今年9月、新潟市の佐藤耕一市議(66)が知人女性の自宅周辺をくり返しうろついたとして、ストーカー規制法違反容疑で逮捕・略式起訴された。佐藤市議は当選3回、PTA会長も務めた名士で地元では驚きの声が上がったのだが、これは氷山の一角で、彼にはまだ「余罪」があるという証言がFRIDAYに寄せられた。
「今回立件されたのは付きまとい行為でしたが、私は彼に2年にもわたってあらゆる方法で嫌がらせをされました」
怒りの声の主は、佐藤市議にストーカー行為された被害女性。40代美容サロン経営者のA子さんである。
「ことの発端は’20年の12月にさかのぼります。まず初めに私の知人男性Bの自宅に動画をキャプチャした写真が送られてきました。Bの奥さん宛で、回転寿司店から私とBが出てくる写真に、『不貞行為です』と定規で描いたような文字の手紙が添えられていました。彼とは仕事の打ち合わせをしていただけなのに……」
その後、この件について相談するためにBさんと会った際も写真を撮られ、″不貞行為″の証拠としてBさん宅に送付された。
「’21年4月になると″監視″のレベルが上がりました。私が車で訪れた場所が写真つきで記録され、テプラで作った『検証してください』という文字と共にBの家に送られるようになったのです。買い物に出かけたり、彼氏と会ったりした日時と場所が細かく時系列でまとめられた、探偵が作る調査レポートのようなものでした。ある時、車の後ろからカタカタと変な音がするのに気づいて覗き込んでみたら、黒い機械がテープで貼り付けてあって……。警察を呼んで調べてもらったら、GPSだったんです」
それでも、A子さんは「犯人の心当たりは全くなかった」という。やがてA子さんが経営する美容サロンまでもが嫌がらせの対象となった。
「私が違法営業していると保健所に通報されたのです。そのたびに調査で営業停止になりました。一ヵ月間で3回も通報があり、頭を抱えました」
誰がなんのために――。2年に及ぶ嫌がらせで精魂尽き果てたA子さんだったが、今年6月、ひょんなことから犯人特定への手がかりが得られた。
「知人Bに、例の怪文書が三日連続で届き、彼の職場にも初めて届いたのですが、その差出人が『新潟県環境衛生課』となっていた。サロンを管轄する部署だったので、一連の嫌がらせは同一人物の犯行なのではないかとピンと来たのです」
A子さんは新潟警察署に、保健所に通報した人物の開示を請求。その情報をもとに捜査が行われ、逮捕されたのが「佐藤耕一」だった。
「佐藤は私が副業でバイトしていたコンビニのオーナーの旦那さんでした。一瞬誰だか分からなかったくらい接点がなかったので驚きました。その後、検事さんや警察と話す中で佐藤が複数回にわたり私の家の周りをうろついており、’20年の7月から1年間、探偵を使って私を監視していたことを知りました」
佐藤市議が取り調べに対して「A子さんは明るく挨拶してくれるので、自分に好意があると思ったため、私生活に興味を持って探偵をつけた」と供述していたと聞いて呆(あき)れたという。
「私は今回のストーカー被害により転居を余儀なくされましたし、サロンも大きな損害を受けました。何より怖くて仕方なかった。佐藤市議からは謝罪もありませんし、彼は議員はやめないと言っている。反省していないとしか思えません」
A子さんの告発が事実なら、佐藤市議に議員を続ける資格はないだろう。一連の疑惑に対し、佐藤市議はこう反論した。
「8月にA子さんの自宅付近を訪れたのは事実ですが、買い物の途中に車で通りかかっただけ。探偵をつけたり、知人に手紙を送ったというのも事実無根。探偵の共犯者がいるというのも、A子さんの勘違いなんじゃないかな。A子さんのサロンが違法営業をしているという噂は耳にしましたが……私は保健所に通報していません。逮捕後、謝罪したいと弁護士に伝えましたが、A子さんから拒否されました。A子さんは一生懸命仕事していたので応援したいですし、それは今も変わりません。ただ、ここまで事実と異なることを言われて、逆に怖いです」
佐藤市議の弁を聞いたA子さんは深いため息をつき、こう決意を述べた。
「私は全て証拠や証言をもとにお話ししています。近く、民事訴訟を起こし、責任を追及するつもりです」
『FRIDAY』2022年11月11日号より