酔った男性客から「このまま飲みに行こうよ」とナンパされ…グラビアアイドルで現役タクシードライバーの中島由依子(38)が明かす、女性運転手のリアル

〈「仕事は夜中の3時まで」「おじさんと並んで寝てます」“美しすぎる”と話題のグラドル兼タクシードライバー・中島由依子(38)が明かす、“二足のわらじ生活”〉から続く
グラビアアイドルとして活動しながら、タクシードライバーとしてハンドルを握っている、中島由依子(38)。SNSなどで「タクシー界の天使」「美しすぎる」と話題になっている。
【スタイル抜群ショット】「お客さまから『すごい水着姿だね』と言われたことも…」現役グラドルのタクシードライバー・中島由依子さん38歳の“大胆なグラビア写真”を見る(画像多数)
そんな彼女に、31歳で上京してからの芸能活動、「ミスFLASH」オーディションへのチャレンジ、タクシードライバーとしても働くようになったきっかけなどについて、話を聞いた。(全3回の2回目/3回目に続く)
グラビアアイドルで現役タクシードライバーの中島由依子さん 石川啓次/文藝春秋
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――俳優を目指すもレッスンばかりの毎日に悶々とするなか、グラビアならできると考えたそうですね。
中島由依子(以下、中島) 芸能のジャンルって、いっぱいあるじゃないですか。アーティストとか役者とか。その数あるなかで、グラビアモデルは「自分に合うな、できそうだな」って直感みたいなものが。
奈良でモデルをやっていたとはいえ、自分的には「合ってないな」って思ってたんです。たまたま縁があって入ったのがモデル事務所で、案件をいただいていましたけど。やっぱり、背が高かったりしないと、ひとつ抜けられないというか。それでも、モデルの仕事がやりたいのであればやっていたんでしょうけど。そうではなかったので。
――グラビアモデルの足掛かりを掴むために「ミスFLASH2022」オーディションに挑戦したわけですが、水着での撮影などに抵抗は。
中島 恥ずかしさはありましたね。でも、グラビアってお芝居みたいに、誰かに教えてもらわなきゃできないものじゃないので。見よう見まねでみんなのポーズとかを見て、なんとなく自分が思うような感じで。あと、年齢制限もなかったのもあって、34歳だったけどチャレンジしてみようと。

――では、グラビアモデルだけに絞って活動を。
中島 SHOWROOMというライブ配信もやってました。東京に来て、すぐに始めて。「できることから、コツコツやっていこう」って唯一育てていたのが、ライブ配信だったんですよ。レッスンを受けながら、オーディションに行ってましたけど、現場に出るなんてことはたまにしかなかったのでライブ配信を頑張ってましたね。
配信といっても、歌を歌うとか苦手なので、ひたすら雑談。激辛チャレンジなんかもやってみたことがありましたけど、どうでもいいことをしゃべってました(笑)。
――「ミスFLASH2022」オーディションでは、ファイナリストまで進んでいますね。
中島 はい。まず4~5カ月くらいかけてファイナリスト10人が選ばれて、敗者復活でさらに5人が追加されて。最終的には15人での選考になりました。
――かなり時間をかけるんですね。
中島 ネット配信とか撮影会に出て、それに参加した「FLASH」の読者が入れてくれたポイントの数で進めるかどうかが決まるんです。ファンになってくれた方々に応援してもらうシステムなんですね。
自分でもすっごい一生懸命頑張っていましたけど、誰かに応援してもらいながら頑張るってことがはじめての経験で。ものすごい手応えを感じられたんですね。
ファイナリストにまでは残ったけど、結局はダメだったんです。それが、ほんとに悔しくて。でも、「FLASH」で応援されたからこそ、もっと頑張らなきゃという気持ちになりました。
それまではオーディションを受けて落ちても、手応えみたいなものをつかむことなく落ちてたんです。でも、「ミスFLASH」オーディションの場合は、手応えを感じられた状態で落ちたので。結果はダメだったけど、「じゃあ、もっとなにかしなきゃ」と思えるようになったのはすごくプラスになりましたね。

――プラスになったと思えたとはいえ、かなりガックリしたのでは。
中島 すごく落ち込みましたね。34歳で応募して、結果が出たときは35歳になってましたしね。「これからどうしよう」となって、事務所も辞めてしまおうかなとも考えたりして。
ミスFLASHは審査につながるイベントが、めちゃくちゃあって。コールセンターのバイトは融通がきくほうだったんですけど、審査で出勤できない日が多くなってたんです。
こっちの勝手な都合でシフトを削ってきたわけだから、オーディションが終わったからといって仕事の量を元に戻してもらうのもなんだか申し訳ないじゃないですか。正直、ちょっと病んでましたね。
――バイトも辞めようと。
中島 開放的になりたかったのもありますね。部屋のなかでずっと電話に出る仕事だったから、今度は外に出る仕事がいいなって。車に乗るのが好きだったから、「車に乗る仕事で何かないかな~」と考えていた時に、「タクシー運転手が良いんじゃないか」と閃いて。
人づてで「芸能活動をしている人が多く在籍していて、社長もそれを応援している面白い会社がある」と教えてもらい、コンドルタクシーの面接を受けて、タクシードライバーになりました。

