10月21日、良いニュースが飛び込んできました。秋篠宮ご夫妻の長女、小室眞子さんの夫の小室圭さんが米ニューヨーク(NY)州の弁護士試験に合格したと報じられました。小室さんは2021年7月と今年2月の試験で不合格となり、7月に3回目の挑戦をしていました。努力の末に合格したことに対し、国内外から多くの祝福の声が寄せられました。
同時に報じられたのがNY州弁護士の年収が「新人ですら3千万円に達する」との識者の声でした。平均年収が400万円台にまで落ち込んでいる一般の日本人にとっては夢のような収入に見えますが、本当にそんなに儲かるのでしょうか? そもそも合格はどのくらい難しいのでしょうか? 年収3千万円ではニューヨークではどの程度の豊かさを享受できるのでしょうか?
NY州弁護士の資格を持つ専門家やマンハッタンの不動産専門家に聞きました。
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日本人にとっての難易度は「日本の司法試験」以上の声もNY州弁護士試験の難易度については、「日本の司法試験とは比べ物にならないほど簡単だ」「運転免許や宅建レベルで難関とまではいえない」などという声が一部にありましたが、本当にそのくらいの水準の試験なのでしょうか。「NY州弁護士の試験に合格するのは決して簡単ではない。英語が母国語ではない日本人にとっては、日本の司法試験よりもむしろ難しい」国際取引や国際紛争などに強い栗林総合法律事務所の栗林勉・代表弁護士は試験の実態を解説します。同氏は日本の司法試験を突破し、弁護士資格を取得。その後、NY州弁護士の資格も取得しましたが、問題量の多さや英文の解釈などで四苦八苦したといいます。外国人には門戸が狭い…予備校で寝食問わず勉強NY州弁護士の合格率が6割程度と比較的高いことを難易度が低い理由とする向きもありますが、日本の資格試験で最難関とされる日本の司法試験の合格率も45%程度(2022年)に達しています。日本の司法試験を受験するには予備試験に合格するか、法科大学院を修了するかが必要です。予備試験は合格率数%の難関ですが、法科大学院を修了する方法もあるわけです。栗林弁護士は「法科大学院を修了するには時間とお金がかかるだけに、司法試験の受験者はどんどん減っている」と指摘。「今も難関であることに変わりはないが、かつてに比べて競争率が下がり、米国の司法試験より難しいとは言えない」と言います。Photo by iStock ニューヨーク州弁護士になるためには筆記試験、択一試験を2日にわたって受験する必要があります。択一試験が憲法、民法、刑法といった主要科目8科目、筆記試験では択一試験の科目に信託法、家族法、会社法等の7科目が加わり全部で15科目から6問が出題されるそうです。神戸市の法律事務所の弁護士(NY州弁護士資格を保有)によると、「試験は1時間半の間に20ページ近くある問題文を迅速に読み解き、大量の解答を書かねばならず、英語を母国語としない外国人の合格率は非常に低い」と言います。小室さんと同じように、3回目でNY州弁護士に合格したある日本人弁護士は「ロースクールの勉強だけでは受からず、多くの人が受験のための予備校(BARBRI)で寝食を惜しんで勉強をしている」と受験の厳しさを明かします。特に日本では学力を審査しないアドミッション・オフィス(AO)入試を導入する大学が増えています。AO入試だけで大学に入学し、「一般入試を経験していない人は、大量の択一問題を短時間で回答する米国の弁護士試験にはなかなか合格しにくい」(同氏)ようです。報酬3千万円以上は「あくまで大手事務所の話」大変な思いをして勝ち取った「NY州弁護士」という肩書ですが、合格後は「ご褒美」も待っているようです。一部では「年収3千万円もの高額収入が保証されている」と報じられました。日本の弁護士の平均年収が1000万円程度ですから、にわかに信じがたい金額です。ただ、栗林弁護士は「ニューヨークのような大きな州の大手弁護士事務所であれば、新人でも十分可能だ」と話します。小室さんが就職したとされるローウェンスタインサンドラー法律事務所は最大手とはいえませんが、大手ではありますので「新人でも年収3千万円」は可能な数字です。今後の仕事の実績によっては、さらなる年収の上積みも期待できます。もちろん、大きな法律事務所に就職するには米ハーバード大学など優秀な大学で上位の成績を収めるなど、「高い能力がある」「将来有望だ」と評価される必要があります。