日本一小さな自治体、富山県舟橋村が揺れている。村役場で長年横行していた職員によるパワーハラスメント問題を巡り、村議会で16日、「村政を混乱させた」として古越邦男村長に対する不信任決議案が提出され、議長を含む議員6人全員の賛成で可決された。古越村長は報道各社の取材に対し、「私の手で改善したい」として自身は辞職せず、同日付で議会を解散した。パワハラの監督責任を問われ首長が不信任とされるのは異例。
メールで「馬鹿っ小僧」 元議会事務局長、懲戒免職 問題の発端は役場の40代の男性職員が職員らに「給料泥棒」などと暴言を繰り返したなどとして2021年2月に懲戒処分を受けた事案。地方公務員法上最も軽い「戒告」だったこともあり、その後も議会で追及が続き、今年4月に第三者調査委員会が発足。職員や退職者ら約60人に聞き取り調査を行った。職員の暴言放置10年超、精神的不調や退職も 8月末に調査結果が村長に提出され、村は今月6日にホームページで報告書を公開。報告書では、約10年間で村職員の3分の1にあたる約10人が被害に遭ったことが明らかにされた。この男性職員を含め複数の職員によるパワハラと疑われる行為が10年以上放置され、ここ数年だけでも4人が精神的な不調を来し、2人が退職を余儀なくされたという。報告書は原因として「村長、副村長を含めた管理監督者のコンプライアンス意識の欠如」を挙げ、「職場内にパワハラをまん延させた」と指摘した。 16日の本会議では、竹島貴行村議ら3人が提出した不信任決議案で「村長は長い間、幹部職員、副村長を歴任した最上位の責任当事者」と強く批判。竹島村議は可決後も報道陣に対し「自分は悪くないという村長の結論は違う」と訴えた。一方、村長は議会後、報道陣に「パワハラは残念だが、不信任は大変残念」と述べ、議会の解散を即決した。 舟橋村は富山市に隣接するベッドタウン。北陸唯一の「村」で、面積が3・47平方キロと日本の自治体の中で最も小さい。人口は1日現在で3282人。公職選挙法に基づき、40日以内に村議選が行われ、改選後の議会で再び不信任決議案が可決されれば村長は失職する。【萱原健一】
問題の発端は役場の40代の男性職員が職員らに「給料泥棒」などと暴言を繰り返したなどとして2021年2月に懲戒処分を受けた事案。地方公務員法上最も軽い「戒告」だったこともあり、その後も議会で追及が続き、今年4月に第三者調査委員会が発足。職員や退職者ら約60人に聞き取り調査を行った。
職員の暴言放置10年超、精神的不調や退職も
8月末に調査結果が村長に提出され、村は今月6日にホームページで報告書を公開。報告書では、約10年間で村職員の3分の1にあたる約10人が被害に遭ったことが明らかにされた。この男性職員を含め複数の職員によるパワハラと疑われる行為が10年以上放置され、ここ数年だけでも4人が精神的な不調を来し、2人が退職を余儀なくされたという。報告書は原因として「村長、副村長を含めた管理監督者のコンプライアンス意識の欠如」を挙げ、「職場内にパワハラをまん延させた」と指摘した。
16日の本会議では、竹島貴行村議ら3人が提出した不信任決議案で「村長は長い間、幹部職員、副村長を歴任した最上位の責任当事者」と強く批判。竹島村議は可決後も報道陣に対し「自分は悪くないという村長の結論は違う」と訴えた。一方、村長は議会後、報道陣に「パワハラは残念だが、不信任は大変残念」と述べ、議会の解散を即決した。
舟橋村は富山市に隣接するベッドタウン。北陸唯一の「村」で、面積が3・47平方キロと日本の自治体の中で最も小さい。人口は1日現在で3282人。公職選挙法に基づき、40日以内に村議選が行われ、改選後の議会で再び不信任決議案が可決されれば村長は失職する。【萱原健一】