8月、「一身上の都合」で突然辞任した石油元売りの最大手ENEOSホールディングスの元会長。その理由は女性への「セクハラ行為」だったことがわかった。
今から2年前、当時の小泉環境相とツーショトに納まっていたこの人物。ENEOSホールディングスの会長だった杉森務氏(66)。
炎が渦巻くようなオレンジ色のロゴで知られる石油元売り最大手ENEOSホールディングス。
ENEOSホールディングスの会長のほか、経団連の副会長も務め、“石油界のドン”とまで呼ばれた杉森氏が8月、ENEOSの会長を突然辞任。
当初、その理由について「一身上の都合」としか説明がなかった。ところが、辞任理由は「セクハラ」だったことが明らかになったのだ。
2022年7月、沖縄県那覇市の歓楽街を訪れたという杉森氏。女性が接客する飲食店でトラブルを起こしていた。
週刊新潮によると、杉森氏は初対面の女性従業員の体を強引に抱き寄せたという。
それだけではない。杉森氏は、従業員の衣服の中に手を入れ、体を執拗に触り、衣服を脱がすなどの行為にも及んだという。
さらには、首を絞めるような格好にもなり、女性は全治2週間の診断を受けたとしている。
この件について、ENEOS側は21日「新潮の記事は一部誤認があるものの事実」だと発表した。
女性側の弁護士から連絡を受けて調査したところ、杉森氏本人がセクハラを認めたと説明。
「人権尊重、コンプライアンス徹底を経営の最優先事項と位置付けているにもかかわらず、元会長自らがこれに背く行為を行ったことは、極めて遺憾」とする声明を出した。
杉森氏は一橋大学卒業後、ENEOSの前身である日本石油に入社。2020年にENEOSホールディングスの代表取締役会長に就任し、併せて石油連盟の会長にも就いた。
2022年1月、経済3団体の新年祝賀会に出席した際、景気を良くするために必要なことを聞かれた杉森氏は「冷静に前進すること」と答えていた。
ーー「冷静に」というのはどういう思いが?「冷静に」というのは、やはり社会経済活動を再開してるわけですけれども、やはりウイズコロナ(時代)において大事なことは冷静に経済を回していくということではないかなというふうに思っております。ということで、「冷静に前進」ということです。
“冷静”という言葉を繰り返し使っていた杉森氏。しかし、冷静とはほど遠い不適切な行動から辞任を余儀なくされた。
ENEOSユーザーも「やっぱり許せないです」「もう一発退場ですよね」などと呆れ返っていた。
ENEOS側は、辞任理由の詳細をこれまで明らかにしなかったことについて、「被害者のプライバシー保護を最優先したため」とした上で、この件に関する会見の予定はないとしている。
(「イット!」9月21日放送より)