最近、急に蚊に刺されるようになったという人、いませんか?実は、朝晩涼しくなり過ごしやすくなってくると、“蚊”も活発化するんです。
【写真を見る】「最後まで血を吸わせた方が、かゆくならない!?」涼しくなって増えた『蚊』の生態を研究者に聞く 足のニオイとの関係や叩くときのコツも【ひるおび】猛暑の影響で今年は「9月から増える」ヤマザキ動物看護大学の長島孝行教授は、「蚊が増えてくるのは、平年は7月から。ただ今年は猛暑の影響で、今月(9月)から増えてくるのではないか」と話します。都内の公園を取材してみると・・・「いま娘が刺されました。真夏より多い気がします」「夕方とかに刺される感じがします。炎天下だと蚊がいないんですけど、夕方公園に行くと絶対刺される。」「暑かったから蚊が出てなかった気がする。3歳の子供は本当にすごくて普通の虫除けでは効かない」と、蚊の多さを実感している人が多くいました。

一生で血を吸うのは1~5回世界には3000種類の蚊が存在し、その中で日本にいるのは100種類。主に血を吸う蚊は、20種類です。知られているのは、「イエカ」と「ヤブカ」。▼イエカ類(アカイエカなど)主に夕方から夜間に活動。屋内で人の血を吸う。▼ヤブカ類(ヒトスジシマカなど)昼間に活動。やぶや草むらなどに生息。血を吸うのは産卵直前のメスだけ。人の血でタンパク質で栄養補給をすることで、産卵に備えます。一生のうちに血を吸う回数は1回から5回とされています。ヤマザキ動物看護大学 長島孝行教授:1回から5回という意味は、1回おなかいっぱいになれば産卵するんです。おなかいっぱいにならなければ、吸血を繰り返します。恵俊彰:ものすごく頭に来るけど、必死に生きてるんだね。蚊は暑すぎるのが苦手蚊が最も活発に活動する気温帯は25℃~30℃。アース製薬が行った実験では、室温30℃の場所に設置したかごの中に手を入れると、30秒間で約12匹の蚊が手にとまり、室温36℃では、30秒間で約7匹という結果でした。温度が高いと蚊の動きが鈍くなることがわかります。この夏は猛暑で、一日の中でも30℃を超える時間帯が多くありましたが、最近は蚊の活動しやすい時間帯が増えてきています。長島教授:これから朝晩、特に晩はかなり多くなるでしょうね。シマカの場合は、4月から11月までが活動範囲です。まだまだこれからですよ。平年の蚊の活動期間は4月から11月。そのうち増殖期にあたるのが夏の7月~9月。ただ今年は暑かったので、増殖期が9~11月にずれるのではないかと見ています。東京都で蚊の個体数を調べた調査があります。平年の夏と同じくらいの気温だった2015年は、蚊の個体数のピークは8月上旬でしたが、猛暑だった2018年のピークは10月上旬。今年もこのようになる可能性が十分考えられます。長島教授:別に蚊を援護するわけではないんですけど、蚊も子孫を残そうとか、生きようとするわけですよね。ちょっと秋の方に繁殖期をずらしてでも残そうとしているわけですよね。刺されやすい”刺されにくい”って本当にあるの?長島教授によると、蚊に「刺されやすい人」と「刺されにくい人」は確かに存在します。そもそも、蚊はどうやって人間に近づくのでしょうか?【1】呼吸から出る二酸化炭素を感知することにより、約10m先から人を発見!【2】1mまで接近したら、視覚とにおいをたどって近づいていきます【3】40cmまで近づくと、最後は体温の高い人の元へ・・・そうなると、刺されやすいのは、小さな子ども。新陳代謝が活発で、体温が高く汗をかきやすいので、蚊が感知しやすいのです。長島教授:女性などの場合、保湿クリームの保湿剤の中に汗の成分と似たようなものが入っていて刺されやすくなってしまうとか、皮膚が薄く柔らかいので刺しやすいということもあります。「足がクサイ人が刺される」わけではないまた、足のにおいとの関連を示した実験もあります。除菌シートで拭いた足と、拭いていない足を50匹の蚊が入ったケースの中に入れると、除菌していない足に12匹の蚊が止まり、拭いた方の足には1匹もとまりませんでした。長島教授:足や体に、人間は「常在菌」という菌を持っているんですね。その「常在菌」が足にはいっぱいあって、そのにおいを蚊が好んで足の方へ行くということになります。足がクサイから蚊が来るのではなく、蚊が好む「常在菌」が多い人が刺されやすいのです。「常在菌」には個人差があり、蚊はその差を嗅ぎ分けて血を吸いに来ます。恵俊彰:蚊が好む「常在菌」ってなんなんですか?長島教授:それは単純には絞れないんですよ。ものすごく種類があるので、その複合なのかもしれないし。恵俊彰:人間がクサイと思っているにおいとは限らない?長島教授:違います。