横断歩道渡っていた88歳女性を乗用車ではねて死亡させ逃走か…51歳男を逮捕 東京・板橋区 容疑を否認

先月5日、東京・板橋区の路上で横断歩道を渡っていた88歳の女性を乗用車ではねて死亡させ、そのまま逃走したとして51歳の男が逮捕されました。 ひき逃げなどの疑いで逮捕された板橋区の会社員・牧野利充容疑者(51)は、先月5日の午後1時半すぎ、板橋区の路上で、徒歩で横断歩道を渡っていた近くに住む塩井久美子さん(88)を乗用車ではねて死亡させ、そのまま逃走した疑いがもたれています。 警視庁によりますと、塩井さんは1人で歩いていたところ、牧野容疑者の乗用車にひかれて頭を強く打ち、事故から10日後に死亡しました。 防犯カメラなどの捜査で逮捕に至ったということで、牧野容疑者の乗用車の左前方部分には人とぶつかったような傷があったということです。 取り調べに対し、牧野容疑者は「歩行者にぶつかってはいません」と容疑を否認しています。

党員向けには「右側で響くような言葉を使って」…高市早苗氏の巧妙な“二刀流戦術”とはなにか《自民党総裁選2025》

10月4日に投開票される自民党総裁選が間近に迫る中、「文藝春秋PLUS」の緊急特集で、JX通信社代表の米重克洋氏が興味深い分析を披露した。
【動画を見る】党員向けには「右側で響くような言葉を使って」…高市早苗氏の巧妙な“二刀流戦術”とはなにか《自民党総裁選2025》
日本テレビとの共同調査をもとに、高市早苗氏が展開している戦略について「政策的な軌道は中央になるべく寄せながらも、そのナラティブでは右側、右奥に手を伸ばしていくという、こういう戦い方なのかなと思う」と解説。党員票と議員票という異なる有権者層に向けた、巧妙な「二刀流戦術」の実態を明かした。
(初出:「文藝春秋PLUS」2025年10月3日配信)
高市早苗氏 時事通信社
米重氏が特に注目したのは、高市氏の靖国神社参拝に対する姿勢の変化だ。「政策的にその中央軸に寄せるということでいうと、一番分かりやすい例は、靖国神社への参拝を明言しないということです」と指摘した。
この背景には複雑な外交事情がある。「要はその今の日本の総理大臣が、その韓国との関係性で見た時に、やはり靖国神社に公式に参拝をするということになると日韓関係に亀裂が入る」と米重氏は説明。さらに「日韓関係というのは別に日本と韓国の間だけの問題ではなくて、日米韓で連携をして中国、あるいはロシア、北朝鮮といった勢力と対抗していくという意味で非常に重要な日本の外交の軸になっている」と、より大きな戦略的文脈での重要性を強調した。
一方で、より一般の党員に向けては別のアプローチを取っているという。米重氏は「やはり一般の方に近い、世論の意見に近いような部分に関してはなるべく右側で響くような言葉を使っていく」と分析。「それが例えば外国人の話だったりとか、多分そういうアプローチになってるんだと思う」と具体例を挙げた。
この戦術について、米重氏は「党員票の方にそういった政策の中心軸から外れずに、なるべく右に響くようなナラティブを発信をしていくって、ここは非常になんか明確な意思があると思う」と評価。さらに「決してその政策の軸がずれるような、軌道からずれるようなことは言わないようにしようっていう配慮も、これはやっぱり政治的にはすごく感じられる」と、その巧妙さを指摘した。
調査結果によると、党員票では高市氏が35%でトップを維持しているものの、小泉進次郎氏が28%で追い上げており、差は7ポイントに縮まっている。米重氏は「本当は党員の支持率を40%とか45%とか、そういう水準まで伸ばしていって、小泉さんとダブルスコアぐらいつけたいっていうのがゲームプランだった」と分析。
「議員票でかなり小泉さんの方が上に行っているとすると、ちょっと物足りないのかなと。党員票はもうちょっと取りたかったっていう思いがあるんだろう」と、高市陣営の心境を推察した。

昨年の総裁選で決選投票で敗れた高市氏にとって、今回も同様の展開が最大の懸念材料だ。米重氏は「やはりその高市さんというリーダーになってくると、外交政策や経済の部分でやっぱり不安だっていうことを、これは結構はっきり言う国会議員は多い」と、党内の根強い抵抗感の存在を指摘した。
「そういった人たちは、どういう組み合わせになったとしてもやっぱ高市さんの方には入れないっていう、やっぱこういう一定のボリュームがある」と述べ、決選投票での厳しい戦いを予想している。
高市氏の「二刀流戦術」は、半々の比重を持つ党員票と議員票という制度的制約の中で生まれた巧妙な戦略だが、果たしてこの戦術が最終的な勝利に結びつくかどうか、開票結果が注目される。
〈“最有力候補”小泉進次郎氏に暗雲が…「ステマ疑惑」だけではない、総裁選後の「深刻な不安」とは〉へ続く
(「文春オンライン」編集部)