「繁華街のど真ん中のような場所ですからね。通行止めの時間帯などがあり、解体には時間がかかっている。宅見組本部は地上4階建て、延べ床面積約320屬侶物。通常なら1~2ヵ月で解体は終わるはずやけど、3ヵ月以上はかかるでしょう」(大阪市内の不動産会社経営者)
大阪・ミナミにある「二代目宅見組本部」の解体が、ようやく始まった。
宅見組本部は3年ほど前に売りに出され、今年4月に約3億3000万円で売却された。5月末に解体のための足場が組まれ、まもなく重機も入るという。
「購入したのは、霊園やホテルなどをマルチに経営する大阪市内の民間企業でした。ただ、売却が成立するまでには、すったもんだがあったと聞きます。こういった元暴力団事務所のような物件は、現金一括が通例。買いたいと手を挙げる人間は相当数いたそうですが、大阪府警も売却先を注視しており、買ってすぐに転売するような中国人投資家にはさすがに売れなかった」(暴力団関係者)
前出の不動産会社経営者によると、売却価格3億3000万円はこのあたりでは破格だという。
「これも警察から、売却益を多く出しすぎないようお達しがあったと聞いています」
気になるのは、解体後になにができるのかということだ。
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「購入した民間企業が商業施設などを運営する会社に土地を貸す形で、カジュアルな飲食店が並ぶ屋台村ができるそうです。コロナ禍もようやく収まってきましたし、観光客がますます増えそうだと地元では喜ばれています」(同前)
暴力団社会を代表する有名暴力団の組事務所が一転、「屋台村」とは。まさに時代を感じる変身である。
「週刊現代」2023年6月24日号より