大手に評価されずに、小さな事務所に所属すると、年収も数分の1以下に下がってしまうため、米国人は大学入学後も必死に勉強するわけです。 日本人の弁護士に期待される「仕事」とは?弁護士というと、海外の法廷ドラマで見るような裁判所での検事との丁々発止のやり取りが思い起こされます。しかし、ネイティブスピーカーでない日本人にそんなことが簡単にできるのでしょうか。日本人のNY州弁護士に期待される仕事とは具体的にどんなものなのでしょうか。栗林弁護士は、日本人弁護士に期待される仕事について「法廷での活躍というより、営業マンのような役割が中心だ」と話します。法廷に立つことがないわけではないが、クライアント獲得のための営業の方が重要というわけです。米国の法律も日本と同様、国内外の情勢によって毎年、細かく変わります。例えば、ロシアのウクライナ侵攻への金融制裁などが発動されれば、日本も外国為替及び外国貿易法(外為法)などで対応しなければならなくなります。このため、日本の財務省など官庁や日本企業も現地の弁護士事務所の法律関係の詳細なレポートが必要です。日本企業の国際取引や金融取引の際にも詳細な法律の知識が必要になります。日本人のNY州弁護士は、日本大使館や日本企業の現地法人などと太いパイプをつくり、新たな仕事をとってくるわけです。こうした営業活動がうまくいけば、年収3千万円とはいわず、さらなる年収アップも期待できます(ただし競争が厳しいため、うまくいかないと早期に失職することもあります)。物価高騰、治安悪化で年収3千万でもパラダイスではない現実とはいえ、米国では高いインフレ率が続いており、生活費も高騰しています。ニューヨークで大手不動産会社のダグラス・エリマンに勤務するSetsuko Hattoriさんは「マンハッタンのレンタル市場は10月でピークを過ぎたものの、室内洗濯・乾燥機付きの1ベッドルームでも4500ドル(70万円弱)からで、新築物件や良い立地の場合は5500ドル~6400ドル(80万~95万円)はかかってしまう」と話します。Photo by iStock 生活費も急上昇しており、「レストランの安価なランチでもチップや税金を含めると30ドルを超える」(Hattoriさん)そうです。家主は家賃の最低40倍を年収として求めるのが一般的で、20万ドル(約3千万円)の場合、最高でも家賃約5000ドルの物件にしか住めないそうです。さらに、足元でNY市民の心配のタネとなっているのが治安の悪化です。Hattoriさんは「今はマンハッタンの高級住宅街ですらナイフを使った店舗強盗が日常的に起こっている。ドラッグストアではシャンプー、薬などの棚はプラスチックのカバーと鍵がかかっていて店員を毎回探して開錠してもらわなければならない」と訴えます。マンハッタン在住で年収3千万円といっても、物価高騰と治安悪化を考えると、「夢のような高収入、パラダイス生活」とまではいかないのかもしれません。
NY州弁護士試験の難易度については、「日本の司法試験とは比べ物にならないほど簡単だ」「運転免許や宅建レベルで難関とまではいえない」などという声が一部にありましたが、本当にそのくらいの水準の試験なのでしょうか。
「NY州弁護士の試験に合格するのは決して簡単ではない。英語が母国語ではない日本人にとっては、日本の司法試験よりもむしろ難しい」
国際取引や国際紛争などに強い栗林総合法律事務所の栗林勉・代表弁護士は試験の実態を解説します。同氏は日本の司法試験を突破し、弁護士資格を取得。その後、NY州弁護士の資格も取得しましたが、問題量の多さや英文の解釈などで四苦八苦したといいます。
NY州弁護士の合格率が6割程度と比較的高いことを難易度が低い理由とする向きもありますが、日本の資格試験で最難関とされる日本の司法試験の合格率も45%程度(2022年)に達しています。
日本の司法試験を受験するには予備試験に合格するか、法科大学院を修了するかが必要です。予備試験は合格率数%の難関ですが、法科大学院を修了する方法もあるわけです。栗林弁護士は「法科大学院を修了するには時間とお金がかかるだけに、司法試験の受験者はどんどん減っている」と指摘。「今も難関であることに変わりはないが、かつてに比べて競争率が下がり、米国の司法試験より難しいとは言えない」と言います。
Photo by iStock
