学歴詐称疑惑の伊東市長・田久保真紀氏辞任→出直し選出馬表明 卒業証書は地検提出「私の中では本物」

静岡県伊東市の田久保真紀市長(55)は7日、同市内で記者会見を実施。学歴詐称疑惑などの問題を受け「短期の内に辞任する」と表明した。一方で、辞任後に行われる市長選挙には“出直し”で出馬することも明言。自身を巡るさまざまな疑惑については、静岡地検に上申書と証拠を提出し、判断を委ねるとした。これに先立ち市議会は、市長への辞職勧告決議を全会一致で可決した。
所定の時間から約5分遅れ、淡いピンクのジャケット姿で会見場に姿を見せた田久保市長。市民や関係者に迷惑を掛けたことを謝罪した後、学歴問題、卒業証書、自身の進退、次期市長選について説明を行った。
まず、東洋大を卒業しておらず、除籍されていたことを改めて告白。だが、市議会議長らに見せたとされる卒業証書に関しては、上申書とともに静岡地検に提出するとし、「調査等についての結果は、検察の捜査に全てお任せしたい」と、真偽も含めて明言を避けた。
そして自身の進退について、上申の手続きが済み次第「極めて短期のうちに辞任をする」と宣言。その上で、辞任の結果で行われる次期市長選について「出馬したいと思っております」と“出直し”を宣言した。
卒業していないことが確定し、自身も認識している状態。それでも地検に提出予定の“卒業証書”については「私の中では本物であると思っております」と言い切った。報道陣からは、会見の場で公開すべきだとの声も飛んだが、同席した弁護士は、田久保市長が伊東市民から公職選挙法違反などで刑事告訴されたことが明らかになったことに触れ、告訴されている以上、重要な証拠物であるとして公開できないと強く主張した。
辞職後の次期市長選までの間に検察の判断が下されない可能性は高く、“疑惑”は晴れないままの出直し選挙となることは濃厚。それでも田久保市長は「確かにいろいろ考えました。ですけれども、市民が市長を選ぶという部分で、そういった市民の意識の形成、伊東市を替えるために行動を起こしていく、その布石になるのであれば」と、出馬の“正当性”を強く訴えた。
約1時間の会見の間、疑惑の詳細については、ほとんどの質問で「検察の判断」に委ねるとして具体的な回答を避けた田久保市長。会見終了後、報道陣から飛んだ「説明責任を果たせたとお考えですか?」との声には、笑みを浮かべるのみで、応じることなく会場を後にした。