覚醒剤取締法違反(所持と使用)の罪に問われたKAT―TUN元メンバー・田中聖(こうき)被告(36)の初公判が22日、千葉地裁松戸支部で行われた。
田中被告は今年1月、名古屋で覚醒剤事件を起こし、6月に執行猶予付き判決を受けた9日後、地元である千葉県柏市内でまた覚醒剤を所持し現行犯逮捕された。初公判では、判決の2日後に覚醒剤にまた手を出し、逮捕されるまで3度も吸引していたことが明らかに。薬物依存は相当なものと言えそうだ。
黒スーツにグレーのマスク、メガネ姿で弁護士と入廷した田中被告は最初、弁護人席に座ろうとしてイスの背に手を掛け、しばらくたたずんでいた。背もたれのない被告人席にあらためて座り直すと、両こぶしを膝の上に乗せて姿勢を正し、30分間の公判中、ずっと正面を見据えていた。
人定質問では、職業について「動画編集業です」と早口で答えた。ちなみに名古屋事件の初公判では、裁判官から職業を聞かれ「あ、え~と、歌手になります」と答えている。またこの日は、冒頭陳述読み上げの際は住所を読み上げないと裁判官から伝えられると、「ありがとうごさいます」と返す一幕も。
傍聴席にはファンらしき女性らがチラホラ見られたが、田中被告が傍聴席にチラッと目をやったのは閉廷間際。最前列左端の特別傍聴席には、白髪交じりのオールバックで恰幅(かっぷく)のいいスーツ姿の男性と、レース地の黒服姿で茶髪ショートカットの小柄な女性が座り、神妙な面持ちで裁判を見守った。両親かどうかは不明だが、田中被告はこの老齢の男女とともに退廷。その際、3度ほどお辞儀した。
地裁の正面入り口前には朝から多くの報道カメラマンが陣取った。田中被告の出入りは「ここしか使わない」と地裁職員から事前に言われていたが、閉廷から10分後、報道陣の元へやって来た職員は「もういませんよ。出ましたよ」。
田中被告一行を乗せた車は、正面入り口から30メートルほど脇にある「夜間(時間外)窓口入り口」から、マスコミの目を避けさっさと地裁を後にした。