完成させる予定のない介護付きマンションの入居者を募集し、高齢者から入居一時金名目で金をだまし取ったとして、神奈川県警捜査2課は6日、同県秦野市の不動産会社「コスモス」社長、山崎辿容疑者(63)=同市平沢=と取締役で妻、みどり容疑者(57)=同=を詐欺の疑いで逮捕した。

同課によると、2人は「営業できる見込みがあって入居一時金を受け取った。人はだましていない」と容疑を否認しているという。

逮捕容疑は、同県平塚市に建設中のマンション「サン・オリーブ」を完成させる予定がないのに、2008年9月、相模原市南区の70歳代の女性に、介護福祉サービスを受けながら終身居住が可能だと装い、「11月末までには入居できる」などと説明。入居一時金として525万円を支払わせ、だまし取った疑い。

神奈川県によると、同マンションの契約被害の相談が約40件寄せられており、被害総額は約2億6千万円に上る。同課はこの額を超える被害がある可能性があるとみて裏付けを進める。