先月5日、東京・板橋区の路上で横断歩道を渡っていた88歳の女性を乗用車ではねて死亡させ、そのまま逃走したとして51歳の男が逮捕されました。 ひき逃げなどの疑いで逮捕された板橋区の会社員・牧野利充容疑者(51)は、先月5日の午後1時半すぎ、板橋区の路上で、徒歩で横断歩道を渡っていた近くに住む塩井久美子さん(88)を乗用車ではねて死亡させ、そのまま逃走した疑いがもたれています。 警視庁によりますと、塩井さんは1人で歩いていたところ、牧野容疑者の乗用車にひかれて頭を強く打ち、事故から10日後に死亡しました。 防犯カメラなどの捜査で逮捕に至ったということで、牧野容疑者の乗用車の左前方部分には人とぶつかったような傷があったということです。 取り調べに対し、牧野容疑者は「歩行者にぶつかってはいません」と容疑を否認しています。
伊藤詩織さん「差し替えなどできる限り対応」映像使用めぐり書面で釈明・謝罪 「幾度も約束守られなかった」元担当弁護士が涙の訴え
自らの監督作品がアメリカ・アカデミー賞にノミネートされている、ジャーナリストの伊藤詩織さん。20日、ある人物によって批判されました。
伊藤さんの映画制作について批判する西廣陽子弁護士:幾度も約束は守られませんでした。そして私は、彼女側から「底知れぬ悪意を感じます」と、そう非難されています。
涙ながらに訴えたのは、性被害を巡るかつての民事裁判で伊藤さんの弁護を担当していた、西廣陽子弁護士です。
西廣陽子弁護士:こんな将来が来ることなど予想すらせず、私は8年半もの時間とエネルギーを、彼女を守るために必死に費やしてきました。なんて惨めなのでしょう。
一体なぜ、元弁護士がこのような主張を展開したのか。答えは、伊藤さんが制作した映画にありました。
伊藤さんは2015年、当時TBSの記者だった男性から、酔って意識がない中で性的暴行を受けたと主張し男性を提訴。2022年には、男性側に332万円の賠償を命ずる判決が確定しました。
伊藤詩織さん(一審判決後 2019年12月):きちんと答えを出していただけて感謝。受けた傷が癒えるわけではない。
その後、伊藤さんは自らの性被害についてのドキュメンタリー映画「Black Box Diaries」を制作。この作品はすでに海外で公開されていて、3月に授賞式が行われるアメリカ・アカデミー賞の長編ドキュメンタリー部門にノミネートされています。
しかし西廣弁護士らは、その作中に使われている現場ホテルの防犯カメラ映像について、事前の取り決めに反する“目的外使用”だと指摘したのです。
西廣陽子弁護士:ホテルの防犯カメラ映像について、裁判手続き以外では一切使用せず、報道やインターネット配信しないと書かれた誓約書に伊藤さんはサインをしました。
西廣弁護士はさらに、無断使用は他にもあると続けました。その1つが、伊藤さんと西廣弁護士が交わした会話の音声です。
西廣陽子弁護士:(上映会では)伊藤さんが私(西廣弁護士)と電話で話している映像が使用されており、ずたずたな気分にされた、その瞬間でした。(その後)伊藤さんが通りかかり、「先生また相談させてください」といってハグをされました。私にはハグを拒否する気力すらありませんでした。
その後、伊藤さんらと協議を行ったものの、双方の見解は現在に至るまで対立したままだとしています。
西廣弁護士らが行ったこの会見のあと、本来であれば同じ場所で伊藤さんも会見を行う予定でした。
ところが、伊藤さんの会見は体調不良でキャンセルに。伊藤さんは代わりに書面で声明を発表し、無断使用が指摘されるホテルの防犯カメラについて、「この映像があったからこそ、警察も動いてくれました。映画への使用について、ホテルからの承諾は得られませんでした。そのため映画では、外装・内装・タクシーの形などを変えて使用しています」と釈明しました。
また、西廣弁護士との会話音声を無断で使用した点については、「ご本人の確認が抜け落ちたまま使用し、心からおわび申し上げる」と謝罪。
そのうえで、映像を無断で使用した人などに関して、「差し替えなど、できる限り対応します」としています。