脳科学者の茂木健一郎氏(59)が8日、自身のツイッターを更新し、静岡県牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」の通園バスに女児(3)が取り残され死亡した事件でのバスの構造について疑問を呈した。
茂木氏は「幼稚園での痛ましい事故だけれども、そもそも、なぜバスの窓にあのようにラッピングして中が見えない構造にしているのか。最後に中に誰もいないか指差し確認する動作がなぜルール化していなかったのか」とつづり、疑問を投げかけた。さらに「会見した男性の認知的脆弱性は個人の問題で、子どもの危険につながるシステムは根本的におかしい」と批判した。
事件が起きたバスは、側面に絵が描かれ、窓の中は見えないようになっている。7日に同園で記者会見した増田立義理事長兼園長(73)は、5日の事件当日にバスを運転した理事長自身やクラス担任、クラス補助ら複数の職員による思い込みや怠慢などの人為的ミスが重なった結果、今回の事件を招いたと認めた。理事長は、バスを運転する機会が最近はほとんどなかったとし、死亡した河本千奈ちゃんが取り残されていることをチェックできなかったことに「不慣れだった。他の職員に確認をお任せしているので、そこまで気が回らなかった」と話した。
スクールバス文化が発達している米国の大手スクールバス製造会社の「ICバス」では、子どもの車内置き去りを防ぐための手段として「Leave No Student Behind Alarm System(生徒を車内に置き去りにしないアラームシステム)」として、エンジンを止めるとアラームが鳴り、車内の最後方にあるボタンを押さなければ止まらないというシステムを導入。運転手は後方に行くときに、視認で生徒がいないことを確認するという。