一体どうなってしまうのか。静岡・伊東市の田久保真紀市長(55)が7日、学歴詐称騒動を受け、近く辞職する意向を表明したが、その後に行われる市長選への出馬意欲ものぞかせたことで、事態はさらに混乱している。
今年5月に市長に就任した田久保氏は市の広報誌や出馬時のメディアへの調査票などで東洋大卒業としていたが、就任後に「除籍している」との怪文書が各方面に送られていた。田久保氏は卒業したとの認識を示していたが、大学側に問い合わせた結果、「除籍」と判明。一方で、田久保氏は卒業証書を持っているとしており、学歴詐称騒動は全国ニュースとなっていた。
市議会はこの日、田久保氏への辞職勧告決議を全会一致で可決すると同時に、学歴詐称騒動を巡る百条委員会の設置を決定した。また、市民が公選法違反容疑で告発状を提出したことで、進退が窮したかに見えた田久保氏だが、出直し選への出馬意向も明かしたことで、議会や市民をあ然とさせている。
問題となっている学歴詐称疑惑に関しては、卒業証書や卒業アルバム、在籍期間証明書などを静岡地検に提出するという。卒業証書が本物なのか偽物なのかがカギとなるが、田久保氏は「30年くらい前のこともあるが、正直申し上げて、どのように手に入れたのか。郵送なのか、学校に取りに行ったのか。記憶はあいまい。きちんと捜査機関にお調べいただいて、その結果を見ることが真実に近い」と捜査の手にゆだねるとした。
一方、地検の捜査には一定の時間を要する。結果が出る前に出直し選が行われることになり、仮に田久保氏が再選した後に有罪判決となる事態も起こりかねない。それでも田久保氏は「いろんな方のアドバイスを受けながら考えたが、一番納得いただける。もうこれしかない」と話した。市民はどう判断することになるのか。