた頃、雄一は「もう終わりにしよう」と突然別れを切り出した。「突然のことでショックを受けたのは当然ですが、真っ先に頭に浮かんだのは『お金の援助はどうなるの?』ということでした」後編記事『社会人3年目25歳女子が「初不倫」ですべてを失う……風俗嬢になった女性に不倫相手51歳男性が放った「衝撃の一言」』では二人の不倫関係の衝撃の末路を詳述していく。
「母親の面倒を見るためには、お金と時間の確保をする必要がありました。勤めていた建設会社ではできそうもなかった。入社してまだ3年目だったし、会社に未練があった私は社長に相談に行きました」
「辞めたくはないけど辞めざるを得ない」と苦悩する萌子に対し、「確認だけど、お金があったら何とかなるのかな?」と雄一が尋ねる。
萌子がうなずくと、雄一は「分かった。私が君のお母さんの治療費など、経済的な援助をしよう」と言い出したという。雄一の表情は真剣そのものだった。
社長からのまさかの提案に戸惑った萌子だったが、自分や母親のため、雄一の厚意をフイにしないため、この申し出を受け入れる。
しかし、雄一が言外に「見返り」を求めていたことは十分に分かった。雄一が「経済的な援助」をするようになってから、二人は食事を重ねるようになり、ほどなくして不倫関係になる――。
雄一は治療費だけでなく、付き添いのヘルパーも頼んでくれた。これは萌子の負担を軽くするというよりは、雄一が萌子との不倫を楽しむ時間を確保するためだった。
毎日でも母親のところに顔を出したい萌子にとっては最初は複雑だったものの、雄一の機嫌を損ねてはいけないという思いがあり、萌子は病院から足が遠のくようになる。「初不倫」に舞い上がる「ひどい時は週末しか顔を出さないとか、ありました。母は『私のことはいいから、家でゆっくり休んで』みたいなことしか言いませんでしたけど、本当は母も寂しかったんじゃないかと思います」そんな萌子の心情を察したかのように、雄一は「お母さんのところに行く時間を増やしなさい」と言い出し、交代制で雇っていたヘルパーのひとりを契約解除。代わりに萌子に病院に行くように促した。不倫関係になって半年が過ぎた頃だった。「実はその頃には、社長のことを好きになっていたんです。そのため、正直母に会える時間が増えたことを嬉しく思うより、社長と会う時間が減ったことを寂しいと感じる方が強かった。社長はそんな私を戒める意味もあったのかなと思って従いました」と、「初めての不倫」に舞い上がっていたことを反省する萌子。 しかし、その頃、雄一が新しい女に目移りし、意図的に萌子を遠ざけようとしていたとは彼女は夢にも思わなかった。そして、多いときは週6だった2人の逢瀬が半分以下になり始めた頃、雄一は「もう終わりにしよう」と突然別れを切り出した。「突然のことでショックを受けたのは当然ですが、真っ先に頭に浮かんだのは『お金の援助はどうなるの?』ということでした」後編記事『社会人3年目25歳女子が「初不倫」ですべてを失う……風俗嬢になった女性に不倫相手51歳男性が放った「衝撃の一言」』では二人の不倫関係の衝撃の末路を詳述していく。
毎日でも母親のところに顔を出したい萌子にとっては最初は複雑だったものの、雄一の機嫌を損ねてはいけないという思いがあり、萌子は病院から足が遠のくようになる。
「ひどい時は週末しか顔を出さないとか、ありました。母は『私のことはいいから、家でゆっくり休んで』みたいなことしか言いませんでしたけど、本当は母も寂しかったんじゃないかと思います」
そんな萌子の心情を察したかのように、雄一は「お母さんのところに行く時間を増やしなさい」と言い出し、交代制で雇っていたヘルパーのひとりを契約解除。代わりに萌子に病院に行くように促した。不倫関係になって半年が過ぎた頃だった。
「実はその頃には、社長のことを好きになっていたんです。そのため、正直母に会える時間が増えたことを嬉しく思うより、社長と会う時間が減ったことを寂しいと感じる方が強かった。社長はそんな私を戒める意味もあったのかなと思って従いました」と、「初めての不倫」に舞い上がっていたことを反省する萌子。
しかし、その頃、雄一が新しい女に目移りし、意図的に萌子を遠ざけようとしていたとは彼女は夢にも思わなかった。そして、多いときは週6だった2人の逢瀬が半分以下になり始めた頃、雄一は「もう終わりにしよう」と突然別れを切り出した。「突然のことでショックを受けたのは当然ですが、真っ先に頭に浮かんだのは『お金の援助はどうなるの?』ということでした」後編記事『社会人3年目25歳女子が「初不倫」ですべてを失う……風俗嬢になった女性に不倫相手51歳男性が放った「衝撃の一言」』では二人の不倫関係の衝撃の末路を詳述していく。
しかし、その頃、雄一が新しい女に目移りし、意図的に萌子を遠ざけようとしていたとは彼女は夢にも思わなかった。
そして、多いときは週6だった2人の逢瀬が半分以下になり始めた頃、雄一は「もう終わりにしよう」と突然別れを切り出した。
「突然のことでショックを受けたのは当然ですが、真っ先に頭に浮かんだのは『お金の援助はどうなるの?』ということでした」
後編記事『社会人3年目25歳女子が「初不倫」ですべてを失う……風俗嬢になった女性に不倫相手51歳男性が放った「衝撃の一言」』では二人の不倫関係の衝撃の末路を詳述していく。