ニューヨーク州弁護士になるためには筆記試験、択一試験を2日にわたって受験する必要があります。択一試験が憲法、民法、刑法といった主要科目8科目、筆記試験では択一試験の科目に信託法、家族法、会社法等の7科目が加わり全部で15科目から6問が出題されるそうです。神戸市の法律事務所の弁護士(NY州弁護士資格を保有)によると、「試験は1時間半の間に20ページ近くある問題文を迅速に読み解き、大量の解答を書かねばならず、英語を母国語としない外国人の合格率は非常に低い」と言います。小室さんと同じように、3回目でNY州弁護士に合格したある日本人弁護士は「ロースクールの勉強だけでは受からず、多くの人が受験のための予備校(BARBRI)で寝食を惜しんで勉強をしている」と受験の厳しさを明かします。特に日本では学力を審査しないアドミッション・オフィス(AO)入試を導入する大学が増えています。AO入試だけで大学に入学し、「一般入試を経験していない人は、大量の択一問題を短時間で回答する米国の弁護士試験にはなかなか合格しにくい」(同氏)ようです。報酬3千万円以上は「あくまで大手事務所の話」大変な思いをして勝ち取った「NY州弁護士」という肩書ですが、合格後は「ご褒美」も待っているようです。一部では「年収3千万円もの高額収入が保証されている」と報じられました。日本の弁護士の平均年収が1000万円程度ですから、にわかに信じがたい金額です。ただ、栗林弁護士は「ニューヨークのような大きな州の大手弁護士事務所であれば、新人でも十分可能だ」と話します。小室さんが就職したとされるローウェンスタインサンドラー法律事務所は最大手とはいえませんが、大手ではありますので「新人でも年収3千万円」は可能な数字です。今後の仕事の実績によっては、さらなる年収の上積みも期待できます。もちろん、大きな法律事務所に就職するには米ハーバード大学など優秀な大学で上位の成績を収めるなど、「高い能力がある」「将来有望だ」と評価される必要があります。大手に評価されずに、小さな事務所に所属すると、年収も数分の1以下に下がってしまうため、米国人は大学入学後も必死に勉強するわけです。 日本人の弁護士に期待される「仕事」とは?弁護士というと、海外の法廷ドラマで見るような裁判所での検事との丁々発止のやり取りが思い起こされます。しかし、ネイティブスピーカーでない日本人にそんなことが簡単にできるのでしょうか。日本人のNY州弁護士に期待される仕事とは具体的にどんなものなのでしょうか。栗林弁護士は、日本人弁護士に期待される仕事について「法廷での活躍というより、営業マンのような役割が中心だ」と話します。法廷に立つことがないわけではないが、クライアント獲得のための営業の方が重要というわけです。米国の法律も日本と同様、国内外の情勢によって毎年、細かく変わります。例えば、ロシアのウクライナ侵攻への金融制裁などが発動されれば、日本も外国為替及び外国貿易法(外為法)などで対応しなければならなくなります。このため、日本の財務省など官庁や日本企業も現地の弁護士事務所の法律関係の詳細なレポートが必要です。日本企業の国際取引や金融取引の際にも詳細な法律の知識が必要になります。日本人のNY州弁護士は、日本大使館や日本企業の現地法人などと太いパイプをつくり、新たな仕事をとってくるわけです。こうした営業活動がうまくいけば、年収3千万円とはいわず、さらなる年収アップも期待できます(ただし競争が厳しいため、うまくいかないと早期に失職することもあります)。物価高騰、治安悪化で年収3千万でもパラダイスではない現実とはいえ、米国では高いインフレ率が続いており、生活費も高騰しています。ニューヨークで大手不動産会社のダグラス・エリマンに勤務するSetsuko Hattoriさんは「マンハッタンのレンタル市場は10月でピークを過ぎたものの、室内洗濯・乾燥機付きの1ベッドルームでも4500ドル(70万円弱)からで、新築物件や良い立地の場合は5500ドル~6400ドル(80万~95万円)はかかってしまう」と話します。Photo by iStock 生活費も急上昇しており、「レストランの安価なランチでもチップや税金を含めると30ドルを超える」(Hattoriさん)そうです。家主は家賃の最低40倍を年収として求めるのが一般的で、20万ドル(約3千万円)の場合、最高でも家賃約5000ドルの物件にしか住めないそうです。さらに、足元でNY市民の心配のタネとなっているのが治安の悪化です。Hattoriさんは「今はマンハッタンの高級住宅街ですらナイフを使った店舗強盗が日常的に起こっている。ドラッグストアではシャンプー、薬などの棚はプラスチックのカバーと鍵がかかっていて店員を毎回探して開錠してもらわなければならない」と訴えます。マンハッタン在住で年収3千万円といっても、物価高騰と治安悪化を考えると、「夢のような高収入、パラダイス生活」とまではいかないのかもしれません。
