弁護する被告人の裁判で、うその“真犯人”を仕立て上げたとして弁護士が逮捕された事件で、県警捜査2課は24日、共謀者として指名手配していた暴力団組長ら3人を証拠隠滅容疑で逮捕したと発表した。いずれも容疑を否認している。
逮捕されたのは、東京都新宿区、暴力団組長、村井大三郎(34)▽同中野区、暴力団幹部、長谷川貴久(32)▽同板橋区、無職、田村洋(29)――の3容疑者。今月9日には東京弁護士会所属の弁護士、山本至容疑者(52)が同容疑で逮捕されている。
調べでは、振り込め詐欺に絡んで盗品等有償譲り受け罪で起訴された村井容疑者と同系列の暴力団組員(24)の公判で、山本弁護士は無罪を主張した。3容疑者は知人の男性2人を“真犯人”に仕立て上げようと山本弁護士と共謀。今年2月下旬、男性2人を新宿区歌舞伎町の喫茶店に呼び出し、「お前らがやったという文面を書け」などと言って、虚偽の書面を作成させ、9月6日の公判で、その書面を証拠として提出した疑い。
10月25日の公判に証人として出廷した男性が「山本弁護士らに強要され(書面を)書いた」と証言をしたため、容疑が明らかになった。