先月5日、東京・板橋区の路上で横断歩道を渡っていた88歳の女性を乗用車ではねて死亡させ、そのまま逃走したとして51歳の男が逮捕されました。 ひき逃げなどの疑いで逮捕された板橋区の会社員・牧野利充容疑者(51)は、先月5日の午後1時半すぎ、板橋区の路上で、徒歩で横断歩道を渡っていた近くに住む塩井久美子さん(88)を乗用車ではねて死亡させ、そのまま逃走した疑いがもたれています。 警視庁によりますと、塩井さんは1人で歩いていたところ、牧野容疑者の乗用車にひかれて頭を強く打ち、事故から10日後に死亡しました。 防犯カメラなどの捜査で逮捕に至ったということで、牧野容疑者の乗用車の左前方部分には人とぶつかったような傷があったということです。 取り調べに対し、牧野容疑者は「歩行者にぶつかってはいません」と容疑を否認しています。
「明らかに私刑」栃木県立校“暴行動画”の男性生徒の顔写真、個人情報が拡散…過剰な“晒し行為”に広がる懸念、元刑事も「解決策にならない」と警鐘
1月4日ごろからXで、栃木県の県立高校と思しき男子生徒が別の男子生徒に暴行を加える様子を撮影した動画が拡散している。
9秒の動画では、校内の男子トイレと見られる場所に複数の男子生徒が集合。ひとりの生徒による「レディ!ファイト!」の掛け声とともに、ファイティングポーズの構えをした生徒が無抵抗の生徒に右拳で顔面パンチ。続けて右脚で後頭部に蹴りを入れ、再び右拳で顔面を殴打していた。その際、周囲にいた生徒たちが歓声や笑い声を上げる様子も収められており、制止しようとする様子は見られなかった。
この動画は瞬く間に拡散され、“いじめではないか”と大炎上。本誌が5日の正午前に当該高校に取材を申し込んだところ、対応した教頭は「学校としても、4日夜に動画が拡散されたという事実を把握しました」とコメント。だが事実関係については、「いま事実確認を早急に行っているところでして、県教委とも協力しながら対応しております」と述べるにとどまっていた。
同日夜にはNHKや大手全国紙でも次々と取り上げられ、警察が調査を進めていることも明らかになった。
「動画の拡散によって当該高校や栃木県の教育委員会、自治体に問い合わせや抗議の電話が殺到したといいます。警察では関係した生徒たちに聞き取りを進め、当時の状況や詳しい経緯を調べています。動画が撮影されたのは昨年12月とのことで、暴行を加えた生徒は事実を認めて『大変申し訳ないことをした』と反省しているそうです」(全国紙記者)
全容解明が待たれるが、Xでは思わぬ余波も。加害生徒を特定する動きが加速し、物議を醸しているのだ。
「暴行を加えたと思われる生徒の氏名や学年、出身中学校だけでなく、複数の顔写真や真偽不明の家族の職業までかなりの早さで拡散されています。それらが加害生徒と同一人物の情報かどうかは不明ですが、“本人”だと信じて疑わないユーザーも少なくありません。
しかも加害生徒を名乗るアカウントまで現れ、あたかも本人であるかのような主張を繰り広げています。しかし、“なりすまし”の可能性もあり、こうした情報の拡散は加害生徒への批判を増幅させてしまうことにつながりかねません。
一部で指摘されている“動画が拡散しなければ発覚しなかった”という考えは一理ありますが、すでに然るべき機関が対応を進めています。当事者の生徒たちは未成年である可能性が高いので、個人情報の取り扱いなどには十分に留意すべきではないでしょうか」(WEBメディア記者)
もちろん加害行為は決して許されるべきではなく、被害者のケアが最優先されるべきだろう。だが、真偽不明な個人情報を信じ込んでSNSで拡散し、行き過ぎた批判をする風潮を疑問視する人も少なくないようだ。
《なんか今回の高校いじめ事件で正義の鉄槌だとか皆言ってるけど明らかに私刑だよな… あと個人情報を平気で晒すの皆感覚バグってるよ…》《高校生によるトイレでのいじめ動画、もちろんいじめは絶対に許されない。 でも特定して個人情報を晒す行為も、本質的には同じ暴力に見えてしまう。 まだ高校生だし、社会全体が冷静であるべきだと思います。加害者だから何されてもいいような風潮がなんだか怖いです》《栃木県某高校のいじめ加害者は決して擁護しないが 「被害者を守るため」という絶対的な正義を盾にして、加害者のき苦しむ姿を見て快感を得ることが目的の新たないじめをする者たちに成功体験を与えてはならない》
また、専門家もこうした懸念を抱いているようだ。
元埼玉県警捜査1課刑事の佐々木成三氏は5日に更新したXで、《今回拡散している高校生による動画は、「いじめ」という言葉で片づけられるものではなく、明確に暴行や傷害事件に該当する行為です。決して許されるものではありません》と主張。
いっぽうで、《加害者とされる生徒の氏名や学校名、電話番号までが特定され、第三者が感情的に学校へ苦情を入れる状況には強い懸念を抱いています。学校の業務が混乱し、本来最優先で行うべき事実確認、被害者へのケア、再発防止策の検討が遅れてしまうことは、結果的に誰のためにもなりません》と言及し、こう警鐘を鳴らしていた。
《残念ながら、多くの生徒を抱える学校で「いじめを完全になくす」ことは簡単ではありません。だからこそ重要なのは、起きてしまった後の迅速で適切な対応によって、被害を最小限に抑え、同じことを繰り返させないことです。加害者をネット上で私刑のように追い込むことが、いじめをなくす解決策にはなりません。今、最も優先されるべきは、被害を受けた生徒の心と身体のケアです》
真偽不明な個人情報が流れてきたとしても、拡散する前に一度立ち止まることが大切だろう。