静岡県牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」に通う河本千奈ちゃん(3)が通園バスの車内に取り残されて死亡した事件で、担任が「欠席か遅刻と思い込んでいた」という趣旨の話をしていることが、県や市への取材でわかった。
同園は欠席の連絡がなかったのに、所在確認していなかった。車内から、中身が空の千奈ちゃんの水筒が見つかったことも、捜査関係者への取材で判明した。
県などによると、同園は、QRコードで園児の出欠を個別に管理するシステムを導入。バスを運転していた理事長(73)と、同乗した70歳代の女性派遣社員は、降車時に車内を十分に確認しなかったが、女性派遣社員は、千奈ちゃんら乗っていた園児6人を「登園」と一括登録していた。
一方、千奈ちゃんが通う3歳児クラス(計19人在籍)の副担任はシステムの画面を見たが、「登園」と入力される前の段階だった。担任には「来ていない」と伝え、その後も「登園」となった画面を見ておらず、千奈ちゃんの不在を不審に思わなかったという。
担任と副担任は、千奈ちゃんが登園していないと知りつつ、保護者や他の職員に確認しなかったとみられ、職員間の連携不足などが発見の遅れにつながった。
捜査関係者によると、千奈ちゃんの水筒は中身が空の状態で、高温になった車内で千奈ちゃんが飲み干したとみられる。県警は今後、車内で気温がどの程度上昇したかを調べる。
◇ 同園は7日午前、園内で保護者説明会を始めた。数十人の保護者たちが沈痛な面持ちで施設内に入り、泣いている女性保護者もいた。同園は同日午後、事件後初めて記者会見を開き、経緯を説明する見通し。