大手百貨店で女性店員の制服を廃止する動きが出ている。少なくとも100年前から女性店員の制服がある「高島屋」は、今年の8月末で国内の全15店舗で制服を廃止。JR東海と高島屋の合弁会社「JR東海高島屋」が運営する店舗「ジェイアール名古屋タカシマヤ」は、来年2023年2月末で廃止となる。JR東海高島屋によると、「今は移行期間で、ほとんどの女性店員は制服を着ていない」という。
来年2月末で廃止となる高島屋の制服だが、そもそもなぜ、制服を着用する決まりがあり、それを今、廃止する理由は何なのか? また、制服の廃止について、従業員はどのように受け止めているのか?高島屋の担当者に話を聞いた。「高島屋らしさを体現する服装・身だしなみ」として着用していた――制服を着用する決まりがあるのは?基本的に、店頭で販売に従事する女性店員です。――女性店員の制服は、いつ頃からある?「高島屋史料館」所蔵の史料によると、100年前の1922年(大正11年)に「長堀店が開店した時の写真」の中に、女性店員の制服姿が写っています。これが、当社の資料(「高島屋史料館」所蔵資料)で確認できる、最初の制服です。――女性店員には、なぜ、制服を着用する決まりがあった?コーポレート・アイデンティティー(=企業の独自性)の観点からです。「高島屋のロゴ」や「バラの包装紙」と同様、お客様をお店でお迎えする上で、高島屋らしさを体現する服装・身だしなみということです。――男性店員の制服はない?食料品売場の白衣などを除けば、基本的に男性店員の制服はありません。――男性店員の制服がない理由は?基本、スーツだからです。――制服廃止の対象は、全国の全ての店舗?全国の全店舗で、15店舗です。JR東海と高島屋の合弁会社「JR東海高島屋」が運営する店舗「ジェイアール名古屋タカシマヤ」は2023年2月末で廃止となります。廃止の理由は「不平等性の解消」や「LGBTへの対応」――制服廃止の対象となる職種は?主に店頭で販売に従事する女性店員です。――廃止の対象外となる職種は?案内係、当社の特徴型ショップ(婦人服「スタイル&エディット」といった自主運営売場)、化粧品ブランドなどの制服については、営業の施策や衛生面の観点などを踏まえて、廃止していません。そして、食料品売場で着用している白衣や帽子・エプロン・三角巾、ベビー用品売場のドレスについては、食品衛生や接客サービス、および営業施策の観点で、制服を継続して着用します。――制服を廃止する理由は?女性だけ制服を着用していたという不平等性の解消や、コロナ禍での更衣室の三密防止の観点、LGBTへの対応のためです。また、かねてから、従業員から「制服だと動きづらい」などの声があがっていました。――制服の廃止後、女性店員はどのような服装になる?「スーツ」、もしくは「ジャケットスタイル」です。色の指定はありませんが、お客様をお迎えするのにふさわしい、落ち着いた色味の服装です。「今の世の中の流れを受けた決定で賛同する」――制服の廃止について、女性店員からはどのような声が寄せられている?「今の世の中の流れを受けた決定で賛同する」という前向きな声が寄せられています。――お客さんからは、どのような声が寄せられている?特にありません。コロナ禍で三密防止の観点もあることから、ご理解をいただいていると考えています。――従業員から前向きな声が寄せられていること、どのように受け止めている?従業員から前向きな声が寄せられていることや、趣旨通りの受け止めがなされていることに、安心しております。時代の流れに合わせ、廃止が決まった、高島屋の制服。この流れは加速し、女性だけが着る職場の制服は、あらゆる業種で廃止が進んでいくのかもしれない。
大手百貨店で女性店員の制服を廃止する動きが出ている。少なくとも100年前から女性店員の制服がある「高島屋」は、今年の8月末で国内の全15店舗で制服を廃止。
JR東海と高島屋の合弁会社「JR東海高島屋」が運営する店舗「ジェイアール名古屋タカシマヤ」は、来年2023年2月末で廃止となる。JR東海高島屋によると、「今は移行期間で、ほとんどの女性店員は制服を着ていない」という。
来年2月末で廃止となる高島屋の制服だが、そもそもなぜ、制服を着用する決まりがあり、それを今、廃止する理由は何なのか? また、制服の廃止について、従業員はどのように受け止めているのか?
高島屋の担当者に話を聞いた。
――制服を着用する決まりがあるのは?
基本的に、店頭で販売に従事する女性店員です。
――女性店員の制服は、いつ頃からある?
「高島屋史料館」所蔵の史料によると、100年前の1922年(大正11年)に「長堀店が開店した時の写真」の中に、女性店員の制服姿が写っています。
これが、当社の資料(「高島屋史料館」所蔵資料)で確認できる、最初の制服です。
――女性店員には、なぜ、制服を着用する決まりがあった?
コーポレート・アイデンティティー(=企業の独自性)の観点からです。「高島屋のロゴ」や「バラの包装紙」と同様、お客様をお店でお迎えする上で、高島屋らしさを体現する服装・身だしなみということです。
――男性店員の制服はない?
食料品売場の白衣などを除けば、基本的に男性店員の制服はありません。
――男性店員の制服がない理由は?
基本、スーツだからです。
――制服廃止の対象は、全国の全ての店舗?
全国の全店舗で、15店舗です。JR東海と高島屋の合弁会社「JR東海高島屋」が運営する店舗「ジェイアール名古屋タカシマヤ」は2023年2月末で廃止となります。
――制服廃止の対象となる職種は?
主に店頭で販売に従事する女性店員です。
――廃止の対象外となる職種は?
案内係、当社の特徴型ショップ(婦人服「スタイル&エディット」といった自主運営売場)、化粧品ブランドなどの制服については、営業の施策や衛生面の観点などを踏まえて、廃止していません。
そして、食料品売場で着用している白衣や帽子・エプロン・三角巾、ベビー用品売場のドレスについては、食品衛生や接客サービス、および営業施策の観点で、制服を継続して着用します。
――制服を廃止する理由は?
女性だけ制服を着用していたという不平等性の解消や、コロナ禍での更衣室の三密防止の観点、LGBTへの対応のためです。
また、かねてから、従業員から「制服だと動きづらい」などの声があがっていました。
――制服の廃止後、女性店員はどのような服装になる?
「スーツ」、もしくは「ジャケットスタイル」です。色の指定はありませんが、お客様をお迎えするのにふさわしい、落ち着いた色味の服装です。
――制服の廃止について、女性店員からはどのような声が寄せられている?
「今の世の中の流れを受けた決定で賛同する」という前向きな声が寄せられています。
――お客さんからは、どのような声が寄せられている?
特にありません。コロナ禍で三密防止の観点もあることから、ご理解をいただいていると考えています。
――従業員から前向きな声が寄せられていること、どのように受け止めている?
時代の流れに合わせ、廃止が決まった、高島屋の制服。この流れは加速し、女性だけが着る職場の制服は、あらゆる業種で廃止が進んでいくのかもしれない。