横断歩道渡っていた88歳女性を乗用車ではねて死亡させ逃走か…51歳男を逮捕 東京・板橋区 容疑を否認

先月5日、東京・板橋区の路上で横断歩道を渡っていた88歳の女性を乗用車ではねて死亡させ、そのまま逃走したとして51歳の男が逮捕されました。 ひき逃げなどの疑いで逮捕された板橋区の会社員・牧野利充容疑者(51)は、先月5日の午後1時半すぎ、板橋区の路上で、徒歩で横断歩道を渡っていた近くに住む塩井久美子さん(88)を乗用車ではねて死亡させ、そのまま逃走した疑いがもたれています。 警視庁によりますと、塩井さんは1人で歩いていたところ、牧野容疑者の乗用車にひかれて頭を強く打ち、事故から10日後に死亡しました。 防犯カメラなどの捜査で逮捕に至ったということで、牧野容疑者の乗用車の左前方部分には人とぶつかったような傷があったということです。 取り調べに対し、牧野容疑者は「歩行者にぶつかってはいません」と容疑を否認しています。

住民「注意するのも怖い…」アルミ缶等の持ち去り禁止条例施行へ 異論唱える“持ち去る側”の事情「おまんま食えない」

名古屋市は、アルミ缶など家庭ごみの“持ち去り”を禁止する条例を2026年4月に施行する方針だ。高まる金属価格を背景に持ち去り被害が急増しているためだが、生活の糧としてアルミ缶を集めてきた人々の行き場がなくなる懸念も指摘されている。
名古屋市中区の若宮大通の高架下で生活するイトウさん、86歳。毎週月曜から木曜まで、午前6時からアルミ缶を集めている。回収したアルミ缶を業者に売って得た収入で生活しているが、2026年4月からこの生活はできなくなる。

イトウさん:「誰が最初にはじめたんかね。ゴミがお金になる。アルミだけ、スチールはだめ」
11月17日に開会した名古屋市議会に提出された「家庭廃棄物等の持ち去りの防止に関する条例案」。可決されれば2026年4月から施行され、10月には50万円以下の罰金も適用となる。 この条例案で持ち去りが禁止されるのは、アルミ缶だけでなく、粗大ごみや不燃ごみなどすべての家庭ごみだ。名古屋市環境局の担当者:「令和3年ごろから金属の市場価格が高騰したことに伴い、アルミ缶だけでなくて、不燃ごみや粗大ごみの持ち去りの通報件数が増えてきました」ここ最近は、金属の市況価格が高騰して市民の関心が高まったこともあり、市へのアルミ缶持ち去りの通報件数は、2020年度は6件だったが、2024年度は152件と“25倍以上”になっている。
市が回収したアルミ缶はリサイクルされ、得られた収入は市民サービスなどの財源になるが、その損失額は2024年度分の推計で少なくとも5000万円にのぼるという。名古屋市環境局の担当者:「市民がルールを守って適正に排出した資源・ごみは、市が適正に収拾して処理する責任がありますので、そういったところで市民の適正処理に対する期待に応えたい」
名古屋市昭和区の妙見町。ここでは、毎月第2土曜日が資源回収の日とされていて、集めた量に応じて、町内会には名古屋市から補助金が入る仕組みがある。補助金は、ゴミ置き場の清掃やメンテナンスに係る費用になるため、持ち去られてしまうと、その分の資金が減ってしまう。妙見町公民協会 近藤邦生会長:「少しでも町内の糧になればと思っているので、非常に残念です。しっかり“持ち去りはいけない”ということを持っていく方に思っていただければ、少しでも減るのではないかなと」
近藤さんたちの住む昭和区では、実際に持ち去られる現場も目撃されている。住民が撮影した動画には、午前8時半ごろにゴミ置き場近くに軽乗用車を止め、降りてくる男性がアルミ缶とみられる袋を持ち去る姿が捉えられていた。
別の日には、捨ててあるゴミ袋をあさり、軽トラックで持ち去っていく姿もみられた。八事富士見町内会 塩谷修平会長:「早い者勝ちなのか、車も何種類かくるので。軽トラや軽乗用車で来て、積んで持っていくというのが多いですね。注意するのも怖い感じもするので、(地域住民には)怪しい人がいたら教えてねとは言っています」
持ち去りで困っている人たちがいる一方で、条例の「問題」を指摘する声もある。路上生活者を支援する団体「ささしまサポートセンター」の藤井さんは、この条例により、生活が立ち行かなくなる人がうまれることを危惧している。ささしまサポートセンター 藤井克彦顧問:「アルミ缶の抜き去りの問題は、圧倒的に業者、悪質業者。車で持っていって、そういうことが問題なので。やむなくアルミ缶で生活を何とかしている、生きてる人を対象にするのはまずいと思う。名古屋市としてやるんだから、真剣に就労対策、できる仕事を提供するということをしないといけない。してほしいという風に思います」
若宮大通で暮らすイトウさんに、どうして缶集めをしているのかを聞いてみた。イトウさん:「おまんま食えないもん」集めた缶は、潰して大きな袋へ。イトウさんによるとアルミ缶は1キロ210円で、大きな袋が7000円程度になる。アルミ缶の回収で週1回、およそ1万5000円の収入を得ている。
今の暮らしについては、「気が楽だ」と話す。イトウさん:「気が楽だねえ。せいぜい自分の遊ぶ金がなくなるくらいのもんで。(Q条例ができたらどうする?)来年4月だけど、あんまり考えていないね。どうしようかな思っているだけで。ただそこまで自分の体が持つか」2026年4月以降の暮らしはまだ考えていないというイトウさん。アルミ缶収集歴・15年以上のベテランが、最後にこんな指摘も。
イトウさん:「そのかわり出す側のマナーも変わってく。今のような出し方じゃだめ。いま実際には缶もペットボトルも瓶も一緒に出している人が多い。そういうことを無くしないとダメだわね」2025年12月1日放送