だから足がクサイから来るわけではない。そういう感覚とちょっと違うんですね。「常在菌」のにおいは足から出やすいので、蚊に刺されやすい人は、長い靴下を履く、足をこまめに洗う、除菌シートで拭くなどが効果的です。コメンテーター 副島淳:私はめちゃくちゃ刺されやすい。自分の足がクサイのかなと思ってたんで、今日それが解消できて良かったです。最後まで血を吸わせた方が、かゆくならない!?コメンテーター 副島淳:ちなみに先生は、チャンスがあったら、蚊を叩くんですか?長島教授:叩きません。絶対に叩きません。蚊は、だ液で血液を柔らかくして吸っているわけです。叩くとだ液が(皮膚に)残っちゃう。さらに、蚊が吸った血が逆流する、戻すことになる。そのだ液が残ることによってかゆみが増すんです。恵俊彰:ということは、叩かないでどかしてあげればいい?長島教授:はじくのがいいと思う。あるいは完全に吸わせてあげる。恵俊彰:完全に吸わせてあげると、かゆくない?長島教授:全然ではないですけれども、かゆみはかなり軽減されるはずです。だ液も彼らは吸収しますので。左右で挟む?上下で挟む?でもやっぱり、皮膚にとまる前に仕留めたい…長島教授によると、空中にいる蚊を叩くのにはコツがあります。それは、上下ではさむこと。蚊は上下に素早く移動できるので、両手を使って左右から叩くと、逃げられやすいのです。上下から、挟みこむように叩くことで、捕らえやすいといいます。長島教授:蚊は、着地しようとするときには、横ではなく縦の動きなんですよ。ですので上から叩くとか、上下で挟むというのが効果的です。もちろん増やさないことも重要です。植木鉢のお皿や、空き缶、ペットボトルの蓋、捨てられたコンビニの袋に溜まった水など、2、3ミリあれば蚊の産卵場所になってしまいます。まず身の回りの片付けから始めると、刺されずに済むかもしれません。(ひるおび 2023年9月14日放送より)
ヤマザキ動物看護大学の長島孝行教授は、「蚊が増えてくるのは、平年は7月から。ただ今年は猛暑の影響で、今月(9月)から増えてくるのではないか」と話します。
都内の公園を取材してみると・・・「いま娘が刺されました。真夏より多い気がします」「夕方とかに刺される感じがします。炎天下だと蚊がいないんですけど、夕方公園に行くと絶対刺される。」「暑かったから蚊が出てなかった気がする。3歳の子供は本当にすごくて普通の虫除けでは効かない」と、蚊の多さを実感している人が多くいました。
世界には3000種類の蚊が存在し、その中で日本にいるのは100種類。主に血を吸う蚊は、20種類です。知られているのは、「イエカ」と「ヤブカ」。
▼イエカ類(アカイエカなど)主に夕方から夜間に活動。屋内で人の血を吸う。
▼ヤブカ類(ヒトスジシマカなど)昼間に活動。やぶや草むらなどに生息。
血を吸うのは産卵直前のメスだけ。人の血でタンパク質で栄養補給をすることで、産卵に備えます。一生のうちに血を吸う回数は1回から5回とされています。
ヤマザキ動物看護大学 長島孝行教授:1回から5回という意味は、1回おなかいっぱいになれば産卵するんです。おなかいっぱいにならなければ、吸血を繰り返します。
恵俊彰:ものすごく頭に来るけど、必死に生きてるんだね。
蚊が最も活発に活動する気温帯は25℃~30℃。
アース製薬が行った実験では、室温30℃の場所に設置したかごの中に手を入れると、30秒間で約12匹の蚊が手にとまり、室温36℃では、30秒間で約7匹という結果でした。温度が高いと蚊の動きが鈍くなることがわかります。
この夏は猛暑で、一日の中でも30℃を超える時間帯が多くありましたが、最近は蚊の活動しやすい時間帯が増えてきています。
長島教授:これから朝晩、特に晩はかなり多くなるでしょうね。シマカの場合は、4月から11月までが活動範囲です。まだまだこれからですよ。
平年の蚊の活動期間は4月から11月。そのうち増殖期にあたるのが夏の7月~9月。ただ今年は暑かったので、増殖期が9~11月にずれるのではないかと見ています。
東京都で蚊の個体数を調べた調査があります。平年の夏と同じくらいの気温だった2015年は、蚊の個体数のピークは8月上旬でしたが、猛暑だった2018年のピークは10月上旬。今年もこのようになる可能性が十分考えられます。
長島教授:別に蚊を援護するわけではないんですけど、蚊も子孫を残そうとか、生きようとするわけですよね。ちょっと秋の方に繁殖期をずらしてでも残そうとしているわけですよね。
長島教授によると、蚊に「刺されやすい人」と「刺されにくい人」は確かに存在します。
そもそも、蚊はどうやって人間に近づくのでしょうか?