――「ミスFLASH」オーディションが終わって、どれくらいでタクシードライバーに。
中島 1カ月か2カ月後ぐらい。社員として入社して、二種免許を取らせてもらって、研修を受けて「行ってらっしゃい」ですね。
――社員だとアルバイトよりも待遇がいいので、経済的にもホッとできたのでは。
中島 安心できたんですけど、歩合なので。タクシーって、新人のころは売り上げがあげられないんですよ。どこに行ったらお客さまを拾いやすいとかわからないですし、道を知らなかったりして危なっかしいから、半年ぐらいは配車アプリを使わせてもらえないんです。
なので、自力で自社の無線を拾うか、手挙げの人を拾うかしかなくて。自力だけだと、お客さまを拾うのはまずなかなか難しいんですよ。はじめの半年は、「この給料でどうやって生きていこう?」って思いましたね。

――給料、どれくらいでした。
中島 15万円くらい。当時は、コールセンターを辞めないほうが良かったかなと軽く後悔しました(笑)。ライブ配信をやっていたので、なんとか食いつなぐことができていましたけど。
――新人の頃は、どのあたりを流していたのですか?
中島 会社のそばの千川通りを。無線も鳴るし、意外と手挙げのお客さまも多いよって、会社で教えてもらったので、千川通りばっかり往復してました(笑)。まっすぐな道なのも助かりましたね。
――どれくらいで慣れましたか。
中島 半年を過ぎたあたりで、タクシーという仕事はこういうものだと理解できましたけど、慣れることはなかなかできませんでしたね。
1年経っても覚えなきゃいけない道がいっぱいあるから、「けっこうできるようになった」とは思えなかったです。いま4年目ですけど、ようやく道も覚えることができて、「慣れてきたな」って。
――ここにいたるまで、失敗もあったわけですよね。
中島 大きめの駅だと、タクシーが待機するタクシープールがあるじゃないですか。駅によってルールが違っていることがあって、なにも知らずに並んでいて、ほかのドライバーから怒られたりしましたね。
優しいおじさんのドライバーだと「並ぶのここじゃないよ」って教えてくれるんだけど、そうじゃないドライバーだといきなり怒られたりしちゃうんで。「エッ、違ったんだ」とかいって、現場で学んでいきましたね。

――いまはお給料も安定を。
中島 Uberタクシーが導入されてから、かなりラクになりました。それまでは、なかなか配車の依頼もなかったからきつかったですね。自分のがんばり次第で稼げるようにはなったので、あとは体力次第です。
――チップ的なものをもらうことは。
中島 あります。お年寄りの方が多いですね。午前中に、おじいちゃん、おばあちゃんを病院にお送りすることが多いんですけど、「これで、ジュースでも飲んで」なんて言って渡してくれることがありますね。申し訳ないですから「いえいえ、お気持ちだけで」と言うんですけど「いいから、いいから」と。ほんと、ありがたいですよね。
――トイレ、大変ではないですか。
中島 トイレがいちばんの悩みです。行きつけのトイレがあって、「ここを走っていて、困ったらここ」ってスマホのナビにすべてブックマークしています。公衆トイレやコンビニとか、トイレのコレクションを完成させるのに、3年かかりました(笑)。
――困った客もいますよね。酔ったヤツとか横柄なヤツとか。
中島 「急いで!」みたいなお客さまはいますね。「なるべく急ぎます!」とは言うんですけど、制限速度が50キロの道で70キロ出すわけにはいかないじゃないですか。事故を起こしたらマズいし、スピード違反で捕まりたくないから、急いでいるふうを装いつつ落ち着いて運転してます(笑)。
酔ったお客さまは多いです。絡まれるのがいちばん困るんですけど、そこはもう運ですね。絡まれたら、こっちは淡々とした対応をするだけですけど。

――ピシャッと。
中島 あんまりヘラヘラしてると絡まれやすいので。運転に集中したいし、もう淡々と。酔っていても楽しいお客さまならいいんですけど。おそらく、私が女性だからだと思うんですけど、セクハラ系の人はいますね。
直接的にどうこうはないんですけど、酔ったお客さまが2人だと下ネタの話をして「ねぇ、お姉さんはどう思う?」って聞いてくることが多いですね。
――わざと下ネタの話を聞かせて反応を見ると。すこぶる気持ち悪いですね。
中島 「このまま飲みに行こうよ~」なんて言われたりしますけど、そこは無視です(笑)。
――東京だと、昼夜問わずいろんな客とめぐり逢いそうですけども。イチャイチャしたカップルとか。
中島 いますけど、こっちがなにか言う立場にはないので。ただ、そういう場所じゃなくてタクシーなので、熱くなられるのも困るなって。なんで、ちょっとすごいときは窓を開けて、外のノイズを入れ込んだり、換気したりしますけど(笑)。

――不倫中らしき男女などは?
中島 昼はいないけど、夜は目立ちますね。「この人たち、不倫だろうな」っていう熟年の方たちが、「どうする?」「どこ行こうか?」とか話してたり、駆け引きっぽいことをしてたりして。
あとは、カップルかなと思ってた男女を乗せていて、男性が降りた直後に女性が「ハァ~~~~」ってデカいため息をつくんですよ。そうしたら、その女性のお客さまが話しかけてきて。キャバ嬢で、男性はお客さんでしつこかったらしいんですよ。「大変ですよね」って、思わず言っちゃいました(笑)。
キャバ嬢であろう女の子に、甘々な電話をかけている中年のお客さまもいて。どうも冷たくされたようで、電話を切ったあとは、私にキレ気味に話しかけてくるんですよ。「めっちゃ、八つ当たりされてる……(笑)」と思いながら、ハンドルを握ってました。
撮影=石川啓次/文藝春秋
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(平田 裕介)