横断歩道渡っていた88歳女性を乗用車ではねて死亡させ逃走か…51歳男を逮捕 東京・板橋区 容疑を否認

先月5日、東京・板橋区の路上で横断歩道を渡っていた88歳の女性を乗用車ではねて死亡させ、そのまま逃走したとして51歳の男が逮捕されました。 ひき逃げなどの疑いで逮捕された板橋区の会社員・牧野利充容疑者(51)は、先月5日の午後1時半すぎ、板橋区の路上で、徒歩で横断歩道を渡っていた近くに住む塩井久美子さん(88)を乗用車ではねて死亡させ、そのまま逃走した疑いがもたれています。 警視庁によりますと、塩井さんは1人で歩いていたところ、牧野容疑者の乗用車にひかれて頭を強く打ち、事故から10日後に死亡しました。 防犯カメラなどの捜査で逮捕に至ったということで、牧野容疑者の乗用車の左前方部分には人とぶつかったような傷があったということです。 取り調べに対し、牧野容疑者は「歩行者にぶつかってはいません」と容疑を否認しています。

「もう、お前の家じゃない」年金月20万円の80歳父、10年ぶりに帰国した“独身長男”に突きつけた〈静かな拒絶〉

「帰ればいつでも迎えてくれる場所」として、多くの人が拠り所としている“実家”。しかし、長期間家を空けていた子どもが、親と十分な対話をしないまま帰ってきた場合にはどうでしょうか? 本記事では、10年ぶりに帰国した独身長男と、年金暮らしを送る父親との“実家をめぐる衝突”を見ていきます。
「空港から電話してみても、父は出なかったんです。おかしいと思いながら実家に向かいましたが、インターホンを押しても反応はなく…」
そう語るのは、アジア諸国を渡り歩く“ノマド系”生活を続けてきた岸本拓也さん(仮名・51歳)。母が亡くなった直後に日本を離れ、その後10年近く帰国することなく、海外を拠点にライター業などで生計を立ててきたといいます。
しかし年齢的な不安もあり、久々に日本に腰を落ち着けようと決意。まずは“実家に戻って生活を立て直す”つもりだったといいます。
「実家の住所も変わっていなかったし、家のローンも完済済み。何の問題もないと思っていました」
だが、父親の対応は想像以上に冷たいものでした。
その日の夜、父・一男さん(仮名・80歳)にようやく電話がつながりました。受話器の向こうから返ってきたのは、冷静で突き放すような声。
「勝手に帰ってくるな。ここはもう、お前の家じゃない」
10年のあいだ、年賀状すら送ってこなかった息子が突然帰ってきたことに、父は強い不信感を抱いていたといいます。
「何年も音沙汰がなかったくせに、“居場所がないから帰ってきた”なんて虫がよすぎるだろう」
父の生活はすっかり変わっていました。浴室は手すり付きのバリアフリー仕様になっており、台所には業者による定期清掃が入るなど、高齢者向けの暮らしに整えられていたのです。
「ここに他人が入ってきたら、生活が崩れるんだよ。俺はもう、静かに暮らしたいんだ」
拓也さんは、「家族なんだから、助け合うのは当然だと思っていた」と語ります。しかし一男さんにとって、“実家”はもはや子どものための空間ではなく、老後の安心と安全のために最適化された“自分の城”となっていたのです。

拓也さんがもう一つ誤算だったのは、「親の年金を頼れるのではないか」という期待でした。
一男さんは月20万円の年金収入(厚生年金+企業年金)で一人暮らしをしており、生活に余裕があるように見えたといいます。
「年金で食費や医療費は賄えているのだから、少しくらい生活を手伝ってもらってもいいのでは」と考えていた拓也さんに対し、父は真っ向から反論しました。
「俺の年金は俺のためのものだ。お前を養う義務はない。自分で働いて、住む場所を見つけろ」
総務省『家計調査』(2024年)によれば、高齢単身者の生活費平均は月約15万円。医療・介護の自己負担を含めれば、決して「余裕のある老後」とは言えません。
家の名義、生活スタイル、親の健康状態――すべてが変化している中で、10年前と同じつもりで帰ってくることには、リスクが伴います。
「家族だから受け入れてくれるはず」という甘えが、最もこじれた形で露呈するのが“実家バトル”とも言えるのです。
拓也さんは現在、都内の簡易宿泊所を転々としています。ライターを続けていくか、それとも別の仕事に切り替えるか、模索を続けているといいます。「もう若くないし、何が現実的なのか、正直わからない」と漏らしていました。
「甘えていた自分がいたと思います。でも、あんなふうに追い返されるとは正直思わなかった。 “もう、お前の家じゃない”という言葉が、ずっと耳に残っています」
一男さんは現在も一人暮らしを続け、地域包括支援センターを通じて、近所の見守りサービスを利用しながら穏やかに暮らしているそうです。