「悪いの清めたろ」と部下に塩投げつけ、元消防署長のパワハラ認定…日頃から署に「お清め」と盛り塩

奈良県広域消防組合の葛城消防署(葛城市)で昨年9月、当時の署長が部下だった男性に「悪いの清めたろ」などと言って塩を投げつける事案があり、組合の調査委員会がパワハラと認定していたことが、複数の関係者への取材でわかった。
男性側は28日、元署長を暴行容疑などで県警高田署に告訴し、受理された。
告訴状によると、元署長は昨年9月13日、署内にいた男性に、清めるためと称して持っていた袋の中の塩を投げつけた、としている。この日朝、救急業務で傷病者の保険証を紛失するトラブルがあり、男性は救急部門の責任者だった。元署長は日頃から「お清め」として、署の入り口に盛り塩をしていたという。
男性はその後、体調を崩して仕事を休むようになり、医師からパワハラによる心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断され、昨年12月に依願退職した。
男性からの通報を受けて設置された調査委が関係者に聴取を行い、今年4月に元署長の行為をパワハラだと結論付けた。同組合は28日、取材に対してパワハラが認定されたことを認めた一方、「公表基準に当てはまらない」として、元署長への対応の詳細を明らかにしなかった。