キャンプでヒグマに襲われない方法を身に付ける「ヒグマ対策DAYキャンプ」が23日、北海道羅臼町の知床世界遺産ルサフィールドハウスで開かれた。
親子連れがテントの張り方や撃退スプレーの使い方を学んだ。
キャンプ場で煮炊きをしたり食べ物を放置したりするとヒグマを誘い出し、事故を引き起こす恐れがある。1970年に日高山脈で福岡大生がヒグマに襲われ3人が死亡した事故では、ヒグマから食べ物入りのリュックサックを取り返したことがヒグマを刺激し、悲劇を招いたとされる。
知床財団の松林良太保護管理係長が、煮炊きする場所と寝る時に食べ物を保管する場所、テントを張る場所を100メートル間隔にするよう指導。食料の保管に適した強化プラスチック製のフードコンテナを紹介した。
キャンプだけでなく、万が一ヒグマに襲われそうになった時のため、辛子を噴射させる撃退スプレーの使い方を伝授。参加した親子連れが、3メートルほど離れた所にヒグマを模して置いた段ボールに向かって練習用スプレーを噴射させた。
松林さんは「ヒグマは用心深くやぶの中に潜んでいることがある。食べ物への執着が強く、そのきっかけを作らないようにすることが大切」と語った。家族5人で参加した羅臼町の酪農家の女性(41)は「実際に使ってみてスプレーの使い方がわかった。でも、出くわした時にどうなるかは心配ですね」と話していた。