石川県珠洲市で自宅が倒壊し、およそ15時間、生き埋めになった男性。がれきの下で、救助を待つ様子をスマホで撮影していました。死を覚悟しながら撮った38秒間の動画。ようやくかかった1本の電話が命をつなぎました。
【写真を見る】15時間生き埋めの男性 がれきの下で死を覚悟しながら撮った38秒間の映像【news23】
地震による犠牲者は輪島市で前日から10人増え、県全体で232人になりました。
珠洲市で自宅が倒壊し、約15時間にわたり生き埋めとなった男性がいます。
「何がどうなったの」
がれきの下でスマートフォンに記録された38秒間の映像。撮影したのは巽通敏さん(52)です。
巽通敏さん「気がついたら生き埋めになっていたので。全部落ちてきた、天井から。もう真っ暗でした」
市の嘱託職員で、地元のニュース番組に携わっていました。
巽通敏さん「(撮影は)たぶん無意識。撮ったのも覚えていない」
生き埋めから数時間後、避難所にいた兄の好弘さん(59)と連絡がつきます。午前1時半ごろのことでした。
通敏さんを救助兄の巽好弘さん「『どこにおる』って聞いたら『うち』って。電波状況も悪くてすぐに切れた」
そして、夜明けとともに近所の人と協力し、助け出しました。
通敏さんを救助兄の巽好弘さん「(弟の)顔色はなかったし、足は震えていて。『助けてもらったぞ』と言ったら『うん』って」
救出後、巽さんは肋骨を骨折していました。
巽通敏さん「やっぱりありがとうですね。助かったというよりも助けてもらったという方がでかい」
藤森祥平キャスター:がれきなどの下敷きになった場合、私たちがとるべき行動を防災都市計画研究所の高橋洋さんに聞きました。
大きな音を出して自分の存在をアピールしようと考えると思いますが、声を出し続けるというのは体力を消耗してしまうため、やみくもに声を出さない方が良いということです。周囲に人の声や救助犬の鳴き声が聞こえるときは何か音を出して、救助隊の呼びかけに応えるようにすると良いといいます。
また、物を使って居場所を知らせるのも良いそうです。スマートフォンの機種によっては、設定をすることで「緊急SOS」のアラーム音を出すことができます。
トラウデン直美さん:日頃から設定しておくことがすごく大事だと思いますが、きょう(1月17日)のように阪神淡路大震災の節目などにもう一度確認をして細かい情報を覚えておけば、いざというときに思い出すことがあるかもしれません。節目節目で「覚えておこう」と確認することは大事だと思います。
小川キャスター:「緊急SOS」の画面は見たことがあっても使い方がわからないという方もいると思います。知っておくということが必要ですね。
慶応大学医学部教授データサイエンティスト宮田裕章さん:知った上で、今回はデジタルを使って全体として改善していかなくてはいけない点が浮かび上がりました。
ひとつは悪意のある誤情報です。偽の救助要請によって、本来助かる人たちに向けられるリソースを無駄に使ってしまいます。他人の命を危険にさらす行為でリスクのある行為だとしっかり周知をしていくことも必要だと思います。
もうひとつは、現代社会、携帯を持っている人は少なからずいますので、“生き埋め”が発生したエリアである時点から発信が途絶えている場合には「何か起こっているかもしれない」と推測できます。プライバシーに配慮しながら、そういった情報を救助に行く人たちと共有できないかということも含めて、これを機にデジタルでできることをもっと改善していく必要があるのかなと思います。
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Q.防災用品や避難場所について家族や周りの人と話し合った?「話し合った」…36.0%「話し合わない」…33.2%「これから話し合う」…30.8%
※1月17日午後11時00分時点※統計学的手法に基づく世論調査ではありません