福岡・北九州市で中学生2人が殺傷された事件で20日、容疑者の男が送検された。なぜ凶行に及んだのか。捜査の最大の焦点は動機の解明となっている。
FNNが、事件後に3日間出前を続けた業者を取材したところ、いつもと違う男の様子が見えてきた。
福岡・小倉南署で、カメラを一瞬見て視線をそらし、ゆっくりと車に乗り込んだ男。
北九州市で2人の中学生が殺傷された事件で、殺人未遂の疑いで逮捕された平原政徳(ひらばる・まさのり)容疑者(43)だ。
動機が明らかにならない中、取材を進めると、平原容疑者の家族関係に今年、変化が生じていた可能性があることがわかった。
先週土曜日(14日)の夜、北九州市内にあるマクドナルドで、中学3年の中島咲彩さんが刃物で刺され死亡、一緒にいた男子中学生も重傷を負った。
事件発生から5日たった19日、平原容疑者が男子生徒への殺人未遂容疑で逮捕された。
現場となったマクドナルドから900メートルほどの場所にある一軒家に1人で住んでいた平原容疑者。
近隣住民は、平原容疑者について「日頃からですね、大声で怒鳴っている。カラオケを今年になって買って大音量で歌っている」、「お経みたいな歌のときもある。なんか軍歌みたいな。夜中に流れている」と話す。
一軒家に暮らし、“騒音トラブル”を繰り返していた平原容疑者。
近隣住民は、容疑者の家族関係について、次のように話した。
近隣住民:とにかく汚い言葉ですよね、『きさま』とか『おまえ』とか。
ーー(記者)誰に対してですか?近隣住民:(平原容疑者の)奥さんですね。おとなしそうな感じのいい奥さんでしたけどね。
ーー(記者)被害に遭われたお子さん、中学校3年生じゃないですか。容疑者の娘もそれに近い?近隣住民:同じくらいじゃないですかね。そこは定かではないです。
(平原容疑者の家族関係について)近隣住民:子どもが出入りしていたような感じがする、(10代の)僕らぐらいの。最近はなかったけど、ちょっと前まで。
一軒家に妻と子どもと暮らしていたのだろうか?しかし数カ月前に変化が…。
容疑者を知る人:怒鳴り声がなくなったから。奥さんたちがどっかに行ったのか、前はちゃんと生活感があったし…。
ーー(記者)生活感がなくなった?容疑者を知る人:うん。
容疑者を知る人:最初は家族3人だったよ。そのあと1人になったから、どうなったかは分かんない。
事件後に平原容疑者と会話したという男性は、「普通じゃない。全然一言もしゃべらないし。たいがい普通のお客さんは、何か返ってくるんです、返事とか。何もないから、ちょっとおかしいなぁと。『本当に犯人なんじゃないか』って」と話した。
調べに対し、「確かにその行為をしました」などと供述し、容疑を認めている平原容疑者。取り調べ中、警察官に対し激高することもあるという。
事件直前の様子も明らかになってきた。平原容疑者は事件の15分ほど前に、店舗の駐車場に黒のワンボックスカーで到着していたとみられている。
捜査関係者によると、事件の直前には同じ車両とみられる車が現場周辺を周回している様子が防犯カメラに映っていたという。
警察は、平原容疑者が事前に店内の様子を確認するなど、犯行の機会をうかがっていた可能性があるとみている。
またワンボックスカーからは複数の刃物が押収されていて、そのうちのいずれかが凶器の可能性があるとみて鑑定を進めている。(「イット!」12月20日放送より)