「受験戦争で東大を目指すのって、もう古いんですよ」――2年間の浪人生活という苦労を経験した末に、一般入試合格の価値に疑問を感じた現役東大生の黒田将臣(くろだ・まさおみ)さん。
【画像】「東大受験は1億円の儲け話です!」東大ブランドの活かし方について書かれた書籍 彼が一般入試よりも「推薦入試」で合格する人間を高く評価する理由とは? 黒田氏初の著書『ビジネスとしての東大受験 億を稼ぐ悪の受験ハック』より一部抜粋・再構成してお届けする。(全2回の1回目/後編を読む)

東大でも2016年度から推薦入試がスタートした。 iStock.com◆◆◆もはや一般入試は古い!? 突然ですが、みなさんは今の大学生のうち、どれくらいが一般入試で進学したかを知っていますか? 2020年の文部科学省調査によると、大学進学者全体では一般入試が52.3%、AO13.5%、推薦入試33.7%と、一般と推薦・AOがほぼ半々になっています。 また、私立大学を見ると、合格者のうち55.6%が推薦・AO入試での合格者となっており、一般入試の割合の方が低いのです。 端的に言ってしまえば、この令和の時代において、一般入試をする人間は、少数派なんです。 僕の親は今年60歳になります。その世代は、大学受験といえば努力に努力を重ね、寝る間も惜しんで受験勉強をしなければならなかったと言います。そうやって頑張って、早稲田慶應、もっと上なら東大京大という学歴が手に入っていた時代だったそうです。そうして頑張った学生が就職でも評価され、会社に入ってからも学歴で評価されたわけです。 だからその時代の感覚で、親御さんは「あんた、勉強しなさい!」とよく言いますよね。勉強しろ、宿題をやれ、塾に行け、いい大学に入れば人生安泰だ、と。 でも、もうこの令和の時代において受験勉強を頑張るのは時代遅れなのです。 今やマジョリティとなった推薦・AO入試で評価されるのは、課外活動やコミュニケーション能力です。 極端な話、学校でeスポーツ部に入って、ゲーム仲間と楽しくワイワイ遊んで、みんなで大会も出て、コミュニケーション能力を身につけていた方が、真面目に勉強するよりもいい大学に行けるかもしれません。 一般入試は少数派の競技になりました。というより、持たざるものの競技になりました。 有名な進学校であっても、「頭がいい人」は共通テストも受けずにいい大学に推薦合格が決定していて、高3の10月には入試が終わっています。 それに対して、授業態度が悪かったり、課外活動をあまり積極的にやっていなかったりする学生が、一般入試をするんです。 というわけで、受験戦争で東大を目指すのって、もう古いんですよ。 というか、東大だって2016年度から推薦入試がスタートしました。共通テストの点数は加味されますが、それでも一般入試合格者以下の学力で合格している人がたくさんいます。僕が知っている中では、共通テストで900点中600点、つまり7割以下の成績で推薦合格している人もいました。 7割って、偏差値に換算すると55以下です。東大合格者の半数が共通テストで9割以上取っていて当たり前に偏差値70以上である一方で、推薦入試ではこの成績でも東大に合格ができるのです。この成績は一般入試であれば東大の足切りラインを下回っていて、二次試験を受けることさえできないのに。一般入試者から見た「推薦合格者」の輝き こんな時代の中で、それでも一般入試を頑張る意味って、どこにあるんでしょうか? 僕は2浪して東大に合格した人間です。 中学受験に失敗し、私立の中高一貫校に入り、そこから苦労と努力をして、時間はかかりましたがなんとか一般入試で東大に合格しました。 学力を付ける努力をした覚えはありません。姑息な手を使って、予備校の入試分析を知り尽くし、傾向と対策を練り、執念で合格したと思っています。そんな苦労を繰り返した自分と比較して、推薦合格した友達がどれだけ輝いて見えたことか。 彼女は僕と同じように中学受験に失敗して中高一貫校に行った人でした。しかし僕とは違って、大学受験のことなどあまり考えず、のびのびと生徒会活動を行っていたそうです。そして、高校3年生の10月に、先生から「お前、全然勉強してないけど推薦入試に挑戦してみたらどうだ?」と言われたのだとか。「共通テストの点数だとお前はダメダメだが、コミュニケーション能力が高いし、いけるんじゃないか?」と言われたその日から彼女は東大の推薦入試のために努力し、合格を勝ち取りました。 共通テストは620点、受験に費やした時間は4ヶ月です。 片や、高校3年間の青春の全てと2年の浪人期間、合わせて5年間で、「東大合格」という限られたステージでしか活かせないような技術だけを身につけた自分。 片や、高校3年間、やりたいことを楽しくやって、遊びながらもいろんなものに挑戦し、社会に出てからも活かせるようなスキルを身につけた推薦合格者。 みなさんだったらどっちと仲良くなりたいですか? そして経営者だったとして、どちらを採用したいですか?「本を出すだけで5000万」「理3に合格させれば1000万」現役東大生が明かした「東大ブランド」で大金を集める方法 へ続く(黒田 将臣)
彼が一般入試よりも「推薦入試」で合格する人間を高く評価する理由とは? 黒田氏初の著書『ビジネスとしての東大受験 億を稼ぐ悪の受験ハック』より一部抜粋・再構成してお届けする。(全2回の1回目/後編を読む)
東大でも2016年度から推薦入試がスタートした。 iStock.com
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突然ですが、みなさんは今の大学生のうち、どれくらいが一般入試で進学したかを知っていますか?