ニューヨーク州弁護士になるためには筆記試験、択一試験を2日にわたって受験する必要があります。択一試験が憲法、民法、刑法といった主要科目8科目、筆記試験では択一試験の科目に信託法、家族法、会社法等の7科目が加わり全部で15科目から6問が出題されるそうです。
神戸市の法律事務所の弁護士(NY州弁護士資格を保有)によると、「試験は1時間半の間に20ページ近くある問題文を迅速に読み解き、大量の解答を書かねばならず、英語を母国語としない外国人の合格率は非常に低い」と言います。
小室さんと同じように、3回目でNY州弁護士に合格したある日本人弁護士は「ロースクールの勉強だけでは受からず、多くの人が受験のための予備校(BARBRI)で寝食を惜しんで勉強をしている」と受験の厳しさを明かします。特に日本では学力を審査しないアドミッション・オフィス(AO)入試を導入する大学が増えています。AO入試だけで大学に入学し、「一般入試を経験していない人は、大量の択一問題を短時間で回答する米国の弁護士試験にはなかなか合格しにくい」(同氏)ようです。
大変な思いをして勝ち取った「NY州弁護士」という肩書ですが、合格後は「ご褒美」も待っているようです。一部では「年収3千万円もの高額収入が保証されている」と報じられました。日本の弁護士の平均年収が1000万円程度ですから、にわかに信じがたい金額です。
ただ、栗林弁護士は「ニューヨークのような大きな州の大手弁護士事務所であれば、新人でも十分可能だ」と話します。小室さんが就職したとされるローウェンスタインサンドラー法律事務所は最大手とはいえませんが、大手ではありますので「新人でも年収3千万円」は可能な数字です。今後の仕事の実績によっては、さらなる年収の上積みも期待できます。
もちろん、大きな法律事務所に就職するには米ハーバード大学など優秀な大学で上位の成績を収めるなど、「高い能力がある」「将来有望だ」と評価される必要があります。大手に評価されずに、小さな事務所に所属すると、年収も数分の1以下に下がってしまうため、米国人は大学入学後も必死に勉強するわけです。
日本人の弁護士に期待される「仕事」とは?弁護士というと、海外の法廷ドラマで見るような裁判所での検事との丁々発止のやり取りが思い起こされます。しかし、ネイティブスピーカーでない日本人にそんなことが簡単にできるのでしょうか。日本人のNY州弁護士に期待される仕事とは具体的にどんなものなのでしょうか。栗林弁護士は、日本人弁護士に期待される仕事について「法廷での活躍というより、営業マンのような役割が中心だ」と話します。法廷に立つことがないわけではないが、クライアント獲得のための営業の方が重要というわけです。米国の法律も日本と同様、国内外の情勢によって毎年、細かく変わります。例えば、ロシアのウクライナ侵攻への金融制裁などが発動されれば、日本も外国為替及び外国貿易法(外為法)などで対応しなければならなくなります。このため、日本の財務省など官庁や日本企業も現地の弁護士事務所の法律関係の詳細なレポートが必要です。日本企業の国際取引や金融取引の際にも詳細な法律の知識が必要になります。日本人のNY州弁護士は、日本大使館や日本企業の現地法人などと太いパイプをつくり、新たな仕事をとってくるわけです。こうした営業活動がうまくいけば、年収3千万円とはいわず、さらなる年収アップも期待できます(ただし競争が厳しいため、うまくいかないと早期に失職することもあります)。物価高騰、治安悪化で年収3千万でもパラダイスではない現実とはいえ、米国では高いインフレ率が続いており、生活費も高騰しています。ニューヨークで大手不動産会社のダグラス・エリマンに勤務するSetsuko Hattoriさんは「マンハッタンのレンタル市場は10月でピークを過ぎたものの、室内洗濯・乾燥機付きの1ベッドルームでも4500ドル(70万円弱)からで、新築物件や良い立地の場合は5500ドル~6400ドル(80万~95万円)はかかってしまう」と話します。