マレーシアの会員制交流サイト(SNS)事業「エムフェイス」への広告権出資をうたい、契約時に解約に関する説明をしなかったなどとして、兵庫県警生活経済課などは5日、特定商取引法違反の疑いで、東京都港区港南の会社役員、福岡忠久容疑者(63)ら男女3人を逮捕した。福岡容疑者は「ミリオンクラブジャパン」と称するマルチ商法グループを運営。平成28年8月までの3年間で全国の約3万2千人から総額161億円を集めたとみられる。

 県警によると、ほかに逮捕したのは東京都調布市上石原の会社員、古沢顕一(42)と大阪市西区江戸堀の会社役員、安井正子(56)の両容疑者。3人とも容疑を否認している。

 エムフェイスをめぐっては、数年前からマレーシアをはじめアジア各国で出資に関する被害が指摘されていた。警視庁も今年3月、同様の手法で総額約181億円を集めたとされる男女4人を逮捕していた。

 3人の逮捕容疑は28年10~11月、兵庫県宝塚市内の女性(49)ら5人に対し、広告権の契約時にクーリングオフなど解約に関する説明をしなかったなどとしている。

 県警によると、グループは全国でセミナーを開催。「広告権を買えば換金できるポイントが付き、さらに知人を紹介するとポイントが増える」などと勧誘し、口コミで広がっていた。

 福岡容疑者がグループのトップを務め、古沢容疑者が契約書類などの作成役。全国に12の勧誘グループが存在し、安井容疑者は関西の統括役だった。