2020年の文部科学省調査によると、大学進学者全体では一般入試が52.3%、AO13.5%、推薦入試33.7%と、一般と推薦・AOがほぼ半々になっています。
また、私立大学を見ると、合格者のうち55.6%が推薦・AO入試での合格者となっており、一般入試の割合の方が低いのです。
端的に言ってしまえば、この令和の時代において、一般入試をする人間は、少数派なんです。
僕の親は今年60歳になります。その世代は、大学受験といえば努力に努力を重ね、寝る間も惜しんで受験勉強をしなければならなかったと言います。そうやって頑張って、早稲田慶應、もっと上なら東大京大という学歴が手に入っていた時代だったそうです。そうして頑張った学生が就職でも評価され、会社に入ってからも学歴で評価されたわけです。
だからその時代の感覚で、親御さんは「あんた、勉強しなさい!」とよく言いますよね。勉強しろ、宿題をやれ、塾に行け、いい大学に入れば人生安泰だ、と。
でも、もうこの令和の時代において受験勉強を頑張るのは時代遅れなのです。
今やマジョリティとなった推薦・AO入試で評価されるのは、課外活動やコミュニケーション能力です。
極端な話、学校でeスポーツ部に入って、ゲーム仲間と楽しくワイワイ遊んで、みんなで大会も出て、コミュニケーション能力を身につけていた方が、真面目に勉強するよりもいい大学に行けるかもしれません。
一般入試は少数派の競技になりました。というより、持たざるものの競技になりました。
有名な進学校であっても、「頭がいい人」は共通テストも受けずにいい大学に推薦合格が決定していて、高3の10月には入試が終わっています。
それに対して、授業態度が悪かったり、課外活動をあまり積極的にやっていなかったりする学生が、一般入試をするんです。
というわけで、受験戦争で東大を目指すのって、もう古いんですよ。
というか、東大だって2016年度から推薦入試がスタートしました。共通テストの点数は加味されますが、それでも一般入試合格者以下の学力で合格している人がたくさんいます。僕が知っている中では、共通テストで900点中600点、つまり7割以下の成績で推薦合格している人もいました。
7割って、偏差値に換算すると55以下です。東大合格者の半数が共通テストで9割以上取っていて当たり前に偏差値70以上である一方で、推薦入試ではこの成績でも東大に合格ができるのです。この成績は一般入試であれば東大の足切りラインを下回っていて、二次試験を受けることさえできないのに。
こんな時代の中で、それでも一般入試を頑張る意味って、どこにあるんでしょうか?
僕は2浪して東大に合格した人間です。
中学受験に失敗し、私立の中高一貫校に入り、そこから苦労と努力をして、時間はかかりましたがなんとか一般入試で東大に合格しました。
学力を付ける努力をした覚えはありません。姑息な手を使って、予備校の入試分析を知り尽くし、傾向と対策を練り、執念で合格したと思っています。そんな苦労を繰り返した自分と比較して、推薦合格した友達がどれだけ輝いて見えたことか。
彼女は僕と同じように中学受験に失敗して中高一貫校に行った人でした。しかし僕とは違って、大学受験のことなどあまり考えず、のびのびと生徒会活動を行っていたそうです。そして、高校3年生の10月に、先生から「お前、全然勉強してないけど推薦入試に挑戦してみたらどうだ?」と言われたのだとか。「共通テストの点数だとお前はダメダメだが、コミュニケーション能力が高いし、いけるんじゃないか?」と言われたその日から彼女は東大の推薦入試のために努力し、合格を勝ち取りました。 共通テストは620点、受験に費やした時間は4ヶ月です。 片や、高校3年間の青春の全てと2年の浪人期間、合わせて5年間で、「東大合格」という限られたステージでしか活かせないような技術だけを身につけた自分。 片や、高校3年間、やりたいことを楽しくやって、遊びながらもいろんなものに挑戦し、社会に出てからも活かせるようなスキルを身につけた推薦合格者。 みなさんだったらどっちと仲良くなりたいですか? そして経営者だったとして、どちらを採用したいですか?「本を出すだけで5000万」「理3に合格させれば1000万」現役東大生が明かした「東大ブランド」で大金を集める方法 へ続く(黒田 将臣)
彼女は僕と同じように中学受験に失敗して中高一貫校に行った人でした。しかし僕とは違って、大学受験のことなどあまり考えず、のびのびと生徒会活動を行っていたそうです。そして、高校3年生の10月に、先生から「お前、全然勉強してないけど推薦入試に挑戦してみたらどうだ?」と言われたのだとか。
「共通テストの点数だとお前はダメダメだが、コミュニケーション能力が高いし、いけるんじゃないか?」と言われたその日から彼女は東大の推薦入試のために努力し、合格を勝ち取りました。
共通テストは620点、受験に費やした時間は4ヶ月です。
片や、高校3年間の青春の全てと2年の浪人期間、合わせて5年間で、「東大合格」という限られたステージでしか活かせないような技術だけを身につけた自分。
片や、高校3年間、やりたいことを楽しくやって、遊びながらもいろんなものに挑戦し、社会に出てからも活かせるようなスキルを身につけた推薦合格者。
みなさんだったらどっちと仲良くなりたいですか?
そして経営者だったとして、どちらを採用したいですか?
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(黒田 将臣)