北海道・知床半島沖で観光船「KAZU 機淵ズワン)」が沈没した事故が発生してから23日で半年となるのを前に、乗客らの家族の一部が20日、オンラインで記者会見を開いた。事故では乗員乗客計26人のうち、20人の死亡が確認された一方、6人が行方不明となっている。
【写真】作業船に引き揚げられたカズワン船体 現在も海上保安庁などによる捜索が続いており、家族は会見で「この手で連れて帰ってあげたいと思っても、どうすることもできない場所で私たちの家族は消息を絶った。凄惨(せいさん)な事件で家族を奪われ、地獄のようにつらい毎日。悲しみは一生消えることはない」と心情を語った。

家族らは報道機関から事前に質問を受け、氏名などを明かさない形で会見に臨んだ。ある男性は、カズワンの運航会社「知床遊覧船」(北海道斜里町)の桂田精一社長の姿勢に言及。家族への個別の謝罪や説明をする場を設けるように求めてきたが実現されていないとし、「桂田社長は一切、表に出てこない。誠意のない態度を遺憾に思う。(桂田社長の)弁護士からは事故原因が判明していないこと、行方不明者がいることなどを理由に説明を先延ばしにされている」と、強い口調で話した。 ある家族は「(家族向けに開かれている)国土交通省などによる説明会で何度か問うたが、『国に責任がある。申し訳ない』という謝罪の言葉は一度も聞いたことがない」などと、国への不信感も口にした。知床遊覧船が過去に行政指導を受けていながら、今回の事故を起こしたことに「(行政は)ミスの連鎖の根元を断ち切れなかった」と指摘した。 一方、行方不明者の捜索については「感謝している。おかげで家族の元に帰ることができた犠牲者もいる」と語り、「被害者も家族も人生を根こそぎ奪われた。私たちは『今後も捜索を継続してください』とお願いするしかない」と訴えた。【谷口拓未、山田豊】
現在も海上保安庁などによる捜索が続いており、家族は会見で「この手で連れて帰ってあげたいと思っても、どうすることもできない場所で私たちの家族は消息を絶った。凄惨(せいさん)な事件で家族を奪われ、地獄のようにつらい毎日。悲しみは一生消えることはない」と心情を語った。
家族らは報道機関から事前に質問を受け、氏名などを明かさない形で会見に臨んだ。ある男性は、カズワンの運航会社「知床遊覧船」(北海道斜里町)の桂田精一社長の姿勢に言及。家族への個別の謝罪や説明をする場を設けるように求めてきたが実現されていないとし、「桂田社長は一切、表に出てこない。誠意のない態度を遺憾に思う。(桂田社長の)弁護士からは事故原因が判明していないこと、行方不明者がいることなどを理由に説明を先延ばしにされている」と、強い口調で話した。
ある家族は「(家族向けに開かれている)国土交通省などによる説明会で何度か問うたが、『国に責任がある。申し訳ない』という謝罪の言葉は一度も聞いたことがない」などと、国への不信感も口にした。知床遊覧船が過去に行政指導を受けていながら、今回の事故を起こしたことに「(行政は)ミスの連鎖の根元を断ち切れなかった」と指摘した。
一方、行方不明者の捜索については「感謝している。おかげで家族の元に帰ることができた犠牲者もいる」と語り、「被害者も家族も人生を根こそぎ奪われた。私たちは『今後も捜索を継続してください』とお願いするしかない」と訴えた。【谷口拓未、山田豊】