福岡市の私立高2年の女子生徒(16)が5月、いじめ被害を訴える遺書を残して自殺した問題で、福岡県は21日、自殺が起きた翌日に県警から情報を得ていたが、その後約1カ月間、学校側に照会などをしていなかったと明らかにした。9月14日に問題が報じられるまで、担当課内でも自殺の情報が共有されていなかった。県私学振興課は不適切な対応だったとしている。
「あなたは大切な存在」 自ら命たった子どもの親たちが伝えたいこと 生徒の自殺を巡っては、学校側がいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」として扱わず、6月に「いじめはなかった」と結論づけていた。報道で表面化した後の9月15日に一転して重大事態と認定した。
県によると、私学振興課は生徒が自殺した翌日、県警から自殺の情報提供を受けた。担当者は「県警からの機密情報」と判断し、すぐに学校側に問い合わせず、学校からの報告を待っていたという。だが学校から連絡がなかったため、約1カ月後の6月20日に初めて学校側に事実関係を確認。学校は自殺の発生を認めたという。 文部科学省や県はいじめの有無にかかわらず、児童・生徒の自殺があった場合は報告を求めている。同課担当者は同日、自殺の発生についての「事故報告書」を速やかに提出するよう求めたが、学校側は「調査をするので提出は遅くなる」と主張。担当者はその後、学校側に提出の催促をせず、担当課長らと情報共有もしていなかった。 永渕健二・県私学振興課長は「情報共有ができていればすぐさま県として動けた。報告書の進捗(しんちょく)状況も学校側に確認すべきだった。反省している」と述べた。 県によると、学校は22日にも自殺の事故報告書を県に提出する見込みだという。県はいじめ防止対策推進法に基づき、重大事態に関する発生報告書や調査報告書の提出も学校側に求めている。【野間口陽】相談窓口・24時間子供SOSダイヤル いじめやその他の悩みについて、子どもや保護者などからの相談を受け付けています。原則として電話をかけた所在地の教育委員会の相談機関につながります。 0120・0・78310=年中無休、24時間。・子どもの人権110番 「いじめに遭っている」「家の人に嫌なことをされる」など、先生や親には話しにくい相談に法務局の職員や人権擁護委員が応じます。 0120・007・110=平日の午前8時半~午後5時15分・まもろうよ こころ(https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/soudan/sns/) さまざまな悩みについて、LINEやチャットで相談を受けている団体を紹介する厚生労働省のサイトです。年齢や性別を問わず、自分に合った団体を探せます。・こころの悩みSOS(https://mainichi.jp/shakai/sos/) 悩みを抱えた当事者や支援者への情報のほか、相談機関を紹介した毎日新聞の特設ページです。
生徒の自殺を巡っては、学校側がいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」として扱わず、6月に「いじめはなかった」と結論づけていた。報道で表面化した後の9月15日に一転して重大事態と認定した。
県によると、私学振興課は生徒が自殺した翌日、県警から自殺の情報提供を受けた。担当者は「県警からの機密情報」と判断し、すぐに学校側に問い合わせず、学校からの報告を待っていたという。だが学校から連絡がなかったため、約1カ月後の6月20日に初めて学校側に事実関係を確認。学校は自殺の発生を認めたという。
文部科学省や県はいじめの有無にかかわらず、児童・生徒の自殺があった場合は報告を求めている。同課担当者は同日、自殺の発生についての「事故報告書」を速やかに提出するよう求めたが、学校側は「調査をするので提出は遅くなる」と主張。担当者はその後、学校側に提出の催促をせず、担当課長らと情報共有もしていなかった。
永渕健二・県私学振興課長は「情報共有ができていればすぐさま県として動けた。報告書の進捗(しんちょく)状況も学校側に確認すべきだった。反省している」と述べた。
県によると、学校は22日にも自殺の事故報告書を県に提出する見込みだという。県はいじめ防止対策推進法に基づき、重大事態に関する発生報告書や調査報告書の提出も学校側に求めている。【野間口陽】
相談窓口
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・子どもの人権110番
「いじめに遭っている」「家の人に嫌なことをされる」など、先生や親には話しにくい相談に法務局の職員や人権擁護委員が応じます。
0120・007・110=平日の午前8時半~午後5時15分
・まもろうよ こころ(https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/soudan/sns/)
さまざまな悩みについて、LINEやチャットで相談を受けている団体を紹介する厚生労働省のサイトです。年齢や性別を問わず、自分に合った団体を探せます。
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悩みを抱えた当事者や支援者への情報のほか、相談機関を紹介した毎日新聞の特設ページです。