Photo by iStock 生活費も急上昇しており、「レストランの安価なランチでもチップや税金を含めると30ドルを超える」(Hattoriさん)そうです。家主は家賃の最低40倍を年収として求めるのが一般的で、20万ドル(約3千万円)の場合、最高でも家賃約5000ドルの物件にしか住めないそうです。さらに、足元でNY市民の心配のタネとなっているのが治安の悪化です。Hattoriさんは「今はマンハッタンの高級住宅街ですらナイフを使った店舗強盗が日常的に起こっている。ドラッグストアではシャンプー、薬などの棚はプラスチックのカバーと鍵がかかっていて店員を毎回探して開錠してもらわなければならない」と訴えます。マンハッタン在住で年収3千万円といっても、物価高騰と治安悪化を考えると、「夢のような高収入、パラダイス生活」とまではいかないのかもしれません。
弁護士というと、海外の法廷ドラマで見るような裁判所での検事との丁々発止のやり取りが思い起こされます。しかし、ネイティブスピーカーでない日本人にそんなことが簡単にできるのでしょうか。日本人のNY州弁護士に期待される仕事とは具体的にどんなものなのでしょうか。
栗林弁護士は、日本人弁護士に期待される仕事について「法廷での活躍というより、営業マンのような役割が中心だ」と話します。法廷に立つことがないわけではないが、クライアント獲得のための営業の方が重要というわけです。
米国の法律も日本と同様、国内外の情勢によって毎年、細かく変わります。例えば、ロシアのウクライナ侵攻への金融制裁などが発動されれば、日本も外国為替及び外国貿易法(外為法)などで対応しなければならなくなります。このため、日本の財務省など官庁や日本企業も現地の弁護士事務所の法律関係の詳細なレポートが必要です。日本企業の国際取引や金融取引の際にも詳細な法律の知識が必要になります。
日本人のNY州弁護士は、日本大使館や日本企業の現地法人などと太いパイプをつくり、新たな仕事をとってくるわけです。こうした営業活動がうまくいけば、年収3千万円とはいわず、さらなる年収アップも期待できます(ただし競争が厳しいため、うまくいかないと早期に失職することもあります)。
とはいえ、米国では高いインフレ率が続いており、生活費も高騰しています。ニューヨークで大手不動産会社のダグラス・エリマンに勤務するSetsuko Hattoriさんは「マンハッタンのレンタル市場は10月でピークを過ぎたものの、室内洗濯・乾燥機付きの1ベッドルームでも4500ドル(70万円弱)からで、新築物件や良い立地の場合は5500ドル~6400ドル(80万~95万円)はかかってしまう」と話します。
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生活費も急上昇しており、「レストランの安価なランチでもチップや税金を含めると30ドルを超える」(Hattoriさん)そうです。家主は家賃の最低40倍を年収として求めるのが一般的で、20万ドル(約3千万円)の場合、最高でも家賃約5000ドルの物件にしか住めないそうです。さらに、足元でNY市民の心配のタネとなっているのが治安の悪化です。Hattoriさんは「今はマンハッタンの高級住宅街ですらナイフを使った店舗強盗が日常的に起こっている。ドラッグストアではシャンプー、薬などの棚はプラスチックのカバーと鍵がかかっていて店員を毎回探して開錠してもらわなければならない」と訴えます。マンハッタン在住で年収3千万円といっても、物価高騰と治安悪化を考えると、「夢のような高収入、パラダイス生活」とまではいかないのかもしれません。
生活費も急上昇しており、「レストランの安価なランチでもチップや税金を含めると30ドルを超える」(Hattoriさん)そうです。家主は家賃の最低40倍を年収として求めるのが一般的で、20万ドル(約3千万円)の場合、最高でも家賃約5000ドルの物件にしか住めないそうです。
さらに、足元でNY市民の心配のタネとなっているのが治安の悪化です。Hattoriさんは「今はマンハッタンの高級住宅街ですらナイフを使った店舗強盗が日常的に起こっている。ドラッグストアではシャンプー、薬などの棚はプラスチックのカバーと鍵がかかっていて店員を毎回探して開錠してもらわなければならない」と訴えます。マンハッタン在住で年収3千万円といっても、物価高騰と治安悪化を考えると、「夢のような高収入、パラダイス生活」とまではいかないのかもしれません。