ネットでひっそりと話題になっている「アパホテルのデイユース」。「西日本最強のアパホテル」と呼び声も高い「アパホテル&リゾート〈大阪なんば駅前タワー〉」で検証します(筆者撮影)
【画像を見る】眺望抜群の屋上におしゃれなバー、定番のアパカレー。筆者の「西日本最強のアパ」デイユースの様子はこんな感じ
現役ウーバー配達員で“肉体派ライター”の佐藤大輝氏があらゆるモノやサービスを検証。机上ではわからない「本気の現場レビュー」を届けます。第10回はアパホテルのデイユース。
ホテル業界の「インバウンド客増」の動きが止まらない。観光庁が発表した「宿泊旅行統計調査」によると、2025年6月の日本人延べ宿泊者数は3533万人泊(前年同月比-5.1%)。外国人延べ宿泊者数は1412万人(前年同期比+5.3%)。これはつまり日本人延べ宿泊者数は約190万人減少したが、外国人延べ宿泊者数は約70万人増加したことを意味する。
この期間以前も「日本人減・外国人増」の傾向は鮮明で、日本人宿泊者は10カ月連続で、前年同期比を下回り続けている。しかし誰もがストレスを抱えている通り、国内ホテルの宿泊代は高止まりしたままだ。ホテル代があまりに高過ぎるため、ホテルを検索するときにドンヨリした気持ちに襲われるのは、おそらく筆者だけではないだろう。
ジワジワと国全体が貧乏になっている、そんな感覚が拭えない今、ネットでひっそりと話題になっているのが「アパホテルのデイユース」だ。SNSには「格安で旅行気分を味わえる」「カップル利用に最適。無人チェックインもありがたい」「1.5泊利用したいときに使ってる」など、利用者からの肯定的な投稿が目立つ。
ホテルのデイユースでは部屋に宿泊せず、日中に一定時間だけ部屋を借りて利用する。コロナ渦ではリモートワーカーたちが「家だと集中できない」「疲れたら横になれるし温泉にも入れる」「ネットカフェより快適」などの理由で利用。ホテル側にも空室を有効活用できるメリットがあった。
けれどアフターコロナ後、業界全体の需要回復に伴い、デイユースの提供を取りやめるホテルが続出。利用料金も高騰。コロナ渦では「1名利用・6時間・3000円」といったプランがザラにあったが、現在は5000~7000円ほどに値上がりしている。
それでもアパホテルはデイユースプランを続けている。利用者が今も絶えないということは、もしかしてお値段以上の価値があるということなのか……?
これは検証するしかない!
今回私は公式サイトから「アパホテル&リゾート〈大阪なんば駅前タワー〉」の「湯ったり日帰りプラン」を予約した。13~19時の計6時間利用で、料金は税込み6000円。
同ホテルは2024年12月に開業した超高層タワーホテルで、地上40階建て。西日本最大客室数となる2055室を有しており、「西日本最強のアパホテル」という呼び声も高い。
高級ホテルのような入り口(筆者撮影)
デイユースプランには8~13時。11~17時のプランもあった(価格は税込み6000円)。11~19時の8時間プランもあり、こちらは+1000円。神戸牛などを楽しめるランチビュッフェ付きのプランは+3190円。選べるディナーメニューの付いたプランは+2750円(チェックアウト後のレストラン利用可)。
なお2名利用の場合は1名利用よりも「お得」で、例えば私が予約したプランは税込み8000円(1名あたり4000円)で利用でき、2000円安くなる。
いつの日か地上50階の日本最高層ホテル「東京ベイ幕張」や、1棟の建物としては日本最大「横浜ベイタワー」にも行ってみたいなと思いながら、今回私はお一人様&全国のビジネスパーソンを代表する気構えで、大阪難波を目指し……たかったが、よもやよもやの体調不良のため、前日にキャンセル(キャンセル料は無料だった)。
「私みたいにドタキャンする客もいるはずなのに、53年連続で黒字経営ってすごいなぁ」「アパって全国で907ホテル。海外ではラグジュアリー路線で、北米で約50ホテルを展開してるのか」
ベッドで横になりながら、私は公式サイトでアパホテルについて学んだ。そして体調が回復した翌週に再予約。大阪難波駅に到着すると、改札を出て2、3分もしない内に「APA」と書かれた高層ビルが見えてきた。
ホテル外観(筆者撮影)
入り口の自動扉を入った瞬間、「あ、すみません。入るホテルを間違えました」と方向転換しそうになるほど、ロビーの造りは豪華絢爛。天井からはシャンデリアが5個以上ぶら下がっており、インフォーメーション用の看板には「1F カフェ&バー」「2F バー&レストラン」「4F セブン-イレブン」「40F スカイプール」など、アパっぽくない情報で溢れている。
1階ロビー(筆者撮影)
1階ロビー看板(筆者撮影)
鼻息の荒いままセルフチェックイン機(10台以上設置されていた)の前に立ち、予約時に発行されたQRコードをかざすと……カードキーと共に、2階にあるバー&レストラン『17 CLUB』で利用できる「1000円以上の利用で1杯ドリンクサービス券」が発行された。まじかよアパホテル。神サービス過ぎるだろ!?
