名簿販売・買取会社「日本レスポンス」(東京都千代田区)の実質経営者、福田剛容疑者(39)=豊島区=が23日、詐欺グループに名簿を販売したとして、詐欺ほう助罪で逮捕された。特殊詐欺で名簿業者が逮捕されるのは初めてだという。毎日新聞などが伝えた。
同紙によると、福田容疑者は、既に詐欺罪で起訴されている宇佐美徹洋被告(31)らによる詐欺グループに、警察から詐欺の疑いがあることを知らされた後も、少なくとも50校分の同窓会名簿などを約70万円で販売していたという。福田容疑者は、販売先が詐欺グループだとは知らなかったと話し、容疑を否認している。
共同通信によると、この詐欺グループは、地方から高齢者を東京に呼び出し現金をだまし取る「上京型」の詐欺を専門にしていたという。また、MBSによると、詐欺グループは、福田容疑者から購入した名簿を使って20数人から計1億円以上をだまし取っていたとみられているという。
警視庁のホームページによると、特殊詐欺は、不特定の人に対し、対面することなく、電話やFAX、メールを使って行う詐欺で、オレオレ詐欺や架空請求などの「振り込め詐欺」と、ギャンブルの必勝法提供や異性との交際あっせんなどを名目としてだまし取る「振り込め類似詐欺」の2種類がある。東京都内では昨年だけで被害額が約67億円に上るという。
日本レスポンスはホームページで、個人名簿の販売・買取について「総数約9000万件の中から、お客様のオーダーで様々な条件により個人名簿の作成を承ります」などと紹介している。