【1】呼吸から出る二酸化炭素を感知することにより、約10m先から人を発見!
【2】1mまで接近したら、視覚とにおいをたどって近づいていきます
【3】40cmまで近づくと、最後は体温の高い人の元へ・・・
そうなると、刺されやすいのは、小さな子ども。新陳代謝が活発で、体温が高く汗をかきやすいので、蚊が感知しやすいのです。
長島教授:女性などの場合、保湿クリームの保湿剤の中に汗の成分と似たようなものが入っていて刺されやすくなってしまうとか、皮膚が薄く柔らかいので刺しやすいということもあります。
また、足のにおいとの関連を示した実験もあります。
除菌シートで拭いた足と、拭いていない足を50匹の蚊が入ったケースの中に入れると、除菌していない足に12匹の蚊が止まり、拭いた方の足には1匹もとまりませんでした。
長島教授:足や体に、人間は「常在菌」という菌を持っているんですね。その「常在菌」が足にはいっぱいあって、そのにおいを蚊が好んで足の方へ行くということになります。
足がクサイから蚊が来るのではなく、蚊が好む「常在菌」が多い人が刺されやすいのです。「常在菌」には個人差があり、蚊はその差を嗅ぎ分けて血を吸いに来ます。
恵俊彰:蚊が好む「常在菌」ってなんなんですか?
長島教授:それは単純には絞れないんですよ。ものすごく種類があるので、その複合なのかもしれないし。
恵俊彰:人間がクサイと思っているにおいとは限らない?
長島教授:違います。だから足がクサイから来るわけではない。そういう感覚とちょっと違うんですね。
「常在菌」のにおいは足から出やすいので、蚊に刺されやすい人は、長い靴下を履く、足をこまめに洗う、除菌シートで拭くなどが効果的です。
コメンテーター 副島淳:私はめちゃくちゃ刺されやすい。自分の足がクサイのかなと思ってたんで、今日それが解消できて良かったです。
コメンテーター 副島淳:ちなみに先生は、チャンスがあったら、蚊を叩くんですか?
長島教授:叩きません。絶対に叩きません。蚊は、だ液で血液を柔らかくして吸っているわけです。叩くとだ液が(皮膚に)残っちゃう。さらに、蚊が吸った血が逆流する、戻すことになる。そのだ液が残ることによってかゆみが増すんです。
恵俊彰:ということは、叩かないでどかしてあげればいい?
長島教授:はじくのがいいと思う。あるいは完全に吸わせてあげる。
恵俊彰:完全に吸わせてあげると、かゆくない?
長島教授:全然ではないですけれども、かゆみはかなり軽減されるはずです。だ液も彼らは吸収しますので。
でもやっぱり、皮膚にとまる前に仕留めたい…長島教授によると、空中にいる蚊を叩くのにはコツがあります。
それは、上下ではさむこと。蚊は上下に素早く移動できるので、両手を使って左右から叩くと、逃げられやすいのです。上下から、挟みこむように叩くことで、捕らえやすいといいます。
長島教授:蚊は、着地しようとするときには、横ではなく縦の動きなんですよ。ですので上から叩くとか、上下で挟むというのが効果的です。
もちろん増やさないことも重要です。植木鉢のお皿や、空き缶、ペットボトルの蓋、捨てられたコンビニの袋に溜まった水など、2、3ミリあれば蚊の産卵場所になってしまいます。まず身の回りの片付けから始めると、刺されずに済むかもしれません。
(ひるおび 2023年9月14日放送より)