天皇、皇后両陛下は22日から沖縄県を訪問されている。新型コロナウイルス感染症の拡大で見合わせていた地方訪問は10月から再開し、沿道に立つ人々が両陛下の車列に手を振る光景がまた見られるようになった。陛下が乗る車はどんなものなのか。車列にはどんな車が並ぶのか。両陛下の車にまつわる基礎知識をお伝えしたい。
英女王国葬で天皇陛下もマスクせず 印象に配慮 「御料車(ごりょうしゃ)」。両陛下が乗る車はそう呼ばれている。宮内庁によると、現在は特別仕様のトヨタのセンチュリーなどで複数台ある。

公務で使用する車には、通常のナンバープレートは用いられない。つけられるのは、直径10センチの皇室専用の自動車登録番号標「皇ナンバー」だ。 ボンネットには菊の紋章をあしらった「天皇旗」が取り付けられることもあるという。私的な外出の際には、通常の品川ナンバーの車が使われる。 宮内庁によると、陛下が地方訪問をする際は、御料車は現地まで運ばれる。宮内庁長官らが乗る供奉(ぐぶ)車や、事故などの際に両陛下が乗り換えるための予備車も同様だ。宮内庁によると、これは「以前からの慣例」という。 訪問先が本州の場合は運転手がそのまま運転して運ぶことが多いが、今回の沖縄訪問ではフェリーも使われた。 運転して運ぶ際は苦労が多いようだ。皇ナンバーの車が少しでも目立たないよう、他の車で挟むように走行するという。 また、携帯電話がない頃は、事故や故障など不測の事態に備え、近くの公衆電話から報告するための連絡係も同乗していた。整備士が乗っていた時代もあったという。 皇居内には現在も、整備士が修理などを行う整備工場がある。 地方訪問では、白バイを先頭に長い車列ができる。車列は御料車や供奉車、報道車などで、予備車も入っている。そのうち、無線車には警察庁長官や皇宮警察本部長らが乗り込み、車列警備の司令塔となっている。 警備は皇宮警察と地元警察が担い、安全確保が最優先される。ただ、皇室と国民の親和を妨げないことも原則とされており、沿道に人が多い場所では車列全体がスピードを落とし、両陛下が住民らの歓迎に応えられるよう対応している。【井川加菜美】
「御料車(ごりょうしゃ)」。両陛下が乗る車はそう呼ばれている。宮内庁によると、現在は特別仕様のトヨタのセンチュリーなどで複数台ある。
公務で使用する車には、通常のナンバープレートは用いられない。つけられるのは、直径10センチの皇室専用の自動車登録番号標「皇ナンバー」だ。
ボンネットには菊の紋章をあしらった「天皇旗」が取り付けられることもあるという。私的な外出の際には、通常の品川ナンバーの車が使われる。
宮内庁によると、陛下が地方訪問をする際は、御料車は現地まで運ばれる。宮内庁長官らが乗る供奉(ぐぶ)車や、事故などの際に両陛下が乗り換えるための予備車も同様だ。宮内庁によると、これは「以前からの慣例」という。
訪問先が本州の場合は運転手がそのまま運転して運ぶことが多いが、今回の沖縄訪問ではフェリーも使われた。
運転して運ぶ際は苦労が多いようだ。皇ナンバーの車が少しでも目立たないよう、他の車で挟むように走行するという。
また、携帯電話がない頃は、事故や故障など不測の事態に備え、近くの公衆電話から報告するための連絡係も同乗していた。整備士が乗っていた時代もあったという。
皇居内には現在も、整備士が修理などを行う整備工場がある。
地方訪問では、白バイを先頭に長い車列ができる。車列は御料車や供奉車、報道車などで、予備車も入っている。そのうち、無線車には警察庁長官や皇宮警察本部長らが乗り込み、車列警備の司令塔となっている。
警備は皇宮警察と地元警察が担い、安全確保が最優先される。ただ、皇室と国民の親和を妨げないことも原則とされており、沿道に人が多い場所では車列全体がスピードを落とし、両陛下が住民らの歓迎に応えられるよう対応している。【井川加菜美】