私は部屋に荷物を置くことすら忘れて、テンション上げ上げでホテル内の冒険を開始。おしゃれな飲食店や手荷物一時預かり所など、充実したサービスに度肝を抜かれたが、最も感動したのは40階にある屋上展望台(スカイプール)。京セラドームや梅田の高層ビルなど、大阪市街を一望することができる展望台は、なんと入場料が無料。ベンチも設置されており、平日の昼過ぎだったこともあるせいか、私は展望台からの絶景を独り占め。
【画像を見る】眺望抜群の屋上におしゃれなバー、定番のアパカレー。筆者の「西日本最強のアパ」デイユースの様子はこんな感じ
心のモンダミンを行うには最適な空間(筆者撮影)
結局、チェックインから1時間が経ってから、私は19階にある自分の部屋に入室。室内はベッドにコンパクトな机といす、ユニットバスなど「いつものアパ」という感じで、ここに感動はなかったが、私はアパに宿泊する際「寝るだけ」といった使い方が多いので、「さて、今から何をしよう」といった使い方は新鮮に感じた。
お腹の虫が暴れていた私は、1階ロビーのカフェ&バーで「アパ社長カレー」のカツカレー(税込み1550円)を注文。揚げたてサクサクのロースカツに、濃いめの味付けのカレーが絶妙にマッチ。至福の時間を過ごした。
食後は部屋に戻り、アパホテル社長・元谷芙美子氏(いつもトレードマークの帽子を着用している)が書いた『強運』という本を興味深く読んだ。デイユースを始めた経緯についても書かれており、元谷氏の「ママさんたちに昼間の時間、ホテルでゆったりくつろいでもらったらどうだろうか?」というアイデアから始まったそうだ。
読んでいるうちに、気が付いたらベッドで寝落ち。30分ほど昼寝を楽しんだ。
「やべっ。もう16時過ぎ、残り時間は半分だ。このままリフレッシュに全振りするのもアリだけど、デイユースが仕事に向いてるかどうかも検証しておくか……」
私は机に入っていたスティックコーヒーを取り出し、廊下にある給水機のお湯を入れてから、部屋で1時間ほど原稿と向き合った。その結果、「普通に仕事できる環境だな」という感想を抱いた。アパは東京駅や大阪駅、博多駅や仙台駅など、国内の主要駅前の好立地に位置しているケースがほとんどだ。リモートワークなど仕事だけを目的に、デイユースを利用するのは割高に感じるかもしれないが、リフレッシュを兼ねた「二刀流」の使い方であれば正直かなりアリだと思う。
ということで、いよいよデイユースもクライマックス。私は部屋のタオルを持って、ウキウキしながら大浴場へ。
(アパ公式サイトよりスクショ)
広々とした更衣室には、ドライヤーが10台ほど、化粧水や綿棒なども置かれていた。鍵付きロッカーの数も申し分ない。トイレも付いてるし、給水機もあるし、自販機には牛乳もある。3台ほど洗濯乾燥機もあった(廊下にはアイスの自販機もあった)。
水着で入浴しているインバウンド外国人も散見される中、私は手拭いを肩に掛け、ジャパニーズスタイルで大浴場へ。洗い場は全部で40席ほどあり、ジェットバスや寝転び湯。15.8℃の水風呂。41.5℃の湯船に39℃の湯船。青々とライトアップされたマイクロバブルバス。非常に充実した設備内容でビックリ仰天。
サウナも期待以上だ。20人は余裕で収容できるであろう空間には、自動式のロウリュウ設備が付いている。さらに88℃に設定されたサウナを出て、10歩圏内に水風呂があるという効率設計。整うためのベンチも5台以上も設置されており、週1回ペースでサウナに通っている「サウナー」の私は、アパのサウナのクオリティの高さに驚きを通り越して「感動」を覚えた。
心と身体がすっかりリフレッシュされたからだろうか。宿泊していないにもかかわらず、なぜか宿泊した感覚が生まれるほど、充実した濃い時間を過ごすことができた。私は今後、仕事を頑張った自分へのご褒美など、ちょとした贅沢をしたいときにアパのデイユースを利用したい。家族や友達、カップルでの利用も全力でオススメしたい。
なお、宿泊なら1名1泊1万~3万円くらいが目安だ。価格は時期によって上下するが、早めに予約することで1万円を切るときもある。一方、デイユースはいつでも6000円くらいと価格が安定しているので、思い立ってふらっと利用できるのが魅力である。
「あと2時間くらい滞在したかったな」と肩を落としながら、私は19時ちょうどにセルフチェックアウト。名残惜しい気持ちを胸にホテルを退出……するのは嫌だったので、1ドリンク無料券を持って2階のバー&レストランへ。
湯ったり日帰りプランの「締め」はここで決まり(筆者撮影)
カウンターの席はめちゃくちゃ雰囲気がよく、ドリンクの値段はどれもリーズナブル。ビールは税込み1100円。カクテルも1000円台から注文できる。フードメニューも充実していた。
私はバーテンダー(男性・アパの正社員)の方に、「インスタ映えしそうな、オススメのドリンクでお願いします」とお願いをした。私の無茶振りに応え、食べられるシャボン玉(割ると煙が出てくる)のカクテルが提供されたとき、期待を超えるホスピタリティに口から泡が出そうだった。
隣の席に座っていた、ハワイから来た外国人女性と話す機会があった。彼女は「この値段でこのクオリティ。ホノルルでは絶対あり得ないわ」と嬉しそうに笑っていた。ちなみに私はこれまでに世界40カ国を旅したのだが、大阪難波のアパリゾートは世界的に見て「五つ星ホテル」のクオリティと何ら遜色がないと感じた。むしろ価格がリーズナブルな分、世界トップクラスのコスパを誇っていると思う。
私は2杯目に1ドリンク無料券を使い、キンキンに冷えた「キリン一番搾りプレミアム」を注文。金色のエナジードリンクを摂取した後、大大大満足でアパホテルのデイユース検証を終えた。
キ、キンキンに冷えてやがる!!(筆者撮影)
【画像を見る】本記事では紹介できなかった「西日本最強のアパ」について詳しく知りたい方は、ぜひこちらの写真もご覧ください。
(佐藤 大輝 : 肉体派ライター・ウーバー配達員ライター)