静岡県に寄せられたインターネット通販に関する消費生活相談が2022年度は7457件に上り、18年度から1・5倍に増加した。分かりづらい購入システムや商品説明によるトラブルが多く、法規制などでの消費者の保護が追いつかない現状もある。ネット通販の専門家は、購入時の慎重な確認を呼びかけている。【丘絢太】
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県民生活課によると、22年度の消費生活相談2万6109件のうち、ネット通販関連は約3割に上る。ネット広告関連の相談も3388件で18年度の約2倍に、SNS(ネット交流サービス)関連は2074件と約3倍に増えた。県の担当者は増加の要因として、コロナ禍によるネット通販の利用の拡大を挙げる。
とりわけ、消費者を誤認させるような広告に関する相談が多い。例えば、健康食品の通販サイトなどで、実際は定期購入や複数回の契約であるにもかかわらず、「初回500円」「お試し無料」などと表示されているケースだ。
「解約」の難しさも問題だ。誤って契約したことに気づいても、「解約方法は電話のみ」と手段を限定していることが少なくない。県によると「事業者に電話がつながりにくい」といった相談が多いという。諦めずに電話をかけ続けてつながっても、購入費用の一部を請求されるケースもある。
通販を規制する特定商取引法では、事業者は取引における基本的な事項を注文の最終確認画面で明示することが義務付けられている。具体的な項目は(1)商品の分量(2)販売価格(2回目以降の代金)(3)支払いの時期・方法(4)(商品の)引き渡し・提供時期(5)申し込みの撤回・解約方法――など。
特商法やネット広告の表示に詳しい成真海弁護士は、「初回500円」などの広告を見たときには「定期購入や解約の条件などを入念に確認してほしい」と呼びかける。対策として最終確認画面のスクリーンショットを保存することを勧める。必要な事項が記載されていなければ取引を取り消せることもあるという。
トラブルの拡大の裏には行政による対策の難しさもある。問題のあるサイトがあっても、業者への行政処分には時間を要する。成弁護士は事業者が解約に応じないなど悪質なケースでは、「すぐに行政が介入できるような法制度の整備が必要